雑草からみる「街の土壌」~地球は植物の星~vol650

パーマカルチャー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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街を歩いていると、街路樹や公園などの樹木のほかに、空き地や、アスファルトの割れ目などから雑草が生えてきています。

私の性分で、ついつい観察してしまうのですが・・・・

街中の雑草もいろいろなメッセージを与えてくれているようにも思います。

雑草オタク的な視点で(?)解説します。

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街中の雑草が教えてくれる土壌の状態

ヨモギ~万能な植物~

ヨモギは、日当たりさえよければ、どこでも生育できる植物と言われています。

こんなカラカラ&カチカチの砂利駐車場にも立派に育っています。

キク科の特徴の独特の芳香で、虫に食べられることはほとんどないようです。

子どもの頃、ヨモギ持ちを、亡くなった祖母がよく作ってくれました。

少し前に、知人にヨモギの苗ってありますか?と聞かれたことがあります。

身近すぎて、苗や種で育てるという発想がなかったので、正直驚きました。

都会でも空き地や河川敷に生えていそうな気がするのですが・・・あまり目に入らない存在なのでしょうか。

デトックス効果の高い「和ハーブ」ですので、私は新葉をドライにして保存し、年中ハーブティーで飲んでいます。

メヒシバ~畑でもおなじみ~

(春先でもやせ地にはメヒシバが多い)

イネ科のメヒシバは畑でもおなじみの雑草。

やせ地でも、比較的超えた土壌でもみかけます。

イネ科植物は、C4植物といって、温度が25℃以上で光合成効率がよくなる植物です。

夏草やイネ科植物に多いです。

肥えた土壌で、春草が多いような畑では、この時期は、春草に負けてしまっていて、あまりみかけません。

しかし、街中の駐車場の土壌はやせているため、春草がありません。

メヒシバは、わりと早めに伸びることができたようです。

畑でも、春草を早く、刈ってしまうと、光環境が変わったり、地温が上がり、メヒシバなどの夏草の生育を早めることになります。

私は、春は、春草はあまり刈らず、なるべく長く残しています。

ギジギシ~実は「昆虫レストラン」~

(砂利の空き地に生えるエゾノギシギシ。アスファルトとの境目は植物が多い)

ギシギシはやせた土壌に生育する植物です。

ギシギシは、非常に多くの昆虫のエサとなり、集まってきた草食系の昆虫を補植するため、肉食性昆虫も集まってきます。

生物の多様性を高めている植物だと思っています。

エゾノギシギシなど、外来のギシギシが増加傾向にあるように思います。

冬は這うように葉を寝かせていますが、春先は、花をさかせるため、立ち上がり気味になってきます。

暖かくなってくると、ハムシの幼虫が食べまくり、レースのようになっているのをみかけることがあります。

ハムシはアブラナ科をよく食害します。

(ギシギシを食害するハムシの幼虫)

ブルーベリーも食害する、シジミチョウの幼虫もギシギシをよく食べています。

ギシギシが害虫を呼び寄せると考えるか、

あるいは、ギシギシが食べられるおかげで作物の被害は軽減し、天敵もたくさん集まってくると考えるのかは意見がわかれそうです。

私は後者の「おとり植物」だと考えています。

スギナ~泣けてくるエピソード~

スギナは酸性のやせた状態の土壌に多く生息します。

これまでの植物は種をつくる植物ですが、スギナはシダ植物なので胞子で増えます。

ブルーベリーを植えた直後は、硫黄粉で酸性よりの土壌に調整していたので、ブルーベリーの株周りに多くスギナをみかけました。

スギナはカルシウムを多く含み。スギナが枯れると、カルシウムが土壌に供給されます。

カルシウムが増えた土壌は、だんだんと中性よりに、なっていきます。

そうすると、たくさんの種類の植物が生育できるようになります。

スギナ自身は、酸性土壌でなくなることで、枯れていってしまうそうです。

私は、この事実を知ったときに、涙がでそうになりました。

なんて献身的な植物なのだろう・・・。

ちなみに、スギナはカルシウムのほかケイ素なども豊富に含み、体内の傷の治癒や余分な水分の排出など、体質改善に効果のある「和ハーブ」です。

私もよくハーブティーにして飲んでいます。

どんな場所でも植物は生き物を増やしてくれる

街中の植物たちをみる限りでは、街中の土壌は酸性よりのやせ地であることがよくわかります。

アスファルトと土・砂利の境目とかには、水分や一緒に流れてくるわずかな栄養分や有機物が溜まりやすいので、比較的植物が生えやすい環境です。

過酷な環境でも、その場所に適した植物が生えて、自ら土壌を改良したり、植物に集まってきた虫や有機物で、生き物が増えていきます。

草の効能模式図

生態学的な視点からは、街中は、火山が噴火した後の、岩石地などの裸地、あるいは土壌の未熟なやせちだったりするのだと思います。

しかし、それでも、地球は、生物が多様な環境に戻そうとしているように見えてきます。

地球は「植物の星」なのだと、私は思っています。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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