自然栽培も慣行栽培も「同じことをやっている時」がある?と感じた出来事vol529

パーマカルチャー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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幸せフルーツ工房(ブルーベリーの森あづみの)では、

ブルーベリー、ヘーゼルナッツ、野菜、ハーブなど

無農薬、無化化学肥料(あるいは無肥料)で育てています。

有機栽培や自然栽培と呼ばれる部類だと思います。

化学肥料や農薬などを使用する現在広く行われている栽培を「慣行栽培」と言うらしいです。

もちろん、農法的に違いはたくさんあると思いますが・・・・

以前、慣行栽培をで農業をされている方と話していて、

逆に「すごく共通する部分」も感じたので、シェアしたいと思います。

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土壌の性質を的確にみていると感じた農家さんのお話

私が野菜の農作業をしている時に、たまたま通りかかった近所の農家さんとお話する機会がありました。

「追肥はしたかい?」と聞かれたので、栽培方法として基本的に肥料をやっていないという話をしました。

「石灰を撒いて、堆肥を入れないとダメだよ~。」とおっしゃっていました。

決して、押し付けるというよりは、自身の経験から心配して・・・という印象で、私もその方人柄が好きだったので、

なんとなく、ニュートラルにスーッと頭に入ってきました。

そもそも話を素直に聞けるのかどうかって、単純にその人のことが好きかどうかなのかもしれません(笑)

よく考えてみたら、たしかに、そのとおりなんです。

と、いうのも、私が栽培している地域の土壌は「黒ボク土」という土壌です。

火山灰質で水はけが良く、腐食に富んでいます。

その点はいいのですが、欠点もあります。

アルミニウムの含有量が高く、土壌が酸性になっていくと、アルミニウムが溶けだして、根の成長を阻害します。

また、アルミニウムや腐食に土壌中のリン酸が結合されやすく、植物が利用できない形になってしまいがち、黒ボク土はリン酸が不足になりやすい特徴があります。

石灰系の資材を撒くと、土壌酸度が上がるので、酸性に傾くのを防ぐことができます。

また、堆肥(その方の使用している堆肥は家畜由来なのでリン酸が豊富)により、黒ぼく土特有のリン酸不足を補うことができます。

長年の経験からなのか、土壌の特徴を的確にとらえていると感じました。

農薬や化学肥料などを使用したからといって、簡単に作物ができるわけではなく、

土壌への対応や資材特有の弊害を少なくし、効果を高めるための観察眼や経験は重要なのだと、あらためて思いました。

自然栽培も慣行栽培もアプロ―チが違うだけで同じ目的だったりする

私の畑の場合の黒ボク土への対応方法

ちなみに私の場合は、基本的に不耕作にして、収穫する時も、除草するときも、刈り取って根を残したり、「草マルチ」を使いながら、作物の残渣をなるべく土壌に戻すことで、

植物の体内のカリウムやカルシウムなどのミネラルを再び土壌に戻します。

植物の根が枯れると、カリウムやカルシウムが土壌の還元される

ミネラルを戻すことで、土壌の酸度が酸性に傾かないようにしています。

さらに、雑草を残したり、根を残していくことは、アーバスキュラー菌根菌(AM菌根菌)が増えやすい環境を作ります。

AM菌根菌は、根と共生して、アルミニウムの吸収を抑制するとともに、リン酸の吸収を助けてくれます。

ちなみに、ブルーベリーのようなツツジ科の植物にもエリコイド菌根菌という菌根菌が共生することが多く、AM菌根菌と同様に生育を助けてくれます。

ほうれん草などさらに中性よりの作物の時、栽培当初に大きく酸性に傾いている場合は、もみ殻燻炭や草木灰などを使うこともあります。

もみ殻燻炭はAM菌根菌の増殖を助ける資材でもあります。

(もみ殻燻炭は土壌酸度を上げるほか、AM菌根菌が増えやすくなる)

そして、草を活かすことで、雑草の種、虫などの動物の死骸やフンからリン酸が補われたり、あるいは、たまに使用する米ぬかなどからもリン酸は補われます。

やり方は違いますが、土壌への対応としては同じことに対応しているのではないかと思います。

黒ボク土への対応自然栽培的慣行栽培的
土壌酸度の低下によるアルミニウム障害根や残渣でミネラルを還元し酸度調整、AM菌根菌などでアルミニウムから根を守る、
(もみ殻燻炭の投入)
石灰資材で土酸度を上げる
リン酸の不足菌根菌で土壌からリン酸吸収、小動物の死骸・フン・雑草の種
(米ぬかの投入)
堆肥や肥料などで不足しているリン酸を補う
栽培方法による黒ボク土への対応。()は必要に応じて行うもの

まとめ

トマトやハーブも無肥料無農薬で作っています

自然栽培的な農法は、草を活かしたり、混植したり、不耕作や無肥料にするなどの環境を整えて、

害虫の天敵、菌根菌や有益な細菌、植物ホルモンの活性化などにより、病虫害から守られるように工夫していることが多いように思います。

(コマユバチの繭。蛾や蝶の幼虫にとっては脅威の天敵)

慣行的な農法も、優れた農家さんは、お話をお聞きする限りでは、

農薬や肥料などの資材の効果が最大限になるように、あるいは弊害が最小限になるように、見極めているように感じます。

アプローチが違いますが、農作物と環境を観察する力というのは、栽培方法に関わらず共通して大切なことだと、改めて感じた出来事でした。

私は、生き物や作物との関係性やつながりがとても好きであり、それを感じながら栽培していくプロセスが好きなので、現在のような自然栽培的なやり方をしています。

もともと森林などの勉強や仕事をしていたルーツもあるかもしれません。

最初は、一方的にエネルギーや資源を消費していく社会や栽培方法に恐怖を感じていた時期もありました。

自然栽培やサスティナブルな暮らしを目指したきっかけは、多分、漠然とした恐怖でした。

しかし、自然栽培などを続けるうちに、何故か、だんだんと「楽しい」という気持ちの方が強くなりました。

それを発信し共感して頂いたり、一緒に楽しむことができるのもすごく嬉しいです。

何かを世の中に広めたいとか、何かを成し遂げたいというよりは、

シンプルに自分が「楽しいから」という感覚に近いように思います。

この辺りは、性格とかタイプによるのかもしれませんが…

今、私は本当に楽しいです☆

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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