続・観光農園の「価格設定」の考え方~価格に迷ったときはどうする?~vol669

観光農園の始め方
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。

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観光農園を始めるにあたり、多くの方が悩むことの一つが「価格をいくらにするか?」だと思います。

価格設定は、ビジネス設計の根幹でもあるため、すごく、すごく大切です。

今回は、私も悩みに悩んだ「観光農園の価格設定の考え方」について書いてみました。

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価格設定は最重要課題

ビジネスにおいて、価格設定はすごくすごく大切です。

1,000円のものが2,000円で売れたら、労力と販売量が同じでも売上が2倍増になります。

販売量を増やしたり、顧客を増やすことと同等かそれ以上の重要な意味をもちます。

値決めは経営」という格言がありますが、まさにその通りではないでしょうか。

一方で「絶対に価格はこうしなければならない」という正解もないようにも思います。

基本的には、「自分がほしい(嬉しい)金額」がベースになりますが、いくらにしなければならないということはないと思います。

ただし、漠然と決めてなんとなく続けるのではなく、常にテストしながら検証していくことが大切です。

また、価格の設定は、想定しているお客様(ターゲット顧客)の設定や自分のサービスの差別化軸とセットで考える必要があります。

差別化軸は、サービスの差別化の軸となる方針です。

ターゲット顧客と差別化軸が異なれば、価格の意味が全く違ってくるので、設定していないと、意味のある価格を決めることができません。

※差別化軸について詳しく知りたい方は下記の過去記事をご覧ください。

自分の差別化軸と来ていただきたいお客様(ターゲット層)を設定し、

そのお客様がサービスをみつけやすく、かつサービス提供者がほしい金額を喜んで支払っていただけるように試行錯誤していくことは、「マーケティング」と呼ばれます。

(ブルーベリーの森あづみののブルーベリー狩りご利用料金2023シーズン)

区分価格
大人(中学生以上)1,800円
小人(小学生)900円
幼児(3歳以上、小学生未満)500円
3歳未満無料

※大人料金には一人あたりお土産1パック(100g)相当がついています。

※摘み取りを行っていただいた場合、園内で販売している「北アルプス自然水の無添加かき氷」が特別価格にてご購入いただけます(通常料金400⇒350円)

価格設定でやってはいけないこととは?

ただし、価格設定で「やってはいけないこと」はあると考えています。

やってはいけないことの、一つ目は「安売り」をすることです。

薄利多売というビジネスももちろんありますが、大きな資本と売上がある場合に限られます。

基本的には大手事業者が該当します。

特に小規模な事業者は安売りをすると、利益を出すのが難しくなることが多くいため、おすすめしません。

やってはいけないこと、もう一つは、「相場やまわりに合わせすぎない」ことです。

同じ業態のサービスが周囲に存在しても、前述の「差別化軸」が違えば価格は違って当然であり、競合もしません。

周りの価格設定に合わせすぎない方がよいと思います。

さらにもう一つは、「原価から積み上げて決定しないこと」です。

飲食業の原価率は4割・・・などなどといったデータもありますが、縛られる必要はないと思います。

原価4割というのはチェーン店規模の場合が多いようです。

もちろん原価計算は価格決定には重要な指標で、原価未満の価格にすることはできませんが、原価ありきで機械的に価格を設定する必要は無いということです。

お客様は原価にお金を払うわけではなく、「価値」にサービスを払うからです。

自分の欲しい価格で決める

価格は最終的には「キャ☆」で決める

また、いくらほしいのかというのは、自分がもらったら「キャ☆」とテンションが上がるような価格にするのも大切です。

これは、2年程前に本田晃一さんの「世界一ゆる~い幸せの帝王学~ビジネス編~」で学んだことでした。

あんまり上げるとドキドキしすぎるし、下げ過ぎると自分がさみしくなり、やる気もなくなるので、ちょっと背伸びするくらい、プチドキドキするくらいがちょうどよいように思います。

自分がほしい価格がわからないときはどうするのか?

販売しているものでいくらほしいか、イメージがわかないときはどうすればいいでしょうか?

単価がそれほど高くないものの場合はイメージが湧きにくい場合もあるかもしれません。

私の場合は、この商品を総額でどれくらほしいか?を考えます。

例えば、ある作物を作って、年間〇〇万円儲けたいと思ったら、そこから逆算して単価を決める方法です。

つまり、この事業でいくら儲けたいかの総額を先に決めてしまいます。

これならイメージが湧きやすいのではないでしょうか?

労働力や農地の広さなどで生産量が制限される中で、総額を決めると、逆算して単価が決まります。

あまりにも無理がある場合は、総額を妥協するか、生産量を増やすかといった調整も必要ですが、

最初に設定した価格でできるような方法はないか、一旦は真剣に考えてることで、自分が欲しい金額になるような、工夫が生まれていきます。

ビジネスで世界に富みが増える

2021年から、ブルーベリーの森あづみのでブルーベリー狩りがオープンしました。

それまで、自分でビジネスをやったことがなかったので、お金をいただくときは本当にドキドキでした。

だんだんそれをたくさんたくさん繰り返すうちに、「みんな喜んで支払っていただいている。」ということがわかり、

サービスを作り、お金をいただくことは「富を奪うことではなく、広い意味では富が世の中に増えること」だということが何となくわかってきました。

ある意味では「慣れ」の要素もあるかもしれません。

正解はありませんが、自分も自分のサービスもお客様もみんな大切にできる価格設定を、ずっと考え抜いていくことが大切だと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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