「日本ほうれん草」の栽培~無肥料無農薬ほうれん草は美味しい~vol516

パーマカルチャー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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私は、ブルーベリー、ヘーゼルナッツ、ハーブの栽培農家ですが、

無農薬無化化学肥料で自家消費の野菜も育てています。

秋と言えば「葉物」が中心になります。

水菜や小松菜、野沢菜などのアブラナ科野菜も美味しいですが、

ご家庭での栽培で、ぜひおすすめしたいのが「ほうれん草」です。

やや気難しいですが、耐寒性も強く、越冬もできるので、この時期に栽培しておきたい野菜です。

また、できるだけ無肥料とすることや、寒さに当たることで、食味がグッと増す作物でもあります。

今回は、ほうれん草栽培、最近では少しめずらしい「日本ほうれん草」の栽培について紹介します。

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少しだけ「土に気難しい」ほうれん草

ほうれん草は、ヒユ科の一年草で、アフガニスタン周辺の中央アジア付近が原産と言われています。

アジアやアフリカ、ヨーロッパなど広く栽培されるようになり、それぞれの地域で品種改良がされてきました。

日本には、中国で発達した東洋種が16世紀に、ヨーロッパで発達した西洋種が明治になって渡来しました。

「日本ほうれん草」は、江戸時代頃から、高級食材として栽培されてきた日本の在来品種です。

(日本ほうれん草は葉がギザギザ)

中性に近い肥沃な土壌を好み、酸性よりの土壌だと生育が悪くなります。

また、根が深く張るため、水はけの悪い場所が苦手です。

ほうれん草はやや「土壌に気難しい」作物と言えます。

栽培のポイントは「土壌酸度」

肥沃な土壌を好むため夏野菜の果菜類を栽培した跡地が適していますが、ほうれん草栽培で最も大切なポイントは「土壌酸度の調整です。

私も何回も失敗したのですが、理由はことごとく「土壌酸度」だったと思います。

野菜づくりを始めて、最初の頃は、普通に堆肥を撒いて、石灰を撒いて、有機肥料を与えて栽培していました。

その頃は、ほうれん草もそれなりに収穫できていました。

その後、無肥料無農薬の自然栽培よりの方法に切り替えてから、ほうれん草はあまりうまくできなくなったことがありました。

資材をほとんど投入しなくなり、土壌酸度をあまり、きにかけなくなったことが主な原因ではないかと思います。

ほうれん草栽培に関しては、カキ殻石灰やもみ殻燻炭などを利用して土壌酸度を細かく調整するようになってからは、あまり育たないということはなくなりました。

日本ほうれん草栽培の実際

①土壌酸度チェックと酸度調整

(種まき前、pH6.0を切るくらい)

種まきの前に必ず土壌酸度(pH)をチェックします。

pHが6.0を少し切るくらいでした。

測定誤差を考えても、少しpHを上げた方がよさそうだったので、カキ殻石灰ともみ殻燻炭を撒きました。

酸度調性はできれば2週間から1か月前くらいが望ましいと思います。

といいつつ、私は植え付け直前になってしまうことも多々あります(笑)。

調整後は、pH6.5程度になっています。

(調整後は6.5程度となっている)

基本的に肥料は施しませんが、土壌がやせている場合は、1か月ほど前に、完熟たい肥を1m2あたり5リットルほど撒いておきます。

②種を一晩水に浸ける

私が今回入手した種は殻付きの日本ほうれん草の種でした。

殻付きの場合は、そのまま蒔くと発芽率が悪くなるので、一晩水につけて吸水してから植えつけます。

(殻付きの場合は一晩水につけて吸水させておく)

殻付きでない場合は、そのまま蒔いても問題ないと思います。

③種まき

鍬の幅くらいで、軽く溝をつけてから、1cm程度にばら蒔きしていきます。

(1cm程度に撒いていく)

殻付きの場合は、土は薄めにかけるのがポイントです。

殻があるので、乾燥には強いですが、土を被せすぎると、酸欠状態になってしまうことがあり、発芽率が下がることがあるためです。

もみ殻燻炭があれば、覆土の時に一緒にかけるとより良いと思います。

種まきの後は、足で踏んでしっかりと鎮圧します。

もみ殻があれば、撒いておくと、保湿効果があります。。

(しっかり鎮圧すると、種が乾燥しない)

条間は15~20cmくらいが一般的のようですが、レイアウトによって広くしても問題はないと思います。

私は、エダマメを栽培して土寄せをした後に溝のようになったところに種まきをしていますので、条間は50cmくらいあります。

(円形のレイアウト)

発芽適温は10~20度とやや涼しい気候ですが、4度くらいの低温でも発芽できるようです。

およそ7日程度で発芽します。

(発芽の様子)

④間引き(収穫)

発芽し、本葉が3~5枚くらいになる頃から間引き菜を食べつつ、少しずつ間引いていきます。

最終間隔は5~10cmくらいで、成長をみて、混みあってきたところから間引いていきます。

この辺りは、いろいろな流儀があるようです。

比較的混みあっていても、1本1本の成長には影響が少ない作物のような気がします。

そもそも、私の場合は、葉物を長く、少しずる食べるため、小さい間引き菜を中心に収穫する栽培をしています。

「間引き菜栽培」について詳しくは以下の記事をご覧ください↓

ほうれん草は越冬できる

ほうれん草は耐寒性が強く越冬ができる作物です。

日本ほうれん草は特に耐寒性が強く、氷点下10度程度でも耐えることができ、甘味が増します。

越冬させる場合は、あまり大きく育ってしまうと、耐寒性が弱くなるので、できるだけ遅まきし、本葉5~6枚程度で越冬できるのが理想的です。

まとめ

(無肥料栽培のほうれん草は生でも食べられる)

ほうれん草栽培でのポイントは「土壌酸度(pH)の調整」です。

また、殻付きの場合は種まきの前に吸水させるのもポイントです。

ほうれん草は虫がつきにくく、越冬しさせることも可能な便利な葉物です。

無肥料で栽培すると、えぐみの無いほうれん草になります。

日本ほうれん草は特に顕著で、生でサラダにして食べることもできます。

葉物を「生で食べられるか」というのは、ほとんどの場合、「食感が良いか」と「えぐみが無いか」の食味の違いで、豆のように過熱しないとお腹を壊すようなものはあまり無いと思います。

無肥料栽培で、色が濃すぎない、雑草に溶け込んでしまうような色味の葉物は、えぐみが少なく、生で食べられるものがほとんどです。

ご家庭で栽培することで、鮮度もよく、なかなか手に入らないえぐみの少ないほうれん草が毎日のように食べられます。

(参考書籍)

〇これならできる!自然栽培( 竹内孝功 、農文協)
〇とことん解説!タネから始める無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜(著・新田穂高、監修・ 竹内孝功 洋泉社)

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