脱サラ、元地方公務員、最近まで某農業法人にてブルーベリーの栽培をやっておりました。かんざきたつや、36歳です。
現在は、農業法人を退職し、独立起業の準備をしており、子どもたちの笑顔あふれる、「たくさんのひとたちの思い出づくりをお手伝いするブルーベリー農園」を創るべく、日々まい進しております。
脱サラ(脱公務員)の経緯や、農業、そしてブルーベリー観光農園を志した経緯、やりたい農園のコンセプトなどについては、以下の過去記事をご覧ください。
起業のため、某農業法人を退職し、現在は、ブルーベリー観光の開園準備を本格的に始めており、長野県安曇野市で農地を探しています。
明日、地元農業委員の会議で、事業計画をプレゼンすることになり・・・
さらに緊張しています・・・!(><;)
☆こうご期待☆
前々職(県職員)で、私が山地災害の復旧工事の設計・施工監理を担当していたことがありました。
その中で、少し印象深い場所がありました。
この場所は、退職ギリギリで工事が完成したため、その後の経過が気になっていたのですが、
最近たまたま近くを通りかかったら、しっかりと復旧していました。
実は、その崩壊地の上には、古い田んぼ跡地があり、耕作しなくなったことが、山が崩
れたことの一因なのでないかと思っています。
(目次)
1.山の斜面が崩れる理由
山の斜面の土は、常時、重力により、下に向かって動こうとしています。
これが、土の粒同士の摩擦や粘着力、山に生えている草木の根などの力によって抑えられており、斜面として成立しています。
雨が降ることにより、土の隙間に水が充填され、重くなります。
地下水などの水位も上昇し、土の粒子同士の摩擦なども弱められることから、山の斜面は崩れます。
地滑りなど、その土地の特有の地質により発生するものもありますが、
多くの山崩れは、降雨により、斜面のバランスが崩れて発生します。
2.この場所が崩れた原因
(1)崩れた原因
直接の原因は、台風による豪雨でした。
山の斜面上部の小さな沢の水が増水し、沢からあふれて、
斜面の方へ流れ出したことで、山崩れが発生したと推測されます。
(山崩れ発生地 略図)
そのほか、斜面の途中からは、常時湧水(湧き水)が出ていました。
湧水があることで、常時斜面の水分が増えている状態であったことも、崩れ易くしている原因であったと推測されます。
実は、この場所は、昭和50年頃に崩れた場所であり、当時、崩壊地の復旧対策をとった工作物がありましたが、湧き水を排水する工作物は見受けられませんでした。
当時の技術者が、重要な湧水を見落とすことは、考えにくく、この湧水は、昭和50年の復旧対策以降に、何らかの理由で、地下水の流れが変化し、発生したものと考えられます。
(2)水田跡地との関係
水田として耕作していた当時は、水田で水を溜めるため、「すき床」と呼ばれる、水を溜めやすい層があったと思われますが
(一般的な水田の構造)
耕作をしなくなり、雑草などが繁茂し、根などですき床が壊され、しみ込みやすくなった水が地下をとおり、斜面側に排水されるようになったのではないかと思われます。
また、水田が斜面上部からの水をある程度、受け止める役割をしていたとも思われます。
(3)復旧の対策
- 沢の水が斜面に流れこまないように沢を保護(土を盛り、工作物を作って保護)
- 降雨時などに斜面上部の水が斜面に流れこまないように、排水のための溝を施工(沢へ導水)
- 湧水の排水対策(安全に斜面外へ排水)
- 崩壊地の植生等による保護(植物を生やして保護)
(復旧対策 略図)
3.まとめ
森林の調査などをしていると、「こんな山奥に!」という耕作跡地を見かけることが
たまにありました。
耕作をやめて、スギの木を植えて、放置してある例もありました。
昔の山間地では、耕作ができる土地が、大変貴重であり、なんとか耕作をするために、
先人たちが、切り開いてきた場所が使われていなくなってきているのではないかと思います。
極端な例ではありますが、もともと水田には、洪水時等の防災機能があるとも言われており、
今後、山間地で耕作が行われなくなった場合などに、土地利用形態の変化の影響が防災面で出てくることも考えられます。
人間が手を加えたからだ!と言えばそれまでかもしれませんが、もうすでに耕作地なので、今できることを考える必要があります。
現在の耕作地の役割や、もし耕作をやめた場合の影響も考えていく必要があると思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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