脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみのでは、パーマカルチャーの考え方を取り入れながら、持続可能な運営を大切にしています。
そのため、観光農園施設などについてもなるべく、「地域の」、「身近な」資源を使うようにしています。
その一つが「石」です。
今回は「石」の利用について書いてみました。
農業では邪魔にされる「石」を活かせないか?
(↑農地のところどころに積んである石)
一般的に農業では「石」は邪魔にされることが多いです。
トラクターで耕運するときに、石があると作業性が悪く、機械も痛めてしまいます。
草刈りをするときも、石があると、刃が破損したり、石が飛んで危険です。
機械を入れる場合は、邪魔になる存在です。
ブルーベリーの森あづみのの、ある農地周辺は、火山灰土で、その中に火山由来と思われる石が混じっており、掘ったりするとけっこう出てきます。
おそらく、昔、農地を開拓したときに、どけた石が、現在でも石塚のようになっています。
最初に、この農地をみたときに、ところどころに積んである石が印象的で、「何かに活かせないか・・・」と思いました。
ブルーベリー農園の観光農園施設に「石」を活かす
身近な資源を活かしたいという思いから、ブルーベリーの森あづみのの「観光農園施設」に活かすことにしました。
キーホールガーデン(ハーブガーデン)
(↑石でキーホール型を作ります)
ブルーベリーの森あづみのには、小さなハーブガーデンがあり、その一つが「キーホールガーデン」です。
パーマカルチャーでよく使われる手法です。
鍵の穴のような形をしており、キーホールの中心から、どこへでも手がとどくため、作業性がよく植え床も保護されます。
また、この形が、自然のエネルギーを呼び込む形(?)のようです。
このキーホールガーデンを作るときに、石を使いました。
だんだんハーブが大きくなると、植物に埋もれてしまって、形がわからなくなるみたいなので、今年はもう一段、石を積んでみようと思います。
(↑参考にした本)
スパイラルガーデン(ハーブガーデン)
ハーブ園のもう一つが、「スパイラルガーデン」です。
半径2mほどの、渦巻き型の小山のような植床で、こちらもパーマカルチャーでよく採用される手法です。
家族や、友人親子にも手伝ってもらい、ワイワイ楽しく作りました。
土や石の量がけっこう必要なので、イベント的に作る場合は、材料を運んでおくと、スムーズです。
レンガなどでも作ることができますが、石を使うことで、より味わいのあるものになるように思います。
しかもコストは全くかかりません。
(↑完成して喜びの登山(?))
(↑参考にした本、その2)
ブドウ棚のレストスペースの基礎
(↑無農薬ブドウのレストスペース。ブドウを食べることもできます。)
ブルーベリーの森あづみのには、ブドウ棚の日陰を利用したレストスペースがあります。
単管を基本的な骨組みにして、棚の格子部分は地域の竹を切ってきて組みました。
その基礎部分の下に、沈み込み防止のため石を利用しました。
(↑20cmくらいの穴をほって、石を入れます。大小の大きさの石をバランスよく使うとしっかりしまります)
(↑近くの川で拾ってきた砂利を入れて均し、さらに突き固めます)
(↑石のところに一緒においてあった、昔この農地で使っていたコンクリート基礎みたいなものを置きます。基礎の水平は川で拾ってきた砂で調整します。)
(↑単管用基礎を置きます。)
棚をしっかり組んであれば、力が分散してあまり沈み込まないようにも思いましたが、念のため、基礎の下にも、石をたくさん入れて補強しました。
基礎の沈み込みは全くなく、かなり安心感があります。
石は地球からの贈り物
(↑運ぶのがちょっと大変ですが、無理せずこつこつやれば、かなり運べます)
農園の石はもともと火山由来のものと思われるので、地球の内部から噴火により出てきたものです。
石は豊富なミネラル分を含み、コケや植物の根が徐々に溶かすことで、植物は利用することができます。
根が張る場所は、むしろ石が適度にゴロゴロあった方が、石に根がぶつかる刺激で細根が発達したり、ミネラル分が供給されるので、植物にとっては良いそうです。
また、花壇のような使い方をする場合は、蓄熱体でもあるため、春先の地温の上昇にも、役に立つようです。
農業機械を使えば邪魔になるのは、私も実際にやって、身に染みてはいるのですが、それは一つの側面にしかすぎないのではないかとも思います。
(↑石のあるガーデンで元気の育つハーブ)
石は地球からの贈り物だとも言えます。
なんとか、活用したいという思ったのは、このような背景もあります。
実際に使ってみると、運ぶのは大変だけど、こつこつやればどうにかなります。
そして、大きさもそろっていないけど、むしろパズルのようにうまく積むことができます。
そして、何より、景観になじむ!
「石の利用」おもしろくて、やめられません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(↓玄関現代農業2022年2月号(農文協)に 私の関連記事が掲載されました)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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