「広い農地」を一人で管理するために工夫していること~草との付き合い方~ vol277

パーマカルチャー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

かんざきたつやのプロフィールページを見る

「ブルーベリーの森あづみのホームページ」をみる。

インスタグラムもやってます。

「ブルーベリーの森あづみの」は、今年8月2日よりオープンし。9月中旬までの予定です。

ご予約は「幸せフルーツ工房 ブルーベリーの森あづみの」のホームページより受け付けております。

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⇒ブルーベリー狩りのご予約はこちら

現在私は、ブルーベリー約60a(6,000m2)、ヘーゼルナッツが約20a(2,000m2)、合計80a(8,000m2)を耕作しています。

作物により、広い、狭いは、異なるため、一概には言えませんが・・・・

基本的に一人で農作業はやっているため、

「よくこんな広いところを一人でやってるね。」と言われることも多いです。

今回は、一人で広大な農地を管理するために工夫していることを書いてみました。

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農地を隅々まで使おうとしない

(↑株の間隔は2×3mでゆったりとしたレイアウト。周辺も余裕をもった幅をとる)

私は、40a弱の面積からスタートしました。

ブルーベリーの観光農園をやろうとしていたため、レストスペースや駐車スペースなども必要で、でもできるだけブルーベリーも植えたい・・・。

でも当初から、なるべく農地にぎりぎりの面積まで作物を植えないようにしていました。

これは、周辺に少し草地を残したり、天敵などが住みやすい環境など、環境づくりもふくめて、栽培だと考えていること、

お客様にゆったりとしたスペースですごしてほしい。

さらに、作業面からは、乗用草刈り機などの機械を有効に使うためです。

必ず、農地は増えていくと信じて、はじめから、むりにブルーベリーの数は増やさずにゆったりとしたレイアウトとしていました。

耕すのではなく、草刈りで対応

作物のないスペースでも、農地を管理するために、トラクターで定期的に耕す場合もありますが、

耕した直後はすっきりとしていますが、定期的に裸地化することで、勢いのある一年生草本が、どんどん伸びてきます。

これに対し定期的に、5cmくらいの高さで刈ることで、背の低い草が増え管理しやすくなります。

(↑定期的に5cmくらいで刈ることで、背の高いイネ科は減少し、背の低い、クローバーやカタバミなどが増えてくる)

そして、光合成により蓄積された草のエネルギーで土が良くなっていきます。

さらに、草の上部を刈ると、雑草の根の一部も反応して枯れるため、土の通気性などもよくなっていきます。

特にブルーベリーは水はけが大切なので、有効な方法だと思います。

草を伸ばし放題にはせずに、管理しやすい方法で、「整える」といったイメージです。

草を刈るタイミング

だいたい5月から9月中旬までは、2~3週間に一度、草を刈っています。

ベストなタイミングは、雨のあと数日晴れて草が少し伸びたくらいだと考えています。

伸びる前に刈ると、またすぐに勢いよく伸びてしまうことがあるためです。

いつも同じスピードで伸びるわけではないので、天気などもみながら考えることになるますが、さらに、観光農園なので、開園期間は、レストスペースなどの快適さも考慮しながら草を管理していきます。

なお、9月下旬くらいからは、草は刈りません。

背が高くなるイネ科草本もだんだんと枯れ、冬の寒さから守ってくれるマルチングになり、地面を這うように生える春草もなるべくそのままにしておくことで背が高くなる夏草の勢いを抑えてくれます。

(↑秋以降は、夏草は枯れて倒伏し、マルチングになってくれます)

防草シートではなく、有機物のマルチングを活用

作物の周りなど、草が作物に近すぎると、草刈り地に傷つけてしまうことがあるため、できるだけ木材チップなどでマルチングをします。

また、あまり頻繁に草刈りができない場所にも有効です。

(↑エコトイレ「アグリレット」の周辺には木材チップとダンボールを活用した有機マルチを敷きました)

有機物のマルチングは、炭素成分の多いものは分解が遅いですが、いずれそこにも草が生えてきます。

でも、少しだけ勢いを抑えるだけでいいと考えてます。草が管理するのが大変なくらいの勢いで生えなければそれでいいと考えています。

マルチングをときどき足したりします。

防草シートを張る場合もあるのかもしれませんが、防草シートは破れたり、土がたまり草が生える、実や落葉落枝などが自然と分解されず目立つので、掃除が必要といった点も問題ですが、

裸地を維持しているのみで、土も良くなっていかないので個人的に好きではないことも理由の一つです。

草と戦うのではなく利用させてもらう

農業は「草との闘い」という表現をされることもありますが、

草が生えていない場所は、地球は植生で修復しようとしてくれるので、そのエネルギーはすさまじく、戦うより、よく観察しながら活用させてもらった方が労力が少ないと考えています。

しかし、草がランダムに生え放題という環境は、何故か人間に不安を感じさせてしまうようなので、伸び放題にした方が良いとは思っていませんし、伸び放題では、周りで耕作する方も不快に思うかもしれません。

「整える」だけでも、極論をいえば、草丈がある程度あっても、ヘアカットのように見せ方を工夫することでもここちよく見えます。

(↑テントウムシやクモなどが住みやすくなり、ガの幼虫などを食べてくれます。テントウムシは農薬に弱いですが、無農薬の環境だと驚くほどたくさんいます)

草は暑い夏の日差しから守ってくれたり、有用な微生物や共生菌を育んでくれたり、天敵の住み家にもなります。

そういえば、ブルーベリーでは毛虫の被害がほとんどありません。

天敵パワーにより抑えられているのかもしせません。

繰り返しになりますが、私の農地の管理で大切にしていることは、

地表面は有機物か植生で覆われようとする大きな自然のエネルギーを観察しながら、タイミングを考える、持っている機械を最大源に活かせるレイアウトにするなど労力を最小限にする、

抑えるだけでなくそのエネルギーなるべく活かす工夫が、小さな労働力で管理していくヒントだと考えています。

 

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