脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
ブルーベリーの森あづみのでは、ラビットアイ系品種を中心に20種類ほどの品種を育てています(いただいた樹で特定できていない品種も一部あり)。
うちの農園で、育てている品種を少しずつ紹介していきたいと思います。
気候や土の条件によって、人によって印象もかわってくると思いますので、
あくまで一つの事例としてお読みいただければ幸いです。
今回は「オースチン」です。
品種を紹介しようと思った理由
実は、いままで、私はブログではブルーベリーの品種をあまり紹介していませんでした。
理由は、単純に私自身が品種のことをあまり、把握しきれていなかったからです。
しかしながら、最近、ご来園いただいた方から品種について、質問されることが増えてきました。
2023年で本格的な収穫を初めて3年目。何シーズンか、栽培~収穫~販売を通じて、
現段階で品種についてわかってきたことを、生産者目線で紹介してみようと思いました。
ラビットアイ系の早生「オースチン」
オースチンは、1996年に発表された品種です。
比較的クラシカルなうちの農園の品種構成ではわりと新しめの品種です。
オースチンは、ラビットアイ系の中では早生品種で、うちの農園では8月中旬から熟し始め、ブライトウェルの次くらいのタイミングになります。
ブルーベリーの森あづみのでは、8月中旬から、9月中下旬になっても収穫できます。
特に前半はかなり粒が大きくなります。
多収で、実が締まり、皮も薄く食べやすい、扁平の形が美しいのが特徴です。
完熟の見極めは比較的簡単で、ハズレ(間違って未熟果実をとってしまったもの)がすくない印象です。
植えつけ当初は、成長速度は普通くらいでしたが、近年は、成長速度が上がってきました。
開園当初から、収量は安定して多く、今まで主力として活躍してきた品種の一つです。
オースチンは濃厚。お客さんに人気の品種
摘み取り園でも出荷にも適正がある
オースチンの味の特徴は、酸味と甘みの両方がしっかりあり、味に厚みがある「濃厚」と言えます。
香りも良いです。
酸味のないすっきりとした甘さが特徴の「ブライトウエル」特に女性のお客さんに人気があるのに対し、オースチンは比較的男性のお客さんに人気があるように思います。
ちなみにブライトウェルはオースチン(T100×ブライトウェル)の交配親なので、親子関係です。
糖度は完熟すると20度を軽く超えてきます。
ブルームの量は中程度で、濃淡の目立ちません。
実の果柄のつけ根がみやすいので、完熟の見極めも容易です。
総じて、「ハズレ」の果実を食べてしまう確率は低いと言えます。
以前紹介させて頂いたブライトウェルを「シャインマスカット」だとすれば、
オースチンの濃厚な味は「巨峰」のようなイメージがあります。
観光摘み取り園にも出荷にも適正があると思います。
オースチンの欠点
欠点が見当たらないオースチン
オースチンは、栽培面や実の品質面でも今のところ目立った欠点が見あたりません。
後半になっても極端な小粒が増えることなく、品質が安定しています。
完熟実を見極めて収穫すれば、摘み取り園でも直販でもマルチな活躍をしてくれます。
オースチンの樹形~半直立性~
開帳性ほど展開せず・・・かといって、ティフブルーなどのように直立せず、
その中間くらい、半直立性ので扱いやすい樹形です。
ブライトウエルに少し似ていて、細かい枝が少なく、強弱のメリハリのある枝の伸び方をするので、剪定は迷うことが少なく、やりやすいと思っています。
オースチンの評価
観光農園でも産直販売でも、どちらにも適正があり、ブルーベリーの森あづみのでは主力品種という位置づけです。
「ブライトウエル」と並び、お客さんにも大変人気がある品種で、人気投票をやったら必ず上位にきます。
ご家庭での栽培にも自信をもっておすすめできる品種だと思っています。
引き続き、主力として栽培していきたいと考えています。
※あくまで、うちの農園での一例であり、評価はブルーベリーの森あづみのの事業に適しているか、又は私の個人的な好みによるものです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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