脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみのには「ハーブガーデン」があります。
ハーブガーデンの一部には「スパイラルガーデン」という石をらせん状に組んで、日当たりや水分条件などの多様性のあるガーデンがあります。
パーマカルチャーの手法でもあるスパイラルガーデンの様子について書いてみました。
スパイラルガーデンとは~パーマカルチャーのデザイン~
スパイラスガーデンとはパーマカルチャーでよく用いられる手法で、 高さ1~1.5m 、直径1.5~2mほどのらせん状に作られる小山のような植床です。
高い場所は、ローズマリーやタイムなど乾燥を好む植物、低い場所はミントやパセリなどの湿潤を好む植物といった具合に、
場所によって、高さや斜面の向きが違うことから、性質の違う植物を一か所で育てることができます。
また、円形やうずまき形は自然のエネルギーを呼び込む形です。
概略図を作ってみたら、植床の延長が6mもあって驚きました。
ハーブが12~13本くらい、見た目よりたくさん植えることができるみたいです。
スパイラルガーデンのハーブの生育状況
(↑植えた直後は、まだハーブも小さくてさみしい感じです)
スパイラルガーデンは通常0.8~1mほどの高さで作る場合が多いようですが、
ブルーベリーの森あづみのの周辺の土は「黒ボク土」という火山灰質の水はけのよい土壌です。
水はけのよさはブルーベリー栽培には適していますが、スパイラルガーデンを高くしすぎると、乾燥しすぎると考え、通常の半分程度の40cmほどの高さにしました。
また、あまり乾燥に弱いもの(ハーブ全般的に乾燥には強めですが)、は植えないようにしました。
最も乾燥する高さのある部分には、ローズマリーやタイム、ラベンダーを植えて、高さが低くなるになるにつれて、セージやナスタチウム、バジル、アップルミントやレモングラスなどを植えていきました。
それほど、乾燥による影響はなく、すくすくと育ちました。
(↑雑草を刈って「草マルチ」に。乾燥を防ぎます)
(↑這うような雑草は「リビングマルチ」として、あえて残したりもしました。)
雑草もハーブに負けじとすくすくと育ったので、ときどき刈って「草マルチ」にさせてもらいました。
植物たちのたくましさには驚きです。
(↑夏の終わりころ。かなり成長しています)
スパイラルガーデンに「微気象」を感じる瞬間
同じ畑で、同じ土壌でも、わずかな凹凸や傾斜、方位などによって、日当たりや風の当たり具合、水分条件などがかわってきます。
これを「微気象」といいます。
一般的な農業では、収穫や出荷の効率を上げるため、収穫物の生育をそろえることが重要であり、なるべく同じ栽培条件での均一化を目指します。
一方、パーマカルチャーでは微気象をよく観察し、それを利用することで栽培地に多様性をもたせることを大切にします。
小さな面積でも多様性をもたせることで、様々な植物を栽培したり、生育をあえてばらつかせることで、収穫時期をずらすこともできます。
スパイラルガーデンは斜面方位や植える位置での微気象の違いを利用しており、パーマカルチャーの考え方が、わかりやすい例です。
実際、栽培していく中で、一日の中での日当たりがスパイラルガーデンの位置によっても全く違うことがわかります。
日当たりや植わっている位置によっても水分条件がかわってきます。
積雪のあとの雪の解け具合も全く違うことも確認できます。
また、摘んである石の隙間に昆虫が住んでいたりと、生物の多様性が大きくなる構造だと思いました。
(↑向かって左が北、右が南。南の方が雪がよく溶けていることがわかる)
栽培する植物や植物をとりまく生物や気象まで多様性をもたすことができる「スパイラルガーデン」。
観察していて、おもしろくてしょうがないです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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