脱サラ、元地方公務員、最近まで某農業法人にてブルーベリーの栽培をやっておりました。かんざきたつや、36歳です。
現在は、農業法人を退職し、独立起業の準備をしており、子どもたちの笑顔あふれる、「たくさんのひとたちの思い出づくりをお手伝いするブルーベリー農園」を創るべく、日々まい進しております。
脱サラ(脱公務員)の経緯や、農業、そしてブルーベリー観光農園を志した経緯、やりたい農園のコンセプトなどについては、以下の過去記事をご覧ください。
起業のため、某農業法人を退職し、現在は、ブルーベリー観光の開園準備を本格的に始めています。
☆こうご期待☆
さて、今回は、ブルーベリー栽培とブルーベリー観光農園の勉強をすべく、
千葉県木更津市の「エザワフルーツランド」へ行って参りました。
(視察編その3目次)
1.江澤貞雄氏とエザワフルーツランドについて
千葉県木更津市は、早くから。水田転換作物としてのブルーベリーの栽培の導入に取り組んでおり、苦心を重ねて、全国有数の産地となっております。
当時から現在まで、中心となってブルーベリーの指導・普及に取り組んでこられた、江澤貞雄氏にお話しを伺い、又、江澤氏が園主を務める「エザワフルーツランド」の園内を見学させて頂きました。
江澤氏は、地元の農協でブルーベリーの普及などに従事した後、50歳で退職し、自らブルーベリーの専業農家となりました。
現在もブルーベリーの出荷、観光農園、苗木販売を経営する傍ら、全国各地のブルーベリー農家の指導を行っています。
また、「一般社団法人日本ブルーベリー協会」の会長を務めていらっしゃいます。
江澤貞夫氏は、ブルーベリーのこれまでの常識と考えられていた栽培方法を見直して、植物本来の能力を最大限に発揮し、根をしっかりと張らせる「ど根性栽培」と称した、独自の栽培方法を提唱しています。
(従来のブルーベリー栽培の定説)
- 植え床にピートモス※1を多量に使用し土壌酸度(PH)の調整と排水性を対策する
- 頻繁な潅水(特に夏場)
- ノーザンハイブッシュ系品種中心の栽培
- 化学肥料で苗木の成長を促進
(ど根性栽培)
- 植え床にピートモスを使用しない※2
- 基本的に潅水をしない。※3
- ラビット・アイ系品種の積極的利用
- 肥料は少量の油粕のみ、剪苗木は定で成長を促す。
※ミズゴケ類などの植物が堆積し、腐植化した泥炭を脱水、粉砕したもの。土壌改良材として用いられる。
※2ノーザンハイブッシュでは少量使用する。
※3株元の乾燥対策は、木材チップなどの有機物でマルチングすることを徹底し、乾燥を防止する。
ど根性栽培はブルーベリー協会のホームページでも紹介されています。
私は、以前より、江澤氏の著書である「ブルーベリーをつくりこなす 高糖度 大粒多収(農文協)」を読み、その栽培方法やラビット・アイ系の品種の導入に非常に関心をもっていました。
私が理想としている自然のサイクルを最大限活かす農法、まさに自然栽培です。
是非ともこの目で見てきたい。
是非、お話を伺いたいと思っていました。
2.やはりすごい!ど根性栽培
研修生なども抱えており、お忙しい中、長時間にわたり、その栽培方法を説明して頂きました。
また、あいにくの雨でしたが、軽トラックに載せて頂き、園内を見学させていただきました。
エザワフルーツランドは、約1haの広大な農園ですが、ほとんどが山林内にあり、立木を伐採した山に直接、植えられています。
従来、ブルーベリー栽培の常識と考えらえていたピートモスは使用せずに、肥料は、1株あたり年一回お椀3杯の油粕とイノシシよけ(兼PH調整)の硫黄粉お1/3〜1/4杯だけです。
立派に育っていました。
当然、山の中で水源は無いので、潅水は当然していません。
それでも立派に育っていました。
繊細な植物だと思っていたけれども、本来の力が発揮されれば、こんなにも強い植物なのかと、驚きました。
昨年植え付けた苗木も、私のこれまでの経験よりも、かなり強めの剪定をしていました。
伸ばしたい苗ほど、強く切る。
そうしたらぐんぐん伸びる。
とのことでした。
実際に伸びています。
化学肥料ではなく「剪定で大きくする」ということが実証されていました。
園内では、伐採した立木を利用したレストスペースなどもありました。
ジャム作り体験なども行っています。
園内を見学後、江澤氏が指導し、ブルーベリー栽培を行っているほかの農園も、回って頂き、見学させて頂きました。
いずれの農園も、立派に育っていました。
著書は何度も読みましたが、まさに百聞は一見にしかず・・・実際のものはインパクトは絶大でした。
3.ブルーベリー産地としての取り組みがすごい!
栽培方法などのほかに印象的だったのが、江澤氏が随所随所で、ブルーベリー栽培技術の普及やブルーベリー産地としての地域での取り組みを重視されている点が印象的でした。
ブルーベリーを始めたい人には惜しげもなく技術を伝え、ブルーベリー産地として連携をとっていこうという姿勢には感動しました。
(周辺のブルーベリー農園とも、連携している。)
(最寄駅の馬来田駅でもど根性栽培でたくさんのブルーベリーが育つ)
4.視察での収穫はたくさんありました
今回の視察で、たくさんの収穫がありました。
まずは、栽培方法での可能性が広がりました。
品質を確保する最適な手段として、ポットでの水耕による施設栽培を中心に考えていましたが、選択肢はそれだけではないと思いました。
- ラビット・アイ導入の検討(江澤氏は長野県でも主力として栽培は可能ではないかとの見解であった)
- 土耕栽培での可能性の検討
- 山地での栽培の検討 など
また、地域と連携したとりくみの重要性を感じました。
自分が行おうとしていることの意味を地域という視点でも考え、他の農家さんなどとも連携したとりくみが、結果的に自分にも返ってくるのではないかと思いました。
自分の狭い範囲だけではなく、より広い範囲での影響を考えることは、幕末の英雄坂本龍馬も大切にしていた視点であったとも言われています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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