脱サラした元地方公務員、現在はブルーベリーなどの果樹栽培&果樹エンターテイメントを仕事にしています。神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz))です。
農業を目指した理由、脱サラの経緯、農園のコンセプトなどは、下記のプロフィールページ又をご覧頂けるとうれしいです。
農業には新規就農者などを対象とした補助金があります。
私はあることがきっかけで、基本的に補助金をもらわない方針にしました。
実はそれを決めたのは1年近く前なのですが、今回はそのことについて書いてみたいと思います。
新規就農の補助金は2年間もらえないことが判明
従事日数が足りない?
農業には様々な補助金があります。
給付金のように返済義務のないものもあれば、低利子または無利子の融資、機械や設備などの購入費用の一部を補助するものなど、さまざまな補助金があるようです。
その中で、新規就農者向けに「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」という補助金があります。
要件を満たせば、農業研修を受けている2年間(準備型)と独立就農後の5年間(経営開始型)に年間最大150万円が支給される補助金です。
当初、私は「経営開始型」をもらうつもりで、申請書類もある程度まで作り、市役所に相談していました。
しかし、就農1年目には、「ある要件」が満たされていないため、もらえないということがわかりました。
観光農園関係の仕事は農業ではない?
それは「農業に従事する日数」でした。
私の栽培しているブルーベリーは、労力のほとんどが「収穫」です。
植え付け後、早くても3年目まで、収穫をしないため、ブルーベリー単体では農業への従事日数が足りないのではないかという指摘を受けました。
最初の打ち合わせでは、その話は無かったため、寝耳に水でした。
役所との打ち合わせでは、よくこういう予想外のことが起きます。
公表されている資料には明確に記載が見あたりませんが、行政内部の通知などには審査基準のようなものがあるようです。
私の場合、メインが摘み取りの観光農園なので、観光農園施設の設計や施設整備などは従事日数に該当しないか確認しました。
市役所でも県でもわからずに国まで問い合わせてもらって、後日もらった回答は「それでも過半数は農作業である必要がある」とのことでした。
補助金などの要綱には新規就農の形態として農家レストランなども含むという内容になってきているわりには、農業=農作業という信念は強固のようです。
以前もワイン用ブドウの新規就農者が同様の理由でもらえないことがあったと市役所の担当者からは聞きました。
補助金をもらわない方針にした
副業をするか他の作物を作るかという選択
「ほかの作物を作りますか?」と市役所の担当者。
ここで、問題になっているのは、「従事日数」であるため、農地をさらに取得し、他の作物を作れば要件を満たすという見解のようです。
しかし、経済栽培の経験が無い状態で、得意ではない他の作物を栽培しても、利益を得られる可能性は低いと考えました。
設備や機械などの投資で将来的にマイナスになる可能性もあります。
そのため、「いえ、得意ではないことに手を出すよりも、別の方法で稼ぎます。」と言って断りました。
補助金をもらわない方針に
原点に戻って整理してみた結果、以下のことがわかりました。
- ブルーベリー&観光農園&パーマカルチャー&栽培講座&自然とのふれあい&家族連れで楽しい空間などなど、私のやりたいことがほとんど行政の意図する方向性に合わない
- 新規就農者向けの補助金は、毎年制度がコロコロ変わり、予算も縮小している。予定収入にしていると経営リスク大
- 行政との優劣関係ができあがり、ストレス大
したがって、自分の得意なことで稼ぎながら、ブルーベリーと複合化し、個性を育てていく方が長期的には自分にあっているということがわかりました。
そのため、今後も、給付金をもらうことはないと考えています。
まとめ
なぜ、この記事を1年以上も寝かせていたかというと、自分の中でも結論が出ていない部分があったためです。
「新規就農者は給付金をもらう人が多い」みたいな話を聞くとどうしても、気持ちがぐらつく時がありますし、不安になることもあります。
しかし、一年くらいたち、今のところはそれでよかったと思っています。
現在、来年の観光農園のオープンの準備をしつつ、林業関係の技術者、フリーのWEBライター、などをやっています。
実はそれぞれがバラバラではなく、相補的になっており、自分の得意なことや好きなこと(ブルーベリー、森林林業、ライティング、インターネット情報発信など)が複合化しつつあると感じているためです。
私は、すんなり給付金の申請ができなかった背景もあり、このような結論に至りましたが、考え方や大切にしていることは本当に人それぞれなので、補助金や行政機関との付き合い方もそれぞれだと思います。
最終的にこれでよかったのかは、正直まだわかりません。また、しばらくしたら振り返ってみたいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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