それってどこ情報?有機JAS認証についてのよくある誤解~vol651

脱サラ農業・起業
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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ブルーベリーの森あづみののブルーベリーは、有機JASの認証を取得したオーガニックブルーベリーです。

有機JAS認証の制度については、賛否両論あるように思います。

制度というものは完璧なものはないので、当然といえば当然です。

一方で、有機JASについて明らかな誤解をしているケースも多いように思います。

今回は、有機JAS認証についてのよくある誤解について書いてみたいと思います。

※有機JAS認証は正確には「有機認証」といいますが、ここではわかりやすく「有機JAS認証」に統一させていただきます。

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「有機JAS」とは?

日本では、有機農産物等の有機生産の基準がJAS法で定められています。

有機認証は、生産者が有機基準に沿って生産したことを第三者の認証機関が証明するシステムで、誰もが信頼できるシステムとして世界各地で実施されており、

日本でも2000年から有機JAS制度が導入されました。

有機認証を受けた生産者は、食品表示に「有機」「オーガニック」等の表示をすることができます。

消費者は表示をもとに有機食品を購入できます。

消費者が有機食品を選択したい時に役立つ仕組みともいえます。

農林水産省の食品表示ガイドラインに基づく、「特別栽培」に少し似ていますが、

食品表示ガイドラインは、性格上は生産者の「自己申告」であり、生産管理としての農薬や化学肥料を対象にしています。

これに対して、有機認証は、法に基づく第三者機関による規格の「認証」です。

また、生産で使用する農薬や化学肥料だけではなく、周辺圃場等から薬剤等の影響も考慮して判定される点も異なります。

有機JASを取得するには

有機認証を取得するには、国が指定する第三者の認証機関に認証を申請し、認証を受ける必要があります。

認証機関は、全国にいくつもありますので、地理条件や認証機関の特徴など考えて、自分に適した機関を選び申請をします。

認証機関によって、違いがありますが、基本的に以下の流れとなります。

申請書提出⇒書類審査⇒現地検査⇒判定⇒認証

認証機関は、

生産管理の記録、苗や資材等の証明書類、生産者自身の有機的管理の規定・体制の整備。

農地の現況や周辺からの農薬の飛散防止対策等の審査していくことになります。

有機JAS認証でよくある誤解

日本の有機JASの認証基準は欧州などと比べて基準がゆるい?

よく、日本の認証は世界基準より低いとか・・・何故なのか勘違いされることも多です。

ヨーロッパはオーガニック先進国、日本は後進国・・・というイメージからくるのかもしれません。

日本の有機JAS認証の使用できる資材等の基準は、他国の認証と同様に、原則的に、国際機関である「国際食品規格委員会(コーデックス委員会)」の規格に沿って定められています。

日本の有機JASも、当然ながらヨーロッパや米国等の認証と同等性を有しているため、世界的にも通用する規格です。

そのため、日本の有機JAS認証を受けている作物を輸出する場合は、一定の手続きを得て、ヨーロッパ等の認証に、転換し販売することも可能です。

有機JAS認証の農産物は認証で認められる農薬を使っている?

これは、正解でもあり不正解でもあります。

ブルーベリーの森あづみのでは、農薬は使っていませんが、

有機JASの認証を取得した農作物の中には、認証で認められている農薬を使っている場合があるのは事実です。

ところが、何故か「有機JASの作物は有機JASで認められている農薬を使っている」と、言われる場合があります。

これは、間違いです。

例えば、「バナナはフルーツである。だから、フルーツはバナナである。」と言った場合、バナナはフルーツの仲間に含まれるだけども、フルーツはバナナだけではありません。

論理がすりかわっています。

有機JASには、使用が認められている農薬があることは事実で、使っている人がいることも事実ですが、だからといって、有機JAS認証の農産物全てが農薬を使っていることにはなりません。

むしろ、有機認証にとりくむような生産者は、なるべく農薬などに頼らないように、工夫しているケースの方が多いのではないかと思います。

なお、有機JASの認証では、化学合成農薬や化学肥料は原則禁止、有機であっても、肥料や農薬もできるかぎり使用しないことが推奨されています。

やむを得ない場合において、有機肥料も農薬(いずれも化学合成されていないものや天然由来のもの、化学肥料や農薬などの混入のないもの)で、認められているもののみ使用することができます。

その管理の範囲は、栽培の資材はもちろん、苗や種、苗の培養土などにも及びます。

有機JASの認証費用は高すぎる?

有機JASの認証の取得には、費用がかかります。

認証機関にもよりますが、およそ10万円前後になることが多いのではないかと思います。

また、毎年一度は、審査を受ける必要があり、ほぼ同じ費用が毎年発生します。

これを高いとみるかは経営判断によることろなので、正解はないと思います。

但し、有機JASは、通常のJAS(日本農林規格)等、他の認証制度と比較して特別に高いわけではありません。

加工食品や工業製品などは製品の保証のために第三者機関が認証をするのは、どちらかというと普通のことですが、

農産物では認証を取得するということが一般的ではないため、特別、高額に捉えられることも多いのかもしれません。

有機JASはハードルが高い

有機JAS認証は、ハードルが高いと言われることが多いです。

これも、正解でもあり間違いでもあります。

私の印象では、取得が極端に大変だったとは思っていません。

また、作物の特徴、栽培方法、圃場の立地、使用している資材などによっても、難易度が異なってくると思われます。

私の場合は、使用している資材が少ないこともあり、比較的とりくみやすかったように思います。

記録や証明書類を整備したり、申請書を作ることに抵抗のある方もいるかもしれませんが、私は、もともと、行政の仕事をしていたこともあり、

書類づくり自体もそれほど大変には感じませんでした。

申請書類をつくる人の、前職などバックグラウンドによっても、変わってくるかもしれません。

特に、もともと、許認可事務などの仕事をしていた人なら、あまり苦にならないような気がします。

まとめ

私は、自分が有機JAS認証を取得する際に、有機JAS関連はもちろん、食品表示などに関連する法令や基準も一通り、確認しました。

もともと、行政の仕事をしていた時のクセで、何か手続きをするときにひととおり、関連する基準や法令を網羅しようと、かなり突っ込んで調べてしまいます(笑)。

多分、そもそも、法令などにも、個人的に興味があるんだと思います。

法令や制度というのは、完璧なものはありません。

有機JAS認証も例外ではなく、メリットもデメリットも当然あるため、最終的には経営判断となります。

そのためにも、有機JASに対する、正確な理解は大切ではないかと思っています。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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