脱サラ、元地方公務員、最近まで某農業法人にてブルーベリーの栽培をやっておりました、そして今は起業し、自分のブルーベリー農園を準備しています。かんざきたつや(@ttykanz)、36歳です。
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農地探し編も、これまで、合計7編になりましたが、無事農地も見つかり栽培をスタートさせることができました。
さらに増えそうです。
正直なところ、農地を探していた当初は、農地に取得に関する、外部からの様々な情報が錯綜していて、探し方がわからず、混乱していました。
実体験も踏まえて、実態を一旦まとめたいと思います。
新規就農で農地が見つかるまでの経緯をまとめてみました~農地探し編(総集編)~
経過まとめ
新規就農される方は、里親研修制度などを利用して、2年程度の研修を受ける方が多いと思います。
私は、栽培した品目(ブルーベリー)を取り扱っている里親がみつからなかった。
また、研修期間中の収入が補助金のみ、という収入面の不安から、農業法人への就職という選択をしました。
里親研修を受ける方は、里親さんに仲介してもらうケースも多いようですが、
私の場合は、里親さんのつてもなく、農業法人を退職してから、自分でゼロから探す必要がありました。
(経過)
2018年11月下旬
農業法人退職(本格的に農地探しを始める)
2018年12月上旬
安曇野市出身の県庁時代の友人や高校の同級生などに相談。
安曇野市役所(新規就農の担当課と市農業委員会)に相談。
※県庁時代の友人から、候補地(水田)を2か所紹介してもらった。
※高校時代の同級生から、力になってくれそうな農家の方を紹介してもらった。
2019年1月下旬
安曇野市穂高地区農業委員会の定例会議で、事業計画などを説明。
※市農業委員会に会議への出席を仲介してもらった。
2019年3月上旬
市農業委員会から、「候補地がある」との連絡あり、現地確認。
※土地の水はけなどの条件から、県庁時代の友人から紹介してもらった農地の方は断り、こちらをメインに進めることにする。
2019年4月下旬
農業委員会から紹介してもらった農地の所有者と面談し、条件を打ち合わせる
※この時点では、所有者は賃貸借ではなく、売買を強く希望しており、私は賃貸借を希望していたため、その場では結論が出なかった。
一週間ちょっとの期間をおいて、再度電話で、打ち合わせし、最終的に賃貸借でOKして頂いた。
2019年5月上旬
農地の賃貸借が正式に合意。利用権設定の書類を作成
2019年5月下旬
農業委員会へ関係書類提出、審査と告示を得て、正式に権利が確定。
知り合いから当たるのがベスト
市役所や農協が把握しているのは、所有者から相談のあった場合に限られます。
耕作をやめたいと思ったときに、耕作する人を探す場合
まずは、親せきに相談し、みつからなければ地元の知り合いなどに相談。
それでもみつかれなければ、農協や市役所という順番になるみたいです。
誰かに耕作をお願いしたいと思っても、「誰でもいい」わけではなく、なるべく知っている人にお願いしたいというのが本音のようです。
それはそうだと思います。
貸した人に信用にも関わりますので。
このため、まずは、知り合いから探してみつかれば一番いいのではないかと思います。
里親さんに仲介してもらうのも、この部類に入ると思います。
私は、就農希望地に関連のある友人などを頼りました。
最終的に、違うルートで見つかった農地を借りましたが、
唐突なお願いを聞いてくれて、私のために動いてくれたことが、とてもありがたく、すごく感謝しています。
役所の人は基本受け身
新規就農の情報などでは、市役所などに相談すると書いてあるものが多いです。
たしかに、そのとおりですが、押さえておきたい点としては、
市役所や役場(農業委員会事務局含む)の人は基本受け身だということです。
市とかには、新規就農の対策室とかがあり、支援しているようだから、相談すれば親身になって、積極的に探してくれ・・・・ません。
就農場所を絞りこむ際に、いくつかの市に相談にいったこともありますが、
熱意が感じられ積極的に動いてくれるのは、過疎化などで本当に困っている自治体だけのようです。
考えてみれば、当たり前かもしれません。
役所の人には、新規就農者の農地がいつ見つかろうが直接あまり関係がありません。
但し、「頼まれたことや自分がやる義務のあること」は一生懸命やってくれるので、
できるだけ「何がしたくて」「役所に何をしてほしいのか」を明確に伝え、「自分ごと」にしてもらうことが大切だと思いました。
職業の性質上やむを得ない部分だと思います。
農業委員会の会議でプレゼンさせて頂いたことがきっかけとなり、現在の農地を借りることができました。
尽力していただいたことは本当に感謝しております。
(参考記事)
農地バンクはあてにならない
「農地バンク」というものがあり、どうやら農地を貸したい人と借りたい人のマッチングシステムがあるようです。
希望者は申込ができるようですが、利用率があまりにも低く、あてにならないため、このシステムにはほとんど期待できませんでした。
不動産屋さんではみつからない
新規就農者むけの情報誌などで、「農地つきの住宅を不動産屋でさがすといい」という情報を目にすることがあります。
実際に探してみましたし、知り合いの不動産屋さんにもお願いしたこともありました。
しかし、住宅地がメインであり、農地がついていても、1反(1,000㎡)未満と小規模な物件がほとんどです。
不動産屋は手数料で利益を得ているので、契約額が低くなる農地などの物件は、基本的に扱っていません。
また、賃貸借ではなく、購入になるため、農地法の許可も必要になり、小規模では基本的に認められません。
実際には、不動産屋で農地探すのは、ほとんど無理だと思います。
最初は大変だが・・・一旦みつかれば増えていく
実際に農地を借りて栽培していると、実は周辺にも、耕作をしていない農地(草刈り又は耕すだけ)や耕作辞めたがっている農地がかなり多いことがわかりました。
そして、農業者の方がかなり高齢化しています。
「もう自分ではできないから、誰かにやってもらいたいけど、誰に相談していいのかからない。」という声もありました。
今後、耕作地を広げる考えがあるなら、使ってもらえないか。」という話を頂くこともありました。
潜在的には、農地を維持できない人がかなりいて、信用して頂ければ、どんどん農地が増えていくのではないかと思います。
(参考記事)
まとめ
私は、本格的に探し始めてだいたい5ヵ月くらいで、約4反(4,000㎡)農地を借りることができました。
時間がかかった方なのか、そうでもないのか、ケースバイケースすぎて、
はっきりとはわかりませんが、1年さがしてもみつからないという人もいるようなので、運がよかったのではないかと思います。
また、今年のブルーベリーの植え付けにも間に合ったので、1年を無駄にすることなく、開園の準備を進めることができるようになりました。
力になって頂いた関係者の方には本当に感謝しております。
一方で、農地を借りるためのしくみや情報が、整理されていないとも感じました。
入ってくる、一般論的な情報はあるものの「土地によって違う」ということばかりです。
周囲の農地の方の高齢化や土地の利用状況をみると、あと10年くらいしたら、農地の維持が困難になっている場所ばかりになるような気がします。
その頃になれば、役所の人も地元の人も、耕作放棄地問題に困っていて、今とは全然違うことを言っているのではないかと思います。
農地を守りつつも、土地の流動性を高めるシステムが早急に必要ではないでしょうか。
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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