脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
見学に来た方たちや、コンサルのときにも、よく「何本くらい植えれば生活できますか?」と質問をいただきます。
正直、私は即答できたことがありません。
それには理由があって、規模は結果として決まるものであって、先に規模ありきではないと考えているからです。
今回は、その理由を含めて、ブルーベリー農園の適正規模について書いてみました。
ブルーベリー農園の適正規模は「ビジネスモデル」による
結論からいうと、ブルーベリー農園の適正な規模は人によって、すなわちビジネスモデルによって決まります。
うちの場合は約600本のブルーベリーがあります。
私のビジネスの計画としては、これは必要十分な規模です。
しかし、それは私のビジネスモデル(販売単価や販売方法、回収期間等)を前提としているので、
ビジネスモデルが異なる人の場合は、おそらく全く違ってくるはずです。
本数を決めるというよりは、ビジネスモデルを決めて、結果的に本数が決まるということになると考えています。
もし、「〇〇a(面積)必要だ」とか「〇〇本は必要だ」と言っている人がいたら、その人のビジネスモデルの話をしているということだと思います。
ブルーベリー販売単価による違い
販売単価は、規模を決める上で最も大きなファクターとなります。
うちは、「観光農園」「通販の販売」「直売」「店舗向け販売」などをやっていますが、それらの平均単価がおよそ5,000円/kgとなる価格設定をしています。
もし、価格を2,500円とするのであれば、必要な売上を得るためには、収量は2倍必要となるため、
それに伴って規模が大きくなります。
もし、10,000円/kgであれば、規模は半分で良いことになります。
もちろん、ブルーベリーの生育ステージや栽培方法によっても、収量が大きくかわるため、それらも見据えた上で売上目標に必要な生産量を考える必要があります。
※単価は、想定する顧客や販売方法等とセットで考えることになりますが、ここでは割愛します。過去記事等をご覧ください。
ブルーベリー販売方法による違い
「販売方法」によっても規模の違いが出てきます。
投入できる労働力によっても規模がかわるためです。
ブルーベリーで最も労働力がかかるのが「収穫」の工程です。
生産者が収穫して、販売する場合(以下「出荷」と表記)は、収穫~選果~梱包~(発送)といった作業が必要となります。
観光農園として、摘み取りというサービスを提供する場合は、上記の工程は必要ありませんが、必要な施設の準備やブルーベリーや施設のメンテナンス、集客や接客等が必要となります。
どちらも、労力はかかりますが、収穫販売する方が基本的に生産量(規模)に比例して必要な労働力がダイレクトに大きくなります。
このため、特に出荷のみの場合で、労働力が確保できない場合は、規模もそれによって制限されることになります。
もちろん、出荷でも観光農園であっても、規模が増えると労働力が増えますし、剪定等の栽培のメンテナンスは条件は同じです。
しかし、観光農園は出荷と比較すると、収穫時の労働力は相対的に少なくはなります。
自分がどの販売方法をどれだけの割合にするのか、どれだけの労働力を投入できるのか、するつもりがあるのか、によって規模は変わってきます。
投資した資本を回収する期間による違い
資本の回収期間によっても規模は変わってきます。
本数が少なければ、初期の頃の収量が少ないので、苗木や資材などの投資を回収するには期間を要します。
1000本のブルーベリーを植えてスタートするのと、300本のブルーベリーを植えてスタートするのでは、当たり前ですが、初期の頃の収量が3倍以上違ってきます。
なるべく短期間で回収したいのか、副業的に始めて、何年もかけて回収するのか、といった、
要するに「いつ頃までに本格的に儲けたいか」によっても必要な規模は変わってきます。
ブルーベリー農園の適正な規模まとめ
ブルーベリー農園の適正な規模は、人(ビジネスモデル)によって決まってきます。
主には「販売単価」「販売方法」「(資本回収)期間」の違いです。
正直、「やってみなければわからない」要素というのももちろんあります。
想定どおりの収量になるのか、想定どおりの販売ができる場合もあればできない場合もあります。
実施段階でシュミレーションどおりにいかなかった部分を、調整していくことも必要になってきます。
また、やっているうちに規模を広げたくなるという心情もよくわかります。
そういった「遊び」の部分も大切だとも思います。
しかし、自分なりの適正規模を整理しておかないと、目的と規模があわなくなってしまうことにつながります。
実は、ここは、私もいつも頭を悩ませている部分でもあります。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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