ブルーベリー観光農園の始め方2 「コンセプトの作り方」 ~探すのではなく思い出す~ vol312

観光農園の始め方
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

かんざきたつやのプロフィールページを見る

「ブルーベリーの森あづみのホームページ」をみる。

インスタグラムもやってます。

YouTube動画始めました☆

2019年にブルーベリーの栽培を始めて、今年2021年にブルーベリー&パーマカルチャーの観光農園『ブルーベリーの森あづみの』をプレオープンしました。

ブルーベリーの栽培を始めてから、並行して、観光農園の開園の準備をしてきました。

自分の経験も踏まえて、「ブルーベリー観光農園の準備に必要なこと」について少しずつ紹介していきたいと思います。

今回は『コンセプトの作り方』について書いてみました。

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自分のやりたいことは探すのではなく『思い出す』

ひとくちにブルーベリー観光農園といっても、実はコンセプトは人の数だけあります。

ブルーベリー観光農園をやりたいといっても、それだけでは「どんな風にやりたいのか、誰に届けたいサービスなのか」決まっていません。

実は、私も最初からイメージできていたわけではなく、やりながらだんだんと固まってきたというのが正直なところです。

最初はどうしても、有名な人や成功者のやり方をなぞって、「それが自分がやりたいこと」と錯覚してしまいがちです。(私もまさにそうでした)

しかし、それだけでは、だんだんと違和感があることも出てきたりして、軌道修正しながら「自分のやりたいこと」に近づいてきます。

それでも全く問題はありませんが、遠回りしてしまうこともあるので、一つ有効な方法があります。

自分の子どもの頃好きだったことをたくさん思い出すことです。

子どもの頃、とくに幼少期というのは、大人が惑わされる世の中(?)のこと、惑わされるさまざまな制約や条件のことはよくわからないので(とらわれていないので)、

本当の意味で自分のやりたいことを知り、すでにやっています。

私たちはそのころから本質は変わっていないので、それが本当自分のやりたいことに関係していることがほとんどだと思います。

私の場合は、子どもの頃、生き物や自然が好きで、まわりのみんながワーッと遊んでいる時でもマイペースに虫を観察していたり、図鑑を読んで想像していたり・・・・ちょっと親が心配になりそうな子どもでした。

そして、果物とナッツが大好きな子どもでした。

生き物のつながりを感じながら、美味しい木の実を食べてながら、マイペースにゆったり過ごしたい。

あ!これが今やりたいことだ・・・とあるとき思い出したのです。

少し遠回りした話

前述のとおり、最初から自分のやりたいことが明確であったわけではなく、最初は観光農園経営で有名な方のノウハウばかり学んで、それになぞったことばかり考えていました。

栽培方法も現在の自然の力を活かした農法ではなく、施設栽培の人工的に管理された農法を考えていました。

その時は、これが一番いい、むしろ唯一の方法だ・・・と思い込んでいましたし、そしてそれが私のやりたいことだ・・・・というこじつけまでしてしまっていました。

しかし、農業法人で働いた経験などを通じて、施設栽培はやりたくないと気が付きましたし、そもそも、自分のやりたいことは違うところにあるということにだんだん気が付いてきました。

けっして、それらを実践している人や方法を否定しているわけではなく、純粋に私の価値観や好みのとの相違です。

特に、私のように、これまで、「やりたいこと」よりも「やるべきこと」を考えて生きてきてしまった人は要注意かもしれません。

最初は合理性よりも、とりあえず、何の縛りもなければ何をやりたいかを純粋に考える、いや、思い出した方がいいように思いました。

コンセプトは「無為自然なやさしさ」です

以下、ホームページからの抜粋です。

幸せフルーツ工房「ブルーベリーの森あづみの」が大切にしていることは・・・

無為自然な優しさ

です。

無為自然とは、古代中国の思想家「老子」が提唱している考え方で、簡単に言えば自然から学び、より自分らしく生きるということです。

自然から学び、自然とつながる、自分を知り、自分らしく生きる。

そこには、心の底からあふれてくる喜び・安心・満足感があります。

消費するだけではなく、循環する恵みがあります。

ブルーベリーの森あづみのでは 、お客様には季節のフルーツを楽しんいただくことはもちろん、大人も子どもも自然のフィールドで遊んだり、学んだりできる場所、”自分らしくいられる場所づくり”を大切にしています。

また、作物の栽培はもちろんのこと、周りの環境も、自然のしくみを壊さないように、身近な有機物の利用、太陽光による発電など、エネルギーと資源の循環を心がけています。

自然の中で子どもと一緒に遊んだり、自分らしくゆったりと過ごすことができる「ブルーベリーの森あづみの」を心ゆくまで楽しんでくださいね。

森でお会いできる日を心より楽しみにしています。

(幸せフルーツ工房「ブルーベリーの森あづみの」ホームページより抜粋)

コンセプトは「無為自然なやさしさ」

私のブルーベリー農園で売りたいものはブルーベリーではなく、自然や生き物のつながりの中でゆったりと自分らしくすごす場所づくりです。

やりたいことが決まれば全てがスムーズに決まる

やりたいことが決まると見えてくるもの

やりたいことが決まるとほとんど全てのことが見えてきます。

農法は自然の力を活かした「ど根性栽培」を採用しました。

様々な生き物のつながりを断ち切りたくないため、作物は無農薬栽培とし、無農薬で育てられる強い品種、作物を選ぶようになりました。

防草シートなどは使わずに、土壌という生き物のつながりを育んでくれる野草を活かした草生栽培になりました。

ブルーベリー栽培で防草シート全面張りは本当に効果的なのか?vol150
脱サラ元地方公務員、ブルーベリー農園経営者。かんざきたつや(@ttykanz)です。農業を目指した理由、脱サラの経緯、農園のコンセプトなどは、下記のプロフィールページ又をご覧頂けるとうれしいです。⇒かんざきたつやのプロフィールページを見る夏...

提供するスウィーツは北アルプス自然水の氷、無添加の自然素材のシロップを使ったかき氷に決まりました。

農地を造成せずに利用できるキッチンカーでの運営になりました。

ブドウ棚で日陰をつくるなど、レストスペースも植物を活かしたものになりました。

自然物を活かして、子どもたちが飽きないような場所づくりを目指しました。

実は、成功者のマネしか考えられなかった頃に、企画書を作ったのですが、全く進みませんでした。

しかし、コンセプトが決まってからは、スラスラとあっという間に1時間くらいで書くことができました。

全てはコンセプトから始まり、それが決まらないと何も決まらないことを実感しました。

自分のやりたいことを喜んでくれるお客さんをイメージする

コンセプトがきまったら、それを誰に提供するのかを具体的に考えます。

私の場合は、子育て世代、もっと具体的に言えば、30~40歳程の女性(お母さん)をイメージしていました。

美味しい果物と安曇野の爽やかな風景と自然、子どもを連れて、親子それぞれが決して無理をせずに、自分らしくすごすことができる。

という価値を最も提供したい顧客。にコンセプトが最もつながると考えたからです。

これには、果物狩りに行ったときに、子どもがおなか一杯になったら飽きてしまい、もっとゆったりとすごしたいと思った・・・

子どもとおでかけで、何となく気を張っていることが多い妻を見ていて、子どもと親、両方ともマイペースですごす場所があったらいいなと思った・・・

子どもとのお出かけ、子どもにも機嫌よく接してあげたい・・・本当はみんな家族が大好きだから・・・といった自身の子育ての体験もあります。

何故、女性かというと、女性の方がきめ細やかなサービスに敏感であり、外出時に子どもの安全管理能力もすごく高いと感じています。

その分、外出先で気をを張っていることが多く、女性が安心して子どもを連れていける水準のサービスを作るころができれば、男性もおそらく満足できるものになり、さらに男性はパートナーや子どもたちが満足していることで、満足するという傾向があるため、同時にさらなる男性の満足にもつながると考えたためです。

もちろん、人によると言えばそれまでですが、丁寧に絞り、それに矛盾なくサービスを構成ことが大切で、「多くの皆さんに」という漠然とした方針にすると結果的に誰にも薄くなり、満足感のないサービスになってしまうためです。

全てのニーズを最小限満たそうとして、薄くつまらなくなってしまうのは公共サービスがよい例だと思います。

決して、それ以外の顧客を排除していたり、それい意外の顧客には価値がないサービスというわけではなく、得意なことを明確にしておくことで、サービスの意味やコンセプトとのつながりをより明確にするためです。

テストを繰り返して、やりたいこととお客さんのニーズを近づける

さらに、自分のターゲット層のお客様を中心に、実際にたくさんを聞いてみることが大切です。

私の場合は、開園準備の段階で、ターゲット層となる方(幼稚園の同級生のお母さんたち)数人に集まって頂き「休日のでかける場所の決め方」「情報収集はどうやって」「何があるといい?」などの質問をさせていただいたり。

実際に来ていただいたお客さんにもいろいろ聞いてみたりしました。

もちろん全てのことに応えることはできませんし、迷ったら必ず、お客さんに戻ることが大切です。

このように顧客に聞きながら、テストしながらサービス微調整をしていきます。

物を売るということには大変な誤解があり、

ほしくない人に売るのが大変なのであって、ほしい人に売るのはそれほど難しいものではないと思います。

マーケティングというと、うまいことやって売るというちょっとダークなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、ほしい人にほしいサービスを提供する方法を最適化していくことがマーケティングの本質ではないでしょうか。

まとめ

コンセプトが実は決まっていないまま、迷走してしまっていた経験から、この記事を書こうと思いました。

今思えば、「何となくやった方がよさそうだ」ということは、全くエネルギーがわかず、もやもやしていたように思います。

「やりたいこと」が「やるべきこと」になった瞬間にエネルギーが下がってしまいます。

自分のセンサーも捨てたもんではなかったようです。

自分に丁寧に向き合い、好きなことを思い出すことでコンセプトは自然に出来上がってきます。

そして「自分発」のコンセプトのエネルギーはやはりすごいです。

コンセプトができあがっていて、届けたいお客さんが設定できている状態であれば、迷ったらお客さんに戻ることも大切ですが、

その前に出発点は「自分」だということがとても大切だと思います。

(このプロセスで参考にしていた本や講座など)

これらの書籍や講座で学んだことは、最初はなかなか活かせなかったのですが、実践しながらようやくわかってきたような感じがしています。

どれも素晴らしい内容ですので大変おすすめです。

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