脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみのには、ブドウ棚があり、夏はブドウの日陰で涼みながらオーガニックブルーベリーを楽しむことができます。
8月下旬からは、ブドウ棚のブドウも楽しむことができます。
無農薬のブドウです。
今回は、そのブドウの剪定をしました。
無農薬のブドウ棚
農園にブドウ棚を作った経緯
ブルーベリー農園で快適にすごすために必須な要素の一つが「日除け」だと考えています。
特に、植物のつくる木陰などの日陰は、パラソルなどの人工物よりさらに快適なので、植物棚の日陰を作ろうと思いました。
その時に、まっさきに思い浮かんだのが「ブドウ」でした。
友人のブドウ農家さんの摘粒の手伝いをしていたときに、ブドウの日陰が思いのほか涼しく、印象的だったのを思い出したんです。
しかし、ブドウは農薬を散布するのが標準なため、本当に無農薬でできるのか正直なところ、わかりませんでした。
いろいろ調べていくなかで、フランスのワインの生産地には「オーガニック」のブドウが普通に存在していることを知りました。
ヨーロッパの地中海よりの気候は夏に雨が少ないため、ブドウ栽培には適するという違いがあります。
それ以外にも、日本は生食で食べる文化に対して、世界的にはワインで消費されることが圧倒的に多いようです。
雨が多い日本で、生食に食べるように適したブドウを作るために、農薬散布の必要性があるのであれば、
雨に強い品種を、見た目にあまりこだわらず、ブルーベリー狩りと一緒楽しめるという利用方法なら可能性があると考えました。
品種は「ナイヤガラ」
ブドウは主に、ヨーロッパ系品種とアメリカ系品種があります。
ヨーロッパ系品種は、食味が優れる一方っで、夏に雨が少ないヨーロッパの気候を前提としているため、日本での栽培は難易度が上がります。
日本で現在、生食用に栽培されている品種は、ヨーロッパ系又は、ヨーロッパ系とアメリカ系の交配種がほとんどです。
その中で「ナイヤガラ」は珍しく、純粋なアメリカ系品種として栽培されているブドウの一つです。
独特の芳香があり、一般的にはワイン用にされます。
ワイン用にしては中粒で滴粒しなくても、実の形がそれなりに整います。
実が柔らかく、日持ちもしないため、生食の流通には不向きと言えますが、ワイン用になるだけあって糖度が高く、味の濃い美味しさです。
品種の説明には「一般的にはワイン用として流通するが、生産地周辺の一部地域では生食として流通している。」と記載がありました。
実は、私の出身地の周辺がナイヤガラの産地であり、子どもの頃からナイヤガラを食べて育ちました。
当時は、全国で食べられていると思い込んでいたので、地元の地域でしか生食されていないことを知りませんでした。
庭なので栽培している人もけっこういたので、育てやすいのではないかと思いました。
実際に栽培したところ、アメリカ系品種らしく雨に強い、樹勢の強い育てやすいブドウでした。
ブドウができるまでハラハラ・・・
ナイヤガラブドウは成長も速く、植えつけて2年目、2021年にはすでに収穫ができました。
袋掛けもせずに、摘粒もしなかったのに、思いのほか綺麗で、何より、懐かしい美味しい味でした。
翌、2022年も、さらにたくさんの実をつけました。
心配していた病気も、葉の一部、実の一部にみられたものの、全体に広がることはなく、思いのほか綺麗にできたので驚きました。
お客さんに食べていただくだけでは消費しきれなくなったので、直売所でも販売しました。
毎年、レストスペースに気持ちのいい日陰を作ってくれます。
ブドウの剪定前の観察
植えつけて4年目になりますが、昨年伸びた枝だけでも、かなりのボリュームがあります。
2021年頃は棚全体に広がるか不安でしたが、今では、混み過ぎないかの方が心配なくらいです。
棚も、パイプを足せば、拡大していける仕様にしたので、お客さんの状況をみながら拡大していこうと思っています。
ブドウの剪定
ブドウの剪定は様々な方法がありますが、おおまかにいうと「長梢剪定」と「短梢剪定」があります。
一番シンプルなのは、上からみて、I型やH形に剪定する「短梢剪定」ですが、強く切るため、樹勢が強い品種は樹形が暴れるデメリットがあります。
植物は強く切ると、強く伸びるためです。
ナイヤガラは樹勢が強いと感じていたので、「長梢剪定」とし、樹勢に応じて調節できる方がいいと考えています。
ブドウはブルーベリーとは違い、今年伸びた枝(つる)に葉と実がつくため、今年伸びる分のスペースを大きく開けておく必要があります。
伸びた姿を想像する必要があるのが、難しいと感じています。
「骨組み」を整えるというイメージです。
ブドウの剪定枝の処理方法
ブドウは長梢剪定で7割以上、短梢剪定なら9割は枝を切るため、剪定枝がたくさんでます。
昨年から挿し木をして苗を生産しており、剪定枝から若い枝を選んで、挿し穂にしています。
挿し穂を採取した残りは、細かく切って、刈草と一緒に敷き詰めて、上から木材チップを被せています。
ブドウを育んでくれたものをそのまま還元します。
この3年間肥料は施していませんが、特に問題なく育っています。
農園で、日陰と果実を恵んでくれるナイヤガラに、いつも感謝しています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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