自然を模倣する~人工林から農業を考える~ vol419

脱サラ農業・起業
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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農業や観光農園などをやりながら、ときどき、山に行って林業関係の仕事をしています。

山を歩いていて、自然について考えてみたことを書いてみます。

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人工林も生態系を作っている

(↑ヒノキの人工林。人工林も生態系を作っている)

林業は、主に木材などの林産資源を生産する目的で森林の手入れをしています。

地形や地質にあったスギ・ヒノキ・カラマツなどの木を、植えて、管理しているため、自然に生えてきた木でつくられている森林ではありません。

いわゆる「人工林」、人工的につくられた森林です。

そいう意味では畑と少し似ています。

人によってつくられた森ですが、丸太を生産するためには、50年以上の年月を要するため、だんだんと人工林の中には複雑な生態系が作られてきます。

もともと山の土壌環境が豊な場所に植えていることもありますが、

間伐をして光が入り、下層植生が豊になると、いっそう生物の多様性も増加してきます。

人工林よりも天然林を好む意見もあるようですが、その森林が数十年、支えてきた生態系も確かに存在しています。

自然を模倣しながら森づくり(あるいは作ってもらっている)をしているように思います。

(↑人工林内に生えてきた広葉樹の倒木。倒木によっても生物の多様性が増す)

そもそも「自然」とは??

(↑公園の桜からも「自然」を感じる)

「自然」は日本にはもともとあった言葉ではなく、明治時代に様々な外国語が取り入れられていった際に、英語の「nature」の訳として使われ始めたようです。

それまでは「自然」という日本語は無く、それまでの日本の生活は自然と密接に結びついていたので、人工と自然を対立してみることはしていなかったのかもしれません。

現在でも、「自然」という言葉は、人間の影響が比較的少ない状態をさしたり、まったくの人間の手の入っていない天然のものをさしたり、植物などが比較的多いある状態をさしたり、季節の変化をさしたりと・・・

実はその場その場で、都合よく使い分けているようです。

多くの場合、動植物に触れたり、四季折々の変化などから、「自然」とのつながりを感じることが多いように思います。

また、家庭菜園をやったり、山に行ったり、緑を増やしたりと、「自然のようなものとつながっていたい」と感じるのは人間の本能のようなものかもしれません。

自然を模倣しながら育てる

私がやっている農業も、作物という「目的」をもたせた時点で、やはり人工物であり、ある意味では不自然なのかもしれません。

日本で栽培されている栽培作物は、ほとんど外国から来たもので、原産地との環境の違いから、日本や地域にあった栽培方法が確立されていたり、品種が改良されてきています。

そいう意味でも不自然なのかもしれません。

しかし、太陽や天体のエネルギー、気候、水、土壌、微生物、動物、植物、そういった力をお借りしながら、作物を育ててもらっているのもまた事実です。

必ずある部分で自然を模倣しながら、その力をお借りしており、その方法論の違いが栽培方法の違いなのかもしれません。

私は、10年以上森づくりに携わってきており、学生のときは、人工林に生息するサルを研究していたこともあります。

森林・農地などさまざまな環境での生き物のつながりを考えることが好きです。

そのため、農園では生き物のつながり・循環を大切にした栽培をしています。

無農薬でブルーベリーを栽培している一番の理由もここにあり、生き物のつながりをなるべく断ちたくないと考えています。

農業という行為はもしかしたら不自然なことかもしれないけど、自然観察し自然を模倣していきたい、農業を始めた時から、ずっとそういう思いをもっています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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