ブルーベリー観光農園の始め方8「ブルーベリーに適した土壌のある地域の探し方」vol371

観光農園の始め方
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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ブルーベリーに適した土壌は「水はけのよい土壌」です。

そのため、適した土壌探し、適地で栽培することが大切になります。

今回はブルーベリーに適した土壌の分布している地域の探し方を解説します。

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ブルーベリーに適した土壌「黒ボク土」

(↑ブルーベリーの森あづみのの「黒ボク土」)

日本に分布する土壌の中で、ブルーベリーの栽培に最も適した土壌は「黒ボク土」です。

火山灰質の土壌で、豊富な腐食が黒っぽくなっており、ホクホクしているので、黒ボク土と呼ばれます。

この黒い、有機物が堆積した層は、古代人が行っていた定期的な焼き払いによる草地の維持が関係しているということが最近の研究でわかってきており、まさに「古代人からの贈り物」です。

水はけがいいのが特徴ですが、一方、農業的には欠点もあります。

水はけがいい反面、乾燥しやすい。腐食がリン酸を固定してしまうため、植物が利用できるリン酸が不足気味になりやすい。土壌が酸性に傾くとアルミニウムが溶け出してきて根の成長を妨げる・・・といったことが欠点となりやすい土壌です。

ただし、ブルーベリーの場合は、菌根菌(エリコイド菌根菌等)と共生していることから、菌根菌がアルミニウムから根を守ってくれたり、リン酸の吸収を助けてくれます。

また、草生栽培をすることで、草で覆って乾燥を防いだり、木材チップのマルチングで保湿するといった栽培の工夫で乾燥の対策がとれます。

さらに、草生栽培は土壌の団粒構造を発達させるので、細かい空隙が水分を保つのに役立ちます。

ブルーベリーの栽培では、黒ボク土の欠点がほぼ克服できるので、水はけのよいというメリットの部分を活かすことができます。

適した土壌の探し方~土壌図が便利~

黒ボク土は、火山灰質なので、山麓の扇状地などに多く分布しています。

地域的には、東日本の方が多いと思います。

地域をしぼりこむのに便利なのが「土壌図」です。

農研機構で公表されている土壌図関連のデータが、比較的使いやすいと思います。

以下のURLから、見たり、ダウンロードすることができます。

(↑WEB上で土壌図をみることができます)

また、スマートフォンのアプリ「土壌図Ⅱ」というものも、ダウンロードできるので、現地で見るときなどに便利です。

(↑「土壌図Ⅱ)の操作画面。GPS機能で現在位置も確認できるので便利です)

また、GISソフトなどが操作できる人は、Shpeファイルが公表されているので、QGISなどにとりこんで、表層地質図や地形図と重ねたりすると、土地の成り立ちが理解しやすくなると思います。

(↑QGISにデータを取り込んだ画面。ほかのデータと重ねることができるので便利です)

現地で土壌を確認する

現地で実際に土壌を見たり、畑の履歴を聞き取る

(↑最初にお借りした畑はもともと牧草地。草刈りのみ行い、ブルーベリーを植えました。)

土壌図は5万分の1又は20万分の1の精度なので、地域は絞り込めます。

しかし、細かい土壌の分布や土地の履歴までは、わからないので、実際に現地で土壌みたり、前に耕作していた人から聞き取る必要があります。

特に、前作が牧草の場合、家畜の糞を堆肥として、処理を兼ねて比較的大量に投入しているケースがあり、カリウムが過剰になるなど土壌のバランスが崩れていることもあるので、注意が必要です。

私の最初にお借りした畑は、牧草地でしたが、住宅地が隣接していたため、幸運にも堆肥の投入はされておらず、ありがたい条件でした。

水はけの確認方法

黒ボク土であれば、問題ないとは思いますが、私がやっている確認方法を紹介します。

一つは雨の直後又は降っているときに見に行くことです。

これは、手軽にできますし、農地を取得する前にも確認することができます。

もう一つは、トレンチ(穴)を掘って確認する方法です。

40cmほどのトレンチを掘って、水で満たします。

半日ほどで水がはければ、水はけは問題ありません。

(↑実際にブルーベリー農園で試験をやりましたが、2時間半ほどで水がはけていまいました。)

まとめ

ブルーベリーの栽培で最も大切なのは水はけのよい適地で栽培するということです。

農地の確保など、様々な事情があると思いますが、可能であれば、適した土壌をしっかり探して、その地域で農地をさがすのがおすすめです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(↓玄関現代農業2022年2月号(農文協)に 私の関連記事が掲載されました)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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