脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
私のブルーベリー園には、何故かアシナガバチがよく巣を作ります。
作業時や子どもたちの安全上、やむを得ず巣は取っています。
まだ実をつけていないブルーベリーが何故そんなにハチたちに人気があるのかしばらくわかりませんでした。
そこには意外な関係がありました。
ハチは農業では益虫
(↑アシナガバチの巣の跡、巣は一年しかつかいません。)
アシナガバチは、基本的に肉食性なので、農業的にみた場合は害虫を食べてくれる益虫です。
作物を育てている場合、一般的に草を食べるイモムシなどの「草食動物」は害虫。それらを食べる肉食動物は「益虫」と呼ばれます。
チョウやガの幼虫は、さなぎになる前に、狩りバチや、その他の肉食昆虫、鳥にも狙われるため、さなぎになれるのは全体の0.2%程度と言われており、1,000匹に2匹程度しかさなぎになれません。
さらに、寄生バチに卵を産み付けられていれば、さなぎになっても、成虫になることができません。
何らかの事情で、生態系のシステムが機能していない場合は、ガなどの大発生が起こります。
ブルーベリー園がアシナガバチに大人気の理由
ブルーベリー園でよくみかけたアシナガバチ
アシナガバチは、肉食性ですが、スズメバチと同様に完熟した果実などにも、よってくるので、ブルーベリーの実にくることもあります。
実にくる場合は、初期よりも、完熟したころに見られます。
大群でくることはなく、みかけても1~2匹程度です。
庭のブルーベリーでもたまにみかけました。
しかし、ブルーベリー農園でも、幼木で実をならさないように管理していた樹に、春先に巣をつくり始めるアシナガバチをよくみかけました。
益虫ではあるものの、誤って、巣に触れてしまったりする恐れもあるため、まだ巣が小さい頃に、取っていました。
なるべく春先の巣が小さいころ、早朝で気温が低く動きが鈍い時がねらい目です。
ハチ自体を駆除する必要はなく、巣を落とすと、基本的に別の場所へ移っていきます。
申し訳ない気持ちもありましたが、自分や子どもたちの安全を優先しています。
ブルーベリー畑がアシナガバチに人気の理由
(↑ブルーベリーの樹からおとしたハチの巣)
アシナガバチは、以下の特徴があります。
- 外気にむき出しの巣をつくる(材料は木質)
- 肉食性でイモムシなどを狩りをしてエサにする。
1は、巣が外気にむき出しということは、農薬の散布や大気汚染などにも弱いということです。
私のブルーベリー農園は、農薬を使っていないため、住みやすいのかもしれません。
さらに、木質の材料で巣をつくるため、樹が生えているなど、木質の材料が手に入る環境が必要です。
ブルーベリー農園では、木材チップを敷いているため、材料が豊富なことも、住みやすいのかもしれません。
2は、エサとなる草食性昆虫が住むために、ある程度の緑が必要ということになります。
私のブルーベリー農園は、無農薬で草生栽培のため、昆虫がたくさん生息しているため、エサ場としても都合がよさそうです。
アシナガバチは環境指標?
こう考えてみると、アシナガバチは、ある程度自然があり、化学物質などに汚染されていない環境をなるべく選んでおり、環境指標なのかもしれません。
街中で公園や並木などでたくましく生きているアシナガバチもいるのかもしれませんが、苦労していそうです。
並木などで害虫が大発生する理由もなんとなくわかる気がします。
アシナガバチが多く生息できる環境は、生態系としては優れていると考えています。
まとめ
ハチに刺されるのは、ほとんどの場合、気が付かずに、巣やハチに触れてしまった場合だと思います(私も子どものころ、巣に気が付かずに触れて刺されたことがあります・・・。)
アシナガバチは、わりとおっとりしており、こちらから何かしなければ、攻撃することはほとんどありません。
しかしながら、観光農園という特性上、安全のため、ブルーベリーの樹に作られたアシナガバチの巣は、取り除く必要があると考えています。
春先の、なるべく巣をつくりはじめた頃にとり、巣だけはあきらめてもらっていますが、アシナガバチハチに好んでもらう環境だということ、そのものは、ありがたいことだととらえています。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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