脱サラ、元地方公務員、最近まで某農業法人にてブルーベリーの栽培をやっておりました。かんざきたつや(@ttykanz)、36歳です。
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現在は、農業法人を退職し、独立起業をしており、子どもたちの笑顔あふれる、「やすらぎと思い出づくりをそっとお手伝いするブルーベリー農園」を創るべく、日々まい進しております。
脱サラ(脱公務員)の経緯や、農業、そしてブルーベリー観光農園を志した経緯、やりたい農園のコンセプトなどについては、以下の過去記事をご覧ください。
こうご期待☆
わが家では、少量ですが家庭菜園で自家消費の野菜などを作っています。
毎年、少量のぼかし肥を作って使っています。
「ぼかし肥」とは、有機質の資材を発酵させたものです。
今回はそのことについて書きたいと思います。
家庭菜園向け、嫌気発酵による少量ぼかし肥づくり
ぼかし肥と好気発酵&嫌気発酵
(1)ぼかし肥とは
米ぬかやナタネ油かす、鶏糞などの有機質資材は、微生物などに分解され、細かくなっていくことで、植物に吸収されやすくなります。
このため、畑にそのまま施すと、肥料の効果があらわれるまでに時間を要したり、水分などの条件によっては腐敗してしまうこともあります。
そこで、それらの有機質資材をあらかじめ発酵させておき、有機物の分解が進んだ状態で、肥料として使用する方法がとられています。
「ぼかし」とは「発酵させた」という意味になります。
(2)発酵の種類
発酵には2種類あります。
「好気発酵」(こうきはっこう)と「嫌気発酵」(けんきはっこう)です。
「好気発酵」とは、酸素のある状態で活動する微生物が中心となり行われる発酵です。
一方「嫌気発酵」とは、酸素が無い状態で活動する微生物が中心となって行われる発酵です。
どちらも、発酵が進みと有機物が分解されるので、有機物が分解されるという点においては、同様の効果があります。
どちらの方が良いかということは様々な意見があるようです。
含まれている微生物の種類が異なりますので、その点では明確な違いがあると思いますが、今のところ私には、効果などの違いが見いだせていません。
作り方は、使用する材料も含めて、様々な方法があるようですが基本的には、
「好気発酵」は、酸素を必要とするため、発酵させている間に何度も切り返して、攪拌する必要があり、水分などの微調整も必要になります。
一方「嫌気発酵」で作られる場合は、密閉容器などで酸素をなるべく遮断する必要がありますが、切り返し作業などは不要であり、ある程度の温度が保たれる環境に放置しておくだけで作ることができます。
嫌気発酵は、仕込みに手間がかからず、発酵中も基本的に放置しておけばできるため、少量しか使用しない場合、積んでおく場所がない場合、切り返しをする場所がない、管理に時間がとれない場合が多い、一般家庭の家庭菜園に向いているのは「嫌気発酵」だと思います。
本職の農家の方とはまた事情が異なるかもしれませんが、作業の負担が少ない分、一般家庭でもとりくみやすいと思います。
嫌気発酵によりぼかし肥づくり
(1)材料をそろえる
嫌気発酵型ぼかし肥料(約10L)
- 米ぬか 6L
- ナタネ油かす 2L
- 畑の土 500g
- もみがら 1L
- 水(カルキ抜き済み)2~3L
※水道水を使う場合は、一日程度放置してカルキを抜いておきます。
(2)材料を混ぜる
畑の土500gを水2~3Lにときます。
(こうすることで、畑の土着菌を投入することができます)
その泥水500mlを、もみ殻1Lに混ぜます。
そこに、米ぬか6Lと油かす2Lを混ぜます。
水分50~60%程度(握ったらかたまり、つつくと崩れるくらい)に材料を加減し調整します。
素手で混ぜることで、手についている酵母菌や乳酸菌をよくなじませます。
(3)容器に詰める
なるべく密閉できる容器(蓋つきポリバケツなど)に詰めます。
このとき、容器の上下に米ぬか厚さ約3cmを詰めて、密封します。
(底に3cmの厚さで米ぬかを敷きます。)
(少しずつ、押し固めながら入れていくとより嫌気状態になります。)
(上にも米ぬかを3cm程度敷きます)
水を入れたポリ袋を上にかぶせるとより密閉されます。
(水を入れたポリ袋をのせることでより密閉されます。水漏れ防止のため、袋は3重にしています。)
(4)あたたかい場所におく
あたたかい場所におき温度が保たれるようにします。
私は日中は、日なたか、車の中に置き、夜間は家の玄関に入れています。
(5)完成・保存
夏場で約2週間
冬場で約1~2カ月で完成します。
甘酸っぱい匂いがし、表面に白いカビが生えていれば成功です。
白以外のカビは(緑色など)は失敗なので、取り除きます。
完成したら、フタをしていた米ぬかをカビと一緒に混ぜます。
乾燥させて使用すると長く保存できますが、概ね6カ月程度で使いきります。
3使い方など
元肥(植えるときにほどこす肥料)や追肥(栽培中に追加でほどこす肥料)としても使用できます。
私はどちらかというと、肥料というよりは、刈り取った雑草などでマルチングした上にふりかけて、微生物の活動を活性化する目的で使用することが多いです。
成分を計算してみると、だいたい
N(窒素):P(リン酸):K(カリウム)=5:4:2 となりました。
有機物は成分のばらつきが大きいので、正確には計測しないとわかりませんが
理論値では、鶏糞よりちょっと窒素分が多い、比較的バランス型のように思えます。
用途に応じて、調整したり、資材の種類を増やしても良いと思います。
今回は、子ども一緒に作ることになり、
一緒に混ぜました。
混ぜるのってなぜか無性に楽しいです。
こういうのも、家庭菜園の楽しみかもしれません。
(参考文献)
- これならできる自然菜園(竹内孝功、農文協)
- 図解でよくわかる 土・肥料のきほん(日本土壌協会監修、誠文堂新光社)
図解でよくわかる 土・肥料のきほん: 選び方・使い方から、安全性、種類、流通まで (すぐわかるすごくわかる!)
- 作者: 日本土壌協会
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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