脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
私がやっている農業ビジネスは「個性的」と言っていただけることもありますが、実は、そんなに特別なことはしていません。
個性を出すことは大切だと思っていますが、それは、キャラクターなどの面であり、
栽培や集客といった部分は、どちらかと言えば、オーソドックスな部類だと思いますし、「奇策」のようなものは、あまり必要ないと考えています。
栽培で大切にしている「適地適作」
私は、千葉県木更津市の江澤貞雄さんが提唱している「ど根性栽培」という栽培方法でブルーベリーを栽培しています。
ど根性栽培のポイントの1つとしては、水はけの良い黒ボク土などの適地で強い作物(主にラビットアイ系)を作ることだと感じています。
ブルーベリーに限らず、適地適作で育てやすい作物や品種であれば、かなりローメンテナンス・ローコストで品質の良いものを生産することができます。
提唱者の長きにわたるブルーベリー栽培の経験から生まれた栽培方法であり、ブルーベリーの教科書どおりの栽培方法ではないと思います。
一方で、適地適作という面においては、基本に忠実だと思います。
私はもともと、森林の生態系や林業が専門でした。
林業には「適地適木」という言葉があります。
古くは「尾松谷杉中桧(おまつたにすぎなかひのき)」という言葉があり、松(アカマツ)は尾根に植え、杉は谷地形に植える。そして桧(ひのき)はその中間の地形に植えるという意味です。
地質や地下水位など細かく言えば、もう少し考慮する点はありますが、現在でも基本的に主流の考え方です。
農業と違って、現在でも人の手をあまり加えらえない林業ならではと言えます。
事実、適地でないところに無理に植えたヒノキなどは、成長が悪く、頑張って手入れをしても、結局、用材とすることができないケースもこれまでけっこう見てきました。
そういった印象が強く、私はどうしても、農業でも、栽培や資材以前の問題として、適地かどうかという点を先に考えていまいます。
実際に、農業で様々な作物を育ててみても、適地適作(あと適期)の大切さをよく感じます。
集客や販売もわりとオーソドックスにやってます
私が、観光農園を始める前にまずやったことは、
自分がやりたいことに沿ったコンセプトを決めること、
それから、自分の想定する顧客層(ターゲット顧客)を設定しました。
さらに、ターゲット層の属性の人たちがたくさんいるところに行ったり、集まってもらって、インタビューすることでした。
どういったものがあるといいとか、普段何から情報を得ているとか、休日に出かける場所などなど・・・聞いてみなければわからない情報ばかりで、本当に勉強になりました。
自分がやりたいこと(コンセプト)に対応した想定顧客を決めるところまでは、自分だけ想定の作業ですが、
それからは、実際の想定顧客のニーズを聞いて、いく作業となります。
ターゲット顧客が情報収集をするところに情報を置き、WEB検索もそれに合わせたキーワードなどを使いページを作成していきます。
また、販売に関しても、コンセプトにあった、産直サイトで販売させてもらうことで、最初から、かなり売ることができました。
自分で販売サイトを作るのもいいですが、特に最初は、すでに影響力のある産直サイトの力は偉大だと思います。
●●分析とか言えばマーケティングっぽいですが、意外と泥臭い部分が大切です。
自分が来てほしいお客さんが、より来たくなるように企画調整していくこと、さらに、お客さんが見つけやすい状態にするという非常にシンプルな方法です。
ここで一番大事なのは、自分で勝手に判断せずに、最終的に「お客さんに聞く」ことだと思います。
特に、よく来ていただくお客さんに聞くと、自分の農園の強みや改善ポイントがよくわかったりしますので、こちらもおすすめです。
全部のことをやる必要はありませんが、必ず生の声に即していくのがポイントです。
こういった、わりと泥臭いマーケティングは、たとえ大手企業であっても、わりと普通にやっています。
教科書どおりを活かせるかは「自己適用」次第
星野リゾート」は長野県軽井沢町を拠点とし、全国で旅館やホテル、リゾート施設などを運営する企業です。
とくに、破綻しかかった観光施設を独自の手法で再生し、新たなブランドを確立する経営は高く評価されています。
こういった実績があると常識にとらわれない・・・みたいな表現をしたくなりますが、
星野佳路社長、自身は、「星野リゾートの経営は教科書どおりだ。」とおっしゃています。
ほとんどがビジネス書で、とくに外国の永きにわたり読み継がれてきた、古典みたいなビジネス書の手法を正確に読み解き、正確に実施しているとのことです。
もちろん、うまくいく場合もいかない場合も、実際の現場で検証し、微調整していっています。
たしかに、世の中はかわり、ビジネスを行う環境は刻々と変化しています。
しかし、人間そのものは変わりません。
一見みえにくくなっていますが、インターネットビジネスですら競争相手やお客さんも人間。
人間相手に商売をしていることは何もかわらないのです。
実業家、経営コンサルタントの本田晃一氏も
「ビジネスの手法は二千年前から何も変わっていない。」とも言っています。
大切なのは、本質を理解して自分に必要な形に落とし込んで使うことができることではないでしょうか。
データアナリストのサトマイさんは、自信のYouTubeチャンネル「謎解き統計学」で、こういったものを「自己適用」と呼んでいました。
教科書を正確に読み解き、活かせるのかは、自己適用次第と言えるます。
自分の独自のものを作るという人もいるのかもしれませんし、それはそれで素晴らしいと思います。
ただ、私の場合は、わりと自己適用しながら、検証しながら、コツコツ楽しんでいく、というタイプだと思っています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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