脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
私は「雑草(野草)オタク」です。
農業は作物を育てるのですが、雑草の方もつい楽しくて観察してしまいます。
もちろん、作物を収穫したいことはしたいのですが、
イメージとしては、作物がそれなりに採れて、周りの生き物も活き活きしている。
コントロールしているというよりは、もともとある環境を活かして整えているイメージです。
自然の力を活かすには「観察が大切」とかっこよく言いたいところですが・・・
草の観察はだだの私の趣味かもしれません(笑)。
春に向かうこの時期、下草の雑草(野草)を観察しました。
冬に枯れた草が守るもの
越冬する草も冬の寒さで、枯れてしまうことがあります。
ギシギシのように葉広いものは、枯れた草の下に新しい葉や、ほかの草を守っていることがわかります。
夏草のメヒシバの枯れた下には、オーチャードグラスという牧草の新葉が元気にしています。
ホワイトクローバーも自分の枯れた葉で、ランナー(匍匐茎)を守っています。
ホワイトクローバーはほかの草に比べても芽吹きが早く、このランナーと薄い低コストの葉を素早く展開することで、生育場所を確保します。
背があまり高くないので、素早く横展開することで、生き残っているのではないかと思います。
草がつくる土壌
刈草と枯草で、1cm程度の厚さで、堆肥のような層ができていました。
夏場を中心に、たくさんの草を刈り、敷き詰めてきました。
秋から冬に枯れた夏草も、倒伏して敷き詰められています。
越冬する草や刈草の層で保湿もされて、まだ気温が低いですが放線菌のツンとした香りのある堆肥のようになっています。
土壌の保全や微生物や天敵の活動を考えると良い状態だと思います。
自然界では、植物か有機物で土壌が覆われているのが普通であり、土壌や微生物は紫外線や気象の変化から守られています。
むき出しの土があるのは、崩壊地や土石流、火山などのかく乱でできた裸地です。
刈草、枯草ももちろんですが、植物の「根」は土壌と切っても切り離せない関係にあります。
多くの植物は根に菌根菌や根粒菌などの有用バクテリアと共生しており、根のまわりで微生物の活動が特に活発になり、根を中心に団粒構造が発達します。
根が枯れることで、土壌に空間ができ、排水性や通気性もよくなります。
枯れた根から、根をつくっているカリウムやマグネシウムなどのミネラルも、土壌に還元されます。
野菜やブルーベリー、ハーブなどを育ててきて、
作物や植物があることで、土壌が守られ、よくなっていくことを実感しています。
何年か草生栽培をやっていると、ハコベ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ヒメオドリコソウなどの肥沃な土に生える草が増えてきました。
ブルーベリーのような多年植物は、雑草との生育の差ができるので、比較的草とバランスよく育てることが容易ですが、
一年生の野菜やハーブなどの場合は、競合とのバランスをどうとるかが、課題です。
これからも「雑草(野草)オタク」の趣味である草の観察を活かして(?)、いいバランスを探っていきたいと思っています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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