農業ビジネスの「価格」について、私の考え方~vol806

観光農園の始め方
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。

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自分自身でビジネスをやってきて、

農業に限らず、「価格」の設定は大切だと実感しています。

今回は「価格の設定」について書いてみました。

※この記事においては、市場出荷など自身で価格を設定できないケースのビジネスモデルは想定していません。

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コスト縮減よりも価格の設定

「値決めは経営」というのは、京セラ創始者の稲盛和夫氏の言葉です。

ビジネス書でも引用されていることが多い印象です。

経営の死命を制するのは値決めです。値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るのか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあると言えます。

どれほどの利幅を取ったときに、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益が出るのかということを予測するのは非常に難しいことですが、自分の製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めることです。その点はまた、お客様にとっても京セラにとっても、共にハッピーである値でなければなりません。

この一点を求めて値決めは熟慮を重ねて行われなければならないのです。

(稲盛和夫 official site https://www.kyocera.co.jp/inamori/about/thinker/philosophy/words63.html)

現行の農業や林業政策などをみると、集約化、効率化してコスト縮減ということが目立ちます。

しかし、私は、それ以前に、基本的な価格の設定の方が優占すると考えています。

極端な話、価格が2倍であれば、生産コストと生産物は2分の1でいいことになるからです。

市場価格のようなものが、絶対的な価格が存在するという前提であれば、利益を上げるためにはコスト縮減や効率化して大量生産ということが必要になるのかもしれません。

しかし、実際は価格は固定的なものではありません。

価格の設定は正解はないが「やってはいけないこと」はある

しかしながら、価格の設定には正解はありません。

と、いうのも、それぞれのビジネスモデルによって違います。

ターゲット顧客、差別化軸、自社の強みなどによって、ビジネスモデルは異なり、それに伴って価格設定がかわるからです。

「正解」はありませんが、共通して「やってはいけないこと」はあるように思います。

価格設定でやってはいけないこと

相場で決める

この業界のこの商品・サービスであればこのくらい、といった相場で決めることはおすすめできません。

競合する商品・サービスを研究することは大切ですが、それぞれのビジネスモデルや「差別化軸」が異なる場合は、価格の意味が異なるためです。

私の販売しているブルーベリーや観光農園というサービスも、同じようなことをしている人はたくさんいますが、ターゲット顧客や強みが異なれば、価格設定も当然変わってきます。

なお、価格が大きく異なる商品やサービスは、対象となる顧客も異なるので、たとえ同じ業界でも、基本的に競合ではありません。

ビジネスモデルを差別化する「差別化軸」については、過去記事をご覧ください。

原価で決める

原価で決めるとは、材料費と人件費はこれくらいで・・・、利益は一般的には〇〇パーセントで・・・という「積み上げ」方式のことです。

原価を管理することは大切ですが、そこから発想が固定されてしまいます.

相場で決めているのとあまり変わらなくなってしまいます。

また、そもそも、お客さんは、原価ではなく、サービスや商品の「価値」で判断するためです。

安売りする

安売りすると、単純に利益が小さくなり、大量に提供する必要があるためです。

薄利多売は一つの戦略ですが、大手企業のような資本や人材が豊富な限られたプレイヤーのやり方です。

ビジネスの差別化軸でいうと「手軽軸」にあたります。

多くの場合、特に私のような個人事業の規模では、避けるべきだと考えています。

また、最初に低く設定してしまうと、後ほど値上げが難しかったり、対象となるお客さんの層も変わってしまうため、初期の時点での「参入していく角度」が大切だと思っています。

私の価格の決め方

私の場合は、ざっくり言うと、生活や事業の継続に必要な売上を設定し、生産量等を考慮し、価格を設定しています。

最初から多くの因子を考えると、わかりにくくなるため、この時点ではとりあえず、それだけを考えます。

言ってしまえば、自分に「必要な価格 」を一旦、設定するわけです。

ほとんどの人が、自分の評価は少し低めに設定するので、ちょっとドキドキするくらいがちょうどいいのかもしれません。

それから自身の設定したターゲット顧客、強みなどを考慮し、自分とお客さんがお互いに満足できる形を想定し調整していきます。

ただし、実際にはやってみないとわからない部分も多いので、常にモニタリングしながら、「最適な価格」を考え続けています。

このように「常にテストする」というのは大切だと考えています。

調整や検討の結果、生産量を増やさなければ無理な場合は、それも選択肢となりますが、前提でありません。

今後の運営にも大きく影響するため、むやみに増やすことはせず、規模は慎重に考えます。

まとめ

価格の設定は、簡単に決めてしまう場合もありますが、実は、かなり重要な要素です。

必要な規模など、全てにかかわってくるからです。

また、ターゲット顧客は差別化軸など、ビジネスの根幹にかかわる部分が定まっていなければ決めることができません。

私の場合は、まずは「自分に必要な価格」を決めて、「ターゲット顧客」「自社の強み」などとの調整し、それらを、すりあわせていく形をとっています。

価格に限らず、「やりたいことを決める」→「お客さんを決める」→「それを調整する」というプロセスは大切だと考えています。

価格は、これからも、テストしながら、常に考え続けていくことになるかと思います。

 

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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