ラビットアイ系の紅葉と北部ハイブッシュ系の紅葉の違いと理由vol516

ブルーベリー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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ブルーベリーはツツジ科の落葉広葉樹です。

そのため、ドウダンツツジのように綺麗に紅葉するものもあります。

紅葉の綺麗さや特徴が品種ごとに似た傾向を示したり、成長状況によっても少し違いが見られます。

しかし、日本で主に栽培されている北部ハイブッシュ系ブルーベリーとラビットアイ系ブルーベリーの紅葉には、多くの場合、違いが見られます。

今回は「ブルーベリー紅葉の観察」について書いてみました。

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ノーザンハイブッシュの方が紅葉が綺麗

まず、「ノーザンハイブッシュ系」のブルーベリーの方が綺麗な紅葉になることが多いです。

ラビットアイ系は、緑色と赤が混ざったりし、くすんだ色になりがちですが、

ノーザンハイブッシュ系のブルーベリーはドウダンツツジみたいに鮮やかに紅葉するものが多い印象です。

(ノーザンハイブッシュ系は鮮やかに紅葉する場合が多い)

(ラビットアイ系はくすんだ赤や、赤と緑が混ざる場合もある)

ノーザンハイブッシュ系とラビットアイ系の紅葉に差がでる理由

ノーザンハイブッシュ系とラビットアイ系ブルーベリーの紅葉の違いについて、

紅葉という現象から考えてみました。

冬に向かい気温や日照時間が下降してくると、光合成の効率が落ちてしまうため、葉っぱの機能を停止させようとします。

光合成は葉っぱや茎などに含まれる、緑色の色素「クロロフィル」で行われます。

葉っぱの機能を停止させるにあたり、植物はまず、このクロロフィルを自身で吸収し、栄養分として吸収してしまって枝に蓄えようとします。

クロロフィルが少なくなった葉は、緑色がなくなり、代わりに合成される「アントシアニン」などの色素が充填され、葉が紅葉します。

そのうち、葉っぱそのものも、切り離され「落葉」します。

この落葉も土を肥し、微生物の活動を活発化させ植物自身の生育に再利用されます。

何故、アントシアニンが生成されるのかは、はっきりとわかっていないようですが、全く無駄がない完璧なしくみです。

ラビットアイ系ブルーベリーをよくみると、緑色が多く残っているのは、今年の夏から秋に伸びている新梢(シュート)の部分に集中していることがわかります。

(新梢部分には緑が多く残る。品種はティフブルー)

最近伸びた新梢の部分は、緑色がかなり残っています。

一方で、少し前に伸びて、伸びが落ち着いた枝は、比較的、紅葉しています。

ラビットアイ系ブルーベリーはノーザンハイブッシュ系に比べて新梢を伸ばしている期間や、伸びる量が多く、このあたりが紅葉の違いを生み出していると思われます。

(全体的に緑が多く残る。品種はクライマックス)

新しい新梢の葉は比較的光合成効率がいい葉なのか?

ラビットアイ系の葉が比較的光合成効率がいい葉なのか?

効率はそれほどでもないけど、生育が盛んな新梢をなるべく長い期間伸ばすことを優先しているのか?

はっきりとはわかりませんが、新梢の生育の違いが紅葉の違いを生み出しているような気がします。

まだ、収穫のための保育中のものも、よくみると、新梢が盛んに伸びている部分は、紅葉がすすまず、落ち着いている部分はよく紅葉しており、同じ傾向を示します。

北部ハイブッシュ系は基本的に全ての葉が落葉することが多いですが、

ラビットアイ系は、落葉樹なのに真冬でも意外と葉が残ります。

この辺りの違いもおもしろいところです。

(ラビットアイ系は意外と落葉しない葉も多い)

北部ハイブッシュ系ブルーベリーとラビットアイ系ブルーベリーは、農林水産省の作物分類だと同じ「ブルーベリー」ですが、生物分類上の種が異なり、学名は以下のようになります。

北部ハイブッシュ系ブルーベリー Vaccinium corymbosum
ラビットアイ系ブルーベリー Vaccinium virgatum

「科」以下の生物分類は、
科>属>節>種>(この下に各品種)となります。

北部ハイブッシュとラビットアイ系は「種」を表している学名が異なることから、

品種よりも上の分類の「種」レベルで違うことがわかります。

同じ名前で呼ばれている農作物の中に、品種より上の「種」レベルで違うものが、複数含まれているのは、わりと珍しい気がします。

農作物の場合、品種名が違っても学名は同じものが多いからです。

北部ハイブッシュ系とラビットアイ系が基本的に自然交配しない(自然交配しないものを「別種」としている)ことや、

全く違う植物かと思うくらい違い(特に樹勢)を感じる部分もあるのも、少し納得がいくように思います。

生育や紅葉の違いもあるのも、ある意味では当然のことなのかもしれません。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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