ブルーベリーやブドウを育てていると、毎年のように頭を悩ませる虫がいます。
それが「マメコガネ」です。
成虫は葉を食べ、ブルーベリーやブドウの葉を穴だらけにしてしまいます。
しかも厄介なのが、“飛ぶ”こと。
幼虫のように作物にずっとにいるわけではなく、成虫は自由に飛び回るため、駆除が非常に難しい害虫です。
草刈り中に気づいたこと

そんなマメコガネに悩まされていたある日。
草刈りをしていて、ふと気づきました。
「この草、やたら食べられている…」
よく見ると、マメコガネが集中して集まっている草がありました。
それが、
- メマツヨイグサ
- ヤブガラシ
です。
マメコガネが大好きな「メマツヨイグサ」

メマツヨイグサは、外来雑草として知られる植物です。
実はブルーベリーと同じく、北アメリカ原産。
もともと園芸植物として導入された経緯もあり、黄色い花は意外と綺麗です。
そして何より、マメコガネがとにかくよく食べる。
葉がボロボロになるほど集まっていることもあります。
逆に言えば、
「ブルーベリーではなく、こちらに虫が集まっている」
ということでもあります。
もちろん問題点もあります。
北アメリカ系雑草特有の性質で、非常に背が高くなりやすく、畑が荒れて見えやすいのです。

そのため私は、
- 全部は残さない
- 一部だけ意識的に残す
- 背が高くなる前に茎を折り曲げて倒す
という管理をしています。

こうすると景観を崩しにくく、虫寄せ植物としても機能してくれます。

嫌われ者の「ヤブガラシ」が役立つ

もうひとつが、蔓性雑草のヤブガラシ。
名前の通り、藪を枯らすほど旺盛に伸びる植物で、農家からは嫌われがちな草です。
確かに、作物に巻き付けば厄介です。
ですが、影響の少ない場所に誘導してやると、これもまたマメコガネを強く引き寄せます。
私は、ハイブッシュ系ブルーベリーの防鳥ネットの南側・西側に這わせています。

すると、
- マメコガネを引き受ける
- 真夏の日差しを和らげる(強すぎる西日対策になる)
という効果があり、暑さに弱いハイブッシュ系ブルーベリーの保護にも役立っています。
「邪魔な草」と思っていたものが、
配置次第で“機能”を持ち始めるのは、本当に面白いところです。
草を残したら、被害が激減した

これらの草を意識的に残すようになってから、
ブルーベリーやブドウへの被害は、影響がないレベルまで減りました。
もちろん、
「これだけで全て解決する」
という単純な話ではありません。
ただ、自然界を見れば、単一の植物だけが大量に生えている環境はむしろ少数派です。
一方、農地は目的上、どうしても同じ作物が並びます。
だからこそ、虫にとっては「ごちそうが大量に並んだ環境」になりやすい。
しかし、よく観察すると、
一見「ただの草」に見える植物が、作物を守る役割を果たしてくれていることがあります。
農業は「自然を利用する技術」でもある

農地は人工物です。
農業は、人間による強い介入です。
これは間違いありません。
ですが、その中でも、
- 植物
- 虫
- 鳥
- 微生物
- 草
そうした生き物同士のつながりを観察していくと、
自然の側が持っている力を、少し分けてもらえる瞬間があります。
害虫を「全部消す」のではなく、
「どこへ流すか」
「何に集めるか」
「どう共存するか」
そう考えると、見える景色が少し変わってきます。
鳥対策等については、過去記事をご覧ください。
新規就農・起業を考えている方へ
新規就農では、どうしても
- 資材
- 農薬
- 設備
- ノウハウ
に意識が向きやすいです。
もちろん大切です。
ですが、それ以上に重要なのは、
「観察する力」かもしれません。
畑をよく見る。
虫の動きを見る。
草の役割を見る。
すると、教科書には載っていないヒントが、現場にはたくさん転がっています。
私は、こうした「現場で積み重なった感覚」も含めて、ブルーベリー栽培や新規就農の相談・コンサルを行っています。
「栽培技術だけではなく、実際の畑の見方を知りたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。




