身近な有機物は何故邪魔にされるのか?を考える vol176

落ち葉の画像 脱サラ農業・起業
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脱サラ元地方公務員、ブルーベリー栽培やってます。神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz))です。

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寒冷地の樹木は落葉するものが多いのですが、公園などでは「落ち葉」の掃除に苦労している光景をたくさん見かけました。

かつては資源として貴重であった有機物は今は何故邪魔にされるのだろうか・・・?

とここ数カ月考えていました。

今回は「身近な有機物は何故邪魔にされるのか?」について書いてみました。

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都市部では有機物はみんなゴミ?

公園の落ち葉はみんなゴミ?

公園の落ち葉の画像

子どもの幼稚園の送迎バスが停留する近所の公園があります。

迎えに行くときには必ずといっていいほど、落ち葉を掃除しているシルバー人材センターの方をみかけます。

非常に苦労して、落ち葉を集積した後は、堆積した落ち葉は「持ち帰り自由です」の表示をしておいて、数日後に残っていれば産業廃棄物として運搬して捨てているようです。

落ち葉から腐葉土が作れる

私はよく、この落ち葉をもらってきて、腐葉土などを自作し、家庭菜園で使っていました。

市販の腐葉土は、「完熟」と表示してあっても、発酵分解が不十分でそのまま土壌に入れると、不具合があることが多かったためです。

また、結構値段も高く40Lで1000円近くするものもあり、なんとか家庭菜園にかかる経費を減らしたかったことも、腐葉土の「自作」を始めたきっかけでした。

米ぬかと油粕を少し混ぜて、1年ほど放置すれば良質な腐葉土ができあがります。簡単です。

落ち葉を集めるのも労力がかかるので、公園の方が集めてくれるのはとても助かります。

有機物がゴミになる条件

森の中では落ち葉はなくてはならないもの

森の画像

森の中では落ち葉は、堆積して、森の土を育み、微生物の住処になります。

生態系にとっても、落葉させている樹木にとっても、大切な資源であることは間違いありません。

農山村でも、落ち葉などの有機物は貴重な資源であり、作物の肥料や燃料などとして利用されてきました。

石油資源の普及によるいわゆる「燃料革命」により、人々がアカマツの落ち葉を採取しなくなり、外生菌根であるマツタケが衰退して、取れなくなり、高級食材になったと言われています。

では、どのようなときに、有機物は「不要物=ゴミ」になってしまうのでしょうか?

人工物と関わったときに「ゴミ」になる

駐車場の画像

人工的に造成されたもの、アスファルト舗装された道路、歩道、庭園、畑も一部この部類に入ると思います。

公園の歩道にたまった落ち葉、道路わきに溜まった落ち葉、芝生にたまった落ち葉、施設栽培での雑草など、自然のものに特定の目的をもたせるか、あるいは「人工物」と組み合わさったときに、資源ではなく「ゴミ」になるようです。

どちらかと言えば、有機物により、自然に戻そうとされる力に対抗して、人工物が変化しないように労力やエネルギーを費やして、抵抗しているとも言えます。

それ自体の是非はともかくとして、厳然たる事実だと思います。

身近な資源や有機物を活かした農園をつくりたい

農業法人時代にいやだった落ち葉の掃除

ブルーベリー農園の画像(施設栽培)

私が独立する前に働いていた農業法人では、ブルーベリーを施設栽培していました。

落葉樹であるブルーベリーは秋になると落葉しますので、落ち葉がたまります。防草シートをしてポット栽培をしていたので、防草シート(人工物)+落ち葉(有機物)の組み合わせにより、「ゴミ」となり、落ち葉掃除を頻繁にやっていました。

4ha以上ある広大な農地で、ブロワーなどを使い、多くのエネルギーと労力を要して掃除をして、有機物を「捨てて」いました。

私は、労力の問題以前に、この作業がどうしても好きになれず、いろいろな意味で資源やエネルギーを無駄にしているように感じていました。

だだし、当時の上司や同僚などは、全く別の価値観をもっていて、きれいに掃除され、整然と幾何学的に並べられたポットに美学を感じているようでした。

これはもう、好みの問題なので、どちらでもいいと思います。

私は、もともと森林・林業の技術者なので、森林生態系に近いものの方が好きなだけかもしれません。

独立した現在では「好きじゃなかった」体験を大切にし、「やらないように」しています。

家庭菜園では身近な有機物を活かしてみた

野菜栽培の画像

自家消費の野菜を作っている畑では、なるべく身近な有機物を活かしていました。

生えてきた草は、刈り取って、マルチングにし、収穫を終えた後の残渣などもマルチングの材料にしていました。

雑草は排除し、残渣は必ず畑の外に持ち出すことという意見もあります。

病害虫の温床になるというのが理由です。

確かに、野菜などは、植え付けて、若いうちは、健康で病気は少ないですが、だんだんと終わりの方になってくると老化して、病気になりやすくなります。

葉っぱでも古い葉の方が病害虫がつきやすいと思います。

これはむしろ自然なことであり、生命を終えようとしているものを消滅させ、速やかに次の命へつなぐ現象の結果だととらえています。

森林でも老木になって、枯れ始めると、それが完全に枯れるまでのスピードは思いのほか速く、様々な病害虫に集中攻撃を受けているように見えます。しかし、樹が枯れた後には、様々な生命を生み出す場所となります。

カナダなどの国立公園では倒木を「ナース・ログ」とよぶことがあります。老木が枯れることにより、様々な生命をケアしてくれる「ナース」となるという意味のようです。

倒木の画像

残渣には、害虫やその卵、病原菌なども含まれていると思います。雑草にも様々な生き物が住んでいるので、その中には病害虫もいるでしょう。

しかし、私は、今のところ、病気の原因となる菌や害虫がいるだけでは直接は病害虫の被害を受けることにはならないと考えています。植物の生命力がつよければ抵抗する力も強く、生物の多様性があれば、必ずその天敵も存在しているからです。

但し、植物自体の生命力が弱れば、必ずその消滅する方向に力が働くので、植物の健康状態を保ち生命力を維持することが大切です。

身近な資源を最大限活かした農園をつくる

竹林の画像

現在私は、ブルーベリーを栽培しており、2021年の7月には、観光農園としてオープンしたいと考えています。

私が採用しているブルーベリーの栽培方法は木材チップなどを多く使用しますが、それだけではなく、観光農園では、身近な資源、再生可能な資源を活用するというテーマを持っていきたいと思います。

ブルーベリーの植え付けの画像

具体的には、以下のものを考えています

  • 竹林の利用(竹材と竹チップなど)
  • 木材の利用(木材チップなど)
  • もみ殻や藁などの水田由来の資源の利用
  • 落ち葉の利用
  • 植物によるグリーンカーテン
  • 石材の利用(火山灰土に混じった石が沢山でてきます。)
  • 太陽光発電等の活用によるオフグリッド

まとめ

私たち人間の活動は、自然と対立する部分があり、その努力の恩恵を受けて今の生活があります。

最近の研究からは、古代人は縄文時代から、森林を焼き払い、草原を作り出していたと言われています。与える影響の大小はあるにしても、決して今に始まったことではないんです。

ある時は積極的に手を加え、ある時は自然に委ねたりと、様々なかかわり方で、自然環境とともに生きてきたのだと思います。

私は、太陽のエネルギーを一番利用できる植物が生き生きと作り出すもの、そのエネルギー循環に乗っかっていくことに喜びを感じるようです。

正解があるわけではなく、人によって様々な答えがあると思います。

私は、毎年、次々と生まれてくる有機物の資源が愛おしくてしょうがないんです。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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