脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーを農園で、カイガラムシをみつけました。
カイガラムシは害虫なのですが、見た目が何となく愛らしくて、個人的には好きな虫です。
カイガラムシとブルーベリーの関係などについて書いてみました。
カイガラムシを発見
普段、うちのブルーベリー農園で、カイガラムシをみかけることはほとんどありません。
肥料をやっているときに、めずらしく、30本ほどあるハイブッシュ系のブルーベリーに10匹ほどのカイガラムシをみつけました。
「ツノロウムシ」という種類だと思います。
(↑ハイブッシュ系のブルーベリーにつくカイガラムシ(ツノロウムシ))
(↑カイガラムシ(ツノロウムシ)のお腹側。色がイチゴゼリーみたいです)
数が少なかったので、すぐに獲ることはできましたが、見た目がかわいらしく(なんか砂糖菓子のようにも見える)、個人的には好きな虫です。
カイガラムシは、アブラムシと同じく植物の樹液を吸うタイプの虫で、過剰に吸ってしまった栄養分(糖)を含む分泌液を体にまとわせて、ロウのような鎧をつくるものが多いのが特徴です。
この鎧のようなものがあるため、農薬などに対する耐性が強いようです。
樹液を吸われることの被害というよりは、排出された糖分にカビの仲間が繁殖して、「すす病」などの原因となるため、害虫とされています。
カイガラムシは森林では少なく都市に多い「都市型害虫」
カイガラムシは森林など成熟した生態系ではほとんどみられません。
多くの寄生バチが天敵であり、そのほとんど捕食(寄生)されてしまうようです。
一方、街路樹など、薬剤による防除が行われたり、排気ガスで汚染されたり、生物の多様性の少ない環境では、大発生することがあります。
このため、カイガラムシを「都市型害虫」と呼ぶ人もいるようです。
壊されていない生態系では、きわめて特殊な条件で大発生する生物なのかもしれません。
実際、ブルーベリーやその他の作物を無農薬で育てているブルーベリーの森あづみのでは、ほとんどみかけません。
ブルーベリーに発生しやすい条件
私が、今まで見るかぎりは、特にハイブッシュブルーベリーで少し弱っているものにカイガラムシはつきやすいように思います。
また、同じブルーベリーでも、弱っている枝が密集している方にカイガラムシがつきやすいようです。
カイガラムシ、アブラムシなどの吸汁する虫は、「弱っている個体や弱っている部分」あるいは「肥料過多」の条件でつきやすいのではないかと思われます。
さらに、前述のとおり、天敵が少ない環境であれば、より大発生につながるのかもしれません。
生育に適した環境でブルーベリー自体が健康に育っていること⇒カイガラムシがつきにくい条件
農薬や大気汚染などのない、なるべく自然に沿った生物多様性のある環境を整えること⇒カイガラムシが大発生しない条件
この辺りが大切だと考えています。
これは、ほかの害虫の対策にも共通する部分ではないかと思います。
(↑チャドクガの卵もみつけました。こちらも天敵効果なのか、大発生はしません。)
(参考文献)
- 虫といっしょに庭づくり(ひきちガーデンサービス 曳地トシ・曳地義治 築地書館)
- ブルーベリー全書(日本ブルーベリー協会 創森社)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※「にほんブログ村」のブログランキングに参加しています。 よろしければ、画像をクリックしていただけるとランキングに反映され、励みになります。