脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
「ブルーベリーの森あづみの」ではブルーベリーは「ど根性栽培」で育てています。
エザワフルーツランド(千葉県木更津市)の江澤貞雄さんが提唱している栽培方法で、ブルーベリーに過度な干渉をせずに、環境に適応させその潜在能力を発揮させる栽培方法です。
ブルーベリーたちはほぼ自力ですくすくと育っていますが、子育てや後輩に仕事を教えるときにも共通している部分があると思い、書いてみることにしました。
キーワードは「信じて待つ」です。
ブルーベリーど根性栽培で「何もしないこと」の本当の意味
2年ほど前、栽培を始める前に、江澤さんに、相談に行った際、
江澤さんは、「ど根性栽培を始めるなら、必ず私の言うとおりにやってください。言う通りというのは『何もしないこと』なんだよ。」とおっしゃっていました。
その時は、正直、意味がよく理解ができなくてポカーン・・・という感じでした。
翌春に実際に「ど根性栽培」を始め、植えつけて、木材チップを敷き、時々草刈りをする以外は、本当に手を加えませんでした。
ほとんどの本には「ブルーベリーは水やりが大切」と書いてありますが、雨水以外は一滴も水やりをしませんでした。
それでも、ブルーベリーたちは、たくましく成長を続け、2年後、かなり大きくなりました。
もともと、ラビットアイ系のブルーベリーは樹勢が強く、土壌適応性も比較的強い品種ですが、水やりをしないことで、根がより深く張り、自力で育つ植物に成長しました。
私が大きく手を加えなくとも、毎年実をつけてくれると思います。
猛暑の時などは、心配になることもありましたが、萎れることもほぼありませんでした。
「何もしない」というのは、ブルーベリーの仲間がもともとやせ地で育っている植物が原種であること、
さらに特に適応能力の高いラビットアイ系ブルーベリーは、かん水や過剰な肥料などにより、その能力を発揮できなくなるため、「余計な事」をしないという意味だと実感しました。
まさに『無為自然』な考え方だと言えます。
人も「信頼して待つ」
子育ても「信じて待つ」
子どもたちを見ていると、まだできないことがあったり、心配になったりすることも少なくありません。
しかし、初めからできないのは当たり前で、時がたつとできるようになったり、別の方法を見つけたりと、自分で落としどころをみつけていたりします。
たいていのことは、自分でなんとかしてしまうのだ・・・と思ってしまいます。
気にかけてもいいけれども、
「何かしてあげなければならない」ということではなく、
「結局、あの子は大丈夫だ。」という前提のもとに、信じて待つ。
助けを求められた時には、一緒に考える。
それで、いいのではないかと思います。
後輩も「信じて待つ」
ときどき、森林・林業関係の仕事をしていて、若者に仕事を教えることがあります。
この場合も、「彼は結局大丈夫だ。」という前提に立って、
求められているときにだけ、サポートする。
教えてほしいときにだけ、いいタイミングで教える。
それでいいのではないかと思っています。
陥りがちなのは、自己の重要感のために、求められていないのに事細かく指導してしまうことです。
この場合、多くが自分の価値を出そうとしているため、自身の価値を自分で認めてあげることの方が大切かもしれません。
まとめ
余計なことをしてしまうときはたいてい「不安なとき」です。
相手を信じられないとき、相手に投影しているだけで、結局は自分を信じられないときです。
自分の状態によっては、そんな時だってあると思いますが、自分の問題と相手の問題を混同しないことが大切だと思います。
しかしながら、ドキドキしながらも、「信じて待つ」このおもしろさを味わってしまうと、少し待ってみたくなるのです。
そう思って、今日も待っています。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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