脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーは酸性土壌を好む植物です。
そのため、ブルーベリーの森あづみのでは、ブルーベリーの株元へ硫黄の粉を少し撒くことで土壌を酸性へ調整しています。
栽培をはじめて3年目、土壌がブルーベリーに適する状態になってきていますが、
今回再チェックをしました。
最初はpH(土壌酸度)の高めの土でした
ブルーベリーの栽培を始めた頃の農園のpH(土壌酸度)は6.5~6.8と、前作の牧草を栽培していたころから特に調整をしていないわりには、
比較的高めの弱酸性でした。
ブルーベリーの最適なpH(土壌酸度)は
ハイブッシュ系品種でpH4.3~4.6
ラビットアイ系品種でpH4.3~4.8
※ラビットアイはpH4.3~5.5という説もあります。
と言われています。
野菜などにはちょうど良いですが、ブルーベリー栽培には少しpHを下げる必要がありました。
(↑農園のもともとのpHは6.5を少し超えるくらいでした)
硫黄粉をまいて3年目、ちょうどよいpHへ変化
そこで、ブルーベリーの株元へ硫黄粉を散布することでpH(土壌酸度)を下げることにしました。
耕して土壌に混ぜるのではなく、散布するのみです。
一般的にはピートモスの使用や硫黄粉を耕しながら土に混ぜ込んで、調整することが多いのですが、
この方法は、私が採用している「ブルーベリーど根性栽培 」の手法です。
pHと硫黄の散布量の関係は以下のとおりです。
現在の土壌のpH | 砂土 | 壌土 | 埴土 |
4.5(目標)≒現在 | 0 | 0 | 0 |
5.0 | 20 | 60 | 91 |
5.5 | 40 | 119 | 181 |
6.0 | 60 | 175 | 262 |
6.5(植え付け時) | 75 | 230 | 344 |
7.0 | 95 | 290 | 435 |
(ブルーベリーをつくりこなす(江澤貞雄、農文協)P54表3-1を参考に作成)
この表は本来であれば、10aあたりの散布量(kg)を示すものですが、ブルーベリーの株回りの散布範囲が約1m2なので、そのまま株回りの散布量(g)として適用しました。
実際に撒いた硫黄粉の量はお椀2杯分(約200g)で、最初は実際の変化がわからないので、100gを撒いて、様子をみながらさらに100gを足しました。
おおよそ理論値に近い変化をしたことがわかります。
数十か所図りましたが、誤差を加味しても、4.5~5.5の間になっていると推測されます。
硫黄粉の散布はこれ以上は不要と判断しました。
効果が出て来るのは半年から1年くらいと、ゆっくりですが、長続きします。
成木になると油粕の必要量は増えますが、価格の高い硫黄粉は必要なくなってくるので、どちらかというと、今後のコストは下がってきます。
なお、今年植えた分については、これらの経験から、最初から200gを撒きました。
半年たった現在、概ね適正値になっています。
硫黄粉は有機JASでの認められている自然由来の物質です。
硫黄は植物が必要とする16元素の一つで、光合成などに必須なものですが、日本の土壌には通常は十分に含まれているので、あえて足すことはあまりありません。
ブルーベリーは酸性土壌を好むため、少しだけ加えてあげることで、ブルーベリーに適した環境になります。
それだけではなく、動物の忌避効果もあるころから、イノシシやモグラなどの獣害も防ぐことができます。
地植えのブルーベリー栽培では頼りになる硫黄です。
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