脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーのような果樹は、植えつけてから収穫までに少なくとも2年~3年の期間がかかります。
その間は育てているだけなので、収穫ができません。
ブルーベリーなどの果樹栽培の未収穫期間の収入をどのようにするか?
今回は、そのようなテーマで書いてみました。
新規就農の補助金はもらわないことにした
副業をしたり、貯蓄を切り崩してなど、様々な方法がありますが・・・
おそらく、オーソドックスなのが新規就農関係の補助金です。
名称や制度が頻繁に変わっていますが、概ね年間150万円を5年の支給というものです。
最初は私も新規就農の補助金を申請しようかと考えていました。
しかし、書類を作成しつつ、市役所に相談にいったところ、申請の要件である「従事日数が足りない」のではないか、という指摘がありました。
たしか年間150日だったと記憶しています。
ブルーベリーの場合、収穫に多くの時間が割かれますので、それ以外の管理に係る時間は少ない。
よって、収穫のない未収穫期間(少なくとも、植え付け2年間)は、従事日数が少なくなるという解釈のようです。
特にスタート時はまだ340本ほどしかブルーベリーがなく、小規模でもあったと思います。
実際には、観光農園の準備などもあるので、純粋に栽培の日数だけではないと思い、その旨確認してもらいましたが、市→県→国まで確認してもらったところ、「観光農園に係る作業も認められるが、それでも従事日数過半数は農作業とする必要がある」とのことでした。
農業政策的には農家カフェなどの多様な運営を求めているわりには、従事日数=農作業という定義は強固みたいです。
このような経緯で、収穫までの2年間はブルーベリーでは新規就農の補助金がもらえないという形になりました(制度的に本当にそうなのかまだ腑に落ちてはいませんが)。
「ほかの作物も作りますか?」と聞かれましたが、その時点ではほかの作物の栽培の予定がなく、その段階で、得意ではない分野に投資して収益をあげる自信もなかったので、
「いえ、違うこともやりながら栽培します」と回答し、申請をやめることにしました。
自治体や担当者などによっても対応や解釈が異なる可能性もあると思いますが、
私の場合はこのような経緯で補助金をもらわないことにしました。
林業関係の仕事との「複業」でブルーベリーを育てる
その後、ご縁もあり林業関係の仕事などをやりながら、ブルーベリーの収穫に至りました。
もともと、県庁の森林・林業の技術職だったため、得意なことを活かすことにしました。
林業関係の仕事は、実際に現場で木を伐るという仕事ではなく、計画や現場管理、測量設計などが主にでした。
こういった仕事は、2年ほどブランクがありましたが、意外なほどすんなり慣れました。
10年以上やっていた仕事であれば、そんなものかもしれません。
フルタイムではなかったので、支出に対して収入が十分でない時期もありましたが、どうにかブルーベリーが収穫できる時期まで至ることができました。
特に新規就農の補助金をもらわなくても、意外になんとかなるものだと思いました。
森林・林業に係ることで、「自然を活かした栽培」の視点がさらに広がったという相乗効果もありました。
林業は、自然栽培のように、基本的にはその土地の力で育つので、現状の観察や適切なタイミングでの手入れなどが重要になってくるためです。
さらに、林業関係の仕事の職場での人間関係やや以前働いていた県庁関係の人とのつながりなども復活してきたり、人とのつながりが広がったようにも思います。
その後、収穫(観光農園の開園)が始まってからも、新規就農の補助金はもらわないことにしました。
縛られずに自由にやりたいという思いあることと、必要性も感じなくなってきたので、そのように考えるようになりました。
このあたりの考え方は、人それぞれ大切にしたいもの、ビジネスモデルなどによっても異なりますので、正解はないと思います。
まとめ
(↑昨年、やっと収穫に至ったブルーベリーたち。素敵なブルーベリーができました)
ブルーベリーの収穫ができない期間の収入が貯蓄などでまかなえる人は特に、補助金も復業も必要ないかもしれないですし、
たとえ資金に余裕があっても、収入がないのが不安になるのであれば、何らかの方法で収入を得るのもよいと思います。
もちろん、農地が確保できれば、サラリーマンを続けながら、準備をするのも、自分が負担に思わなければ一つの方法です。
ブルーベリー栽培は、栽培方法にもよるかもしれませんが、おそらくサラリーマンとの複業でもなんとかなるのではないかとも思います。
結局のところ、自分が、その期間を一番、気持ちよくすごせる方法がいいのではないでしょうか。
選択肢は意外といろいろあるので、柔軟に、自分にあったやり方を探すのがよいのではないかと思います。
(↓玄関現代農業2022年2月号(農文協)に 私の関連記事が掲載されました)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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