脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみのでは、下草を活かした「草生栽培」をしています。
この3年半ほどで、その下草も、かなり変化してきました。
その変遷を振り返りながら環境の変化を考察してみました。
最初の頃の下草~イネ科牧草オンリー~
栽培を始めた頃は、前作のオーチャードグラスというイネ科の多年草がほとんどでした。
オーチャードグラスを刈り取って、ブルーベリーを植えました。
1年後の下草~クローバーが増える~
オーチャードグラスを定期的に刈っていたところ、だんだんとクローバーが増えていきました。
もともと、細々と生育していたクローバーが、私がオーチャードグラスを刈ることで、
広がってきたと思われます。
特に春先は、ほかの草に比べてクローバーの芽吹きが早いため、勢力を広げやすかったように思います。
「信州鎌の名人」の中川原敏雄さんに、ブルーベリー農園で信州鎌(大鎌)の使い方を教えていただいたときに、
オーチャードグラスは、刈草が上にかぶさると、衰退するとおっしゃっていました。
その影響もあるのかもしれません。
その時の記事が月間現代農業に掲載されています↓
クローバーは背が低いので、果樹の下草としては管理しやすい牧草です。
根はあまり深く張らないですが、根粒菌と共生して、土壌に窒素を取り込んでくれます。
2年後の下草~いろいろな草が増える~
そのうち、オーチャードグラス、クローバー以外にも、雑草が見られるようになりました。
牧草の隙間をぬってたくましく生育していました。
それぞれの植物には、土壌を整える役割があります。
代表的な草の役割は以下のとおりです。
植物の種類 | 主な役割 |
イネ科 | 根が深く張り、水はけをよくする。アーバスキュラー菌根菌ともよく共生する。 |
マメ科 | 根粒菌と共生することで、地中に窒素を取り込む。 |
アブラナ科 | 根酸を出して、地中のミネラル分を溶かしだして、利用できるようにする。 |
キク科・セリ科・シソ科 | 虫よけ |
ヒガンバナ科 | 土壌の消毒 |
そのため、私は多様な植物がある方がいいと思っています。
また、多様な環境が生まれることで、害虫を食べる天敵の数や種類も増えていきます。
牧草単体でも管理しやすいですが、ほかの植物も増えてきたのは、
そういう意味で、うれしかったです。
この頃は、ヒメジオンやヒメムカシヨモギ、イヌタデ、セイタカアワダチソウなど、やせ地に生える雑草が中心でした。
夏には、隙間をぬうようにメヒシバなども生えるようになりました。
秋になると、倒れて「草マルチ」になります。
3年後(現在)の下草~肥沃なところに生える草が増える~
そのうち、さらに雑草の構成がかわりました。
春草は、オオイヌノフグリ、ハコベ、ナズナ、ヒメオドリコソウなどが増えてきました。
これらは、水はけがよく、肥沃な土壌に生育する雑草なので、土壌が豊かになってきたのだと思われます。
一般的に、根を残しながら草刈りを繰り返していくことで、土壌が作物が育ちやすい環境になっていきます。
花が増えると、寄生バチなどが増えます。
環境が多様化すると、生物が増えて、害虫を食べる天敵も増えてきます。
最初の頃は気になっていた、ガの幼虫も、今は、みかけたら取る程度しか駆除していません。
そもそも、あまりみかけなくなりました。
ほとんどが、食べられてしまうようです。
ブルーベリーが生育する土壌としても、よい状態になってきているのではないかと考えています。
そもそも、私は雑草オタクなため、楽しいです(笑)
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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