脱サラ、元地方公務員、最近まで某農業法人にてブルーベリーの栽培をやっておりました。かんざきたつや、36歳です。
現在は、農業法人を退職し、独立起業の準備をしており、子どもたちの笑顔あふれる、「やすらぎと思い出づくりをそっとお手伝いするブルーベリー農園」を創るべく、日々まい進しております。
脱サラ(脱公務員)の経緯や、農業、そしてブルーベリー観光農園を志した経緯、やりたい農園のコンセプトなどについては、以下の過去記事をご覧ください。
起業のため、某農業法人を退職し、現在は、ブルーベリー観光の開園準備を本格的に始めており、長野県安曇野市で農地を探しています。
ご協力頂いている皆さま、本当にありがとうございます。
こうご期待☆
長野県小布施町のOBUSE食と農の未来会議主催の「食と農で変える町づくり」 島村菜津さん講演会に出席しました。
ノンフィクション作家である島村菜津さんは、イタリアの「スローフード運動」を日本に紹介した、第一人者です。
「スローフード」とは「ファーストフード」の対極にある食文化の考え方です。
新たな視点が、おもしろい内容でした。
今回はそのことについて書きたいと思います。
食と農でかえる町づくり(島村菜津さん講演会)
1.スローフードとは
(1)ファーストフードの対極であるスローフード
イタリアでは、ローマのスペイン広場にマクドナルドが開店したことをきっかけに、イタリアの食文化を守るという視点で、ファーストフードに対置したスローフード運動が始まったと言われています。
1989年にはイタリア北部ピエモンテ州のブラ(Bra)にスローフード協会が設立され、現在ではイタリア国内で4万人、世界各国に8万人以上の会員を有する国際組織となっています。
発足当初は、質の良い素材を提供する小規模な生産者を支えるという視点での活動でしたが、現在は、食文化としての伝統の食事、健康に良いものに関心が向かうようになっています。
(2)「味の箱舟」プロジェクト
スローフード協会で、1997年から行われている「味の箱舟」プロジェクトでは、大量生産による「食の均質化」という名の洪水から、美味しい食品や素材を「味の箱舟」にのせて守るというコンセプトで未来の子供たちに残した貴重な食材や食品を発掘するプロジェクトが進めされています。
2.島村菜津さん講演会
(1)島村菜津さんについて
島村菜津さんは、ノンフィクション作家であり、イタリアの「スローフード」を日本に紹介し、日本におけるスローフード運動の先駆けとなった人物です。
東京芸術大学在学中にイタリア美術史を専攻。卒業後イタリアに留学し、以後数年にわたる取材をもとにした著書「スローフードな人生!-イタリアの食卓から始まる」を出版。日本ではほとんど知られていなかったスローフードが広く知られるようになりました。
スローフードな人生!―イタリアの食卓から始まる (新潮文庫)
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(2)キーワードは「多様性」
イタリアは国土が比較的小さく、8割が山地です。
大量生産・大量消費には不利な条件であり、この点では、日本とも共通する部分があります。
しかし、イタリアでは、スローフード運動の気運の高まりにより、その土地独特の食文化を守ることに、国をあげて取り組んでおり、「そこに行かなくては食べられない物が宝」という精神が根付いています。
外国人の観光客も、それに価値を見出す人たちもいて、田舎にもたくさん人が訪れるそうです。
イタリアでは若い人であっても、郷土の歴史や伝統、食文化に関心があり、ごくあたりまえに郷土愛が根付いているそうです。
義務感や使命感では疲れてしまうこともありますが、「愛」が原動力なら、エネルギーは無限大な気がします。
食文化の考え方についても
「どこでも同じ味が食べれるのは、文化としては、大人の文化ではなく、ちょっと子どもっぽいから・・・」など
決してファーストフードを否定するのではなく、そっちには、立たないよ~といった文化としての立ち位置の問題として理解されていることも印象的でした。
講演会の中で繰り返し強調されていたキーワードは、「食の多様性」でした。
日本は、島国であることから、他民族の流入が少なく、世界的にみても、かなり豊富な伝統文化、伝統食、伝統食材が保存されているそうです。
長野県も険しい山などの地形により、各地が比較的隔離されていたせいか、独特の文化が多く存在する土地であり、そういった視点では、さらにおもしろいのかもしれません。
アメリカ型の大量生産・大量消費・食の均一化に疑問をもつ人も増えており、
対極にある、小規模・良質な生産者や加工者、そして、それらを求める消費者にとっても「食の多様性」は、非常にいい流れだと思いました。
スローフード運動は、
日々の食卓を中心にして、人に関係性が生まれる。
楽しく食べることで社会が変革できる。
おもしろいものだと思いました。
人間は楽しいことに集まるし、楽しくなければエネルギーが湧いてきません。
ワクワクして取り組めるところも魅力的です。
講演の中では、イタリアの食べ物の魅力も存分に紹介されており、ぜひとも食べにいってみたいと思いました。
世界は思っているより広い。何かに行き詰ったら、さらに広い世界に触れてみるのもいいのかもしせません。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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