ブルーベリーを植える場所は耕さない方がいいと思う理由~不耕作のすすめ~ vol316

ベリー&ナッツ&ハーブ
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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今年の春に、新しくブルーベリーを169本植えて、農園全体では約594本になりました(あと6本植えたい・・・)。

葉っぱが落ちて、今年の生育状況がよりはっきりとわかってきました。

全体的にはよく根付き、いい感じだと思っています。

その中でも、生育のよいところ、それほどよくないところがありました。

その違いは、「耕す」か「耕さない」かが影響している可能性があると考えました。

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不耕作地の農地の方がブルーベリー生育が良い

今年植えた畑は全部で3枚で、そのうちの2枚はしばらく耕作せずに、草刈りのみ行われてきた畑。

1枚は前年まで耕作をしており、最後に耕した状態でお借りした畑でした。

結果的には、品種にかかわらず、耕していない畑の方が明らかに生育がよかったのです。

(↑耕していない畑のブルーベリー比較的枝は太く、葉は残る)

(↑耕してあった畑に植えたブルーベリー。枝は細くの伸びはあまりよくない。葉は早々に落葉している)

ちなみに、3年前、最初ににブルーベリーの栽培をはじめたのは元牧草地だったので、基本的に刈り払いだけしていた不耕作の土地でしたので気が付きませんでしたが

今年植えた畑に条件の差があったので、「不耕作」かどうかの比較になりました。

不耕作地の方が生育が良い理由

不耕作の方が生育が良い理由は主に2つだと考えています。

  1. 土壌の団粒構造が壊れている
  2. 土壌の微生物層が壊れている

耕すと土壌の団粒構造が壊れる

1に関しては、土壌は微生物と根の働きで、徐々に「団粒構造」という立体構造を作ります。

大小の粒粒がくっついたような形で、大きな隙間からは水が流れ、小さな隙間には水がたまり、余分な水が排水されつつ、必要な水は保持できる構造です。

これは、土の粒が土壌の有機物と微生物などの代謝物、で接着剤のようにくっつけられて作られています。

根の周りには微生物が集まることで、根の周辺には団粒構造が発達しやすくなるようです。

耕すことで、この団粒構造が壊れ、特にこの「細かい隙間」が壊されてしまうため、水を保持する能力が弱くなってしまったのかもしれません。

耕した直後はふわふわして感じますが、実際は耕すことでは「細かい隙間」は増えないという実験結果もるそうです。

微生物によってつくられた細かい隙間は分泌物で接着され、コーティングされているので、崩れにくく、水を保持する能力が高い状態を保ちます。

耕すと土壌の微生物相が壊れる

2に関しては、多くの植物は菌根菌と共生関係にあり、菌根菌は、植物の根に共生し、植物が枯れると生きられないので、胞子の形で枯れた根の周辺で休眠して、また近くに植物の根がくると感染(共生)するというようなことをしているそうです。

これが、耕すことで、せっかく土壌にいてくれる菌根菌などを破壊してしまっているのかもしれません。

なお、ブルーベリーの場合は、ツツジ科に共生する「エリコイド菌根菌」のほか、多くの植物が共生関係にある「AVA菌根菌」にも同時に感染(共生)することが確認されているそうです。

さらに、耕すことで急激に酸素が入るので、細菌類などにも影響があるかもしれません。

まとめ

前作の肥料などの影響も考えられますし、もともとの土壌の性質もあるかもしれません。

農業、特に土壌に関わる要因は複合的すぎて、簡単には特定できないものだとも思っています。

しかし、家庭菜園の野菜も、最初、綺麗に耕してあったスタート時より、不耕作にしながら育ててきた現在の方が野菜がよく育っています(ブルーベリー農園と同じ黒ボク土です)。

そのため、どうしても、耕すことと無関係とは思えないのです。

(↑家庭菜園でも不耕作や無農薬無肥料栽培を続けていくことで、だんだんよくとれるようになってきた)

(↑耕していないブルーベリー畑には、カラスノエンドウなどが生えてきておおり、下草にも多様性がある。)

(↑耕してあったブルーベリー畑の下草はイネ科がほとんどで比較的、多様性に乏しい)

「ど根性栽培」は、1年目はそれほど大きく育たず、環境に適応してくる2年目3年目以降からすごく伸びてくる傾向があります。

(ど根性栽培については以下をご覧ください↓)

そのため、数年のうちには、どちらも、あまり差がなくなるかもしれませんが、しばらく耕していない畑で始められるのが、よりベストな環境ではないでしょうか。

しばらく草刈りだけやっていた耕作放棄地気味の畑などは、よいかもしれません。

自然の力を活かすやり方だからこそ、気を付けたい部分だと考えています。

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