脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
私はブルーベリーを栽培していますが、地面に直接植える、いわゆる「地植え」という方法で栽培しています。
実は、独立する前に働いていた農業法人ではポット式の栽培をしていました。
また、最近はポット式の養液栽培が広まってきています。
しかし、私はポット式の栽培方法は選択しませんでした。
その理由について書いてみました。
大きな理由は「好み」です
結論からいいますと、完全に「好み」です。
土壌は土があるだけではなく、様々な生き物が織りなす芸術品です。
私は、その生き物のつながりを感じたり、想像することが好きです。
農作物を作っていて、特に好きな瞬間が2つあります。
一つは、作物を誰かが食べて喜んでくれるのをみること。
もう一つは、多様な生き物どうしのつながりを感じること。
この部分はどうしてもはずせないポイントだと思っています。
ちなみに、「作物を誰かが食べて喜んでくれるのをみること」は、観光農園にした理由でもあります。
施設と向き合うことに時間をとられたくない
ポット栽培は規模が大きくなれば、かん水装置をつけて、自動灌水するのが一般的です。
以前働いていた農業法人でも同様でした。
自動化しているとはいえ、機械の動作やバッテリーチェック、ドリッパーとよばれる灌水装置の先端のパーツが目詰まりしていないかなど、点検や経年劣化等による補修などに追われていました。
設備の仕様や品質・管理方法によって、回避できる部分もあるのかもしれませんが、
そもそも、私は設備に向き合う時間があまり好きではないことに気が付きました。
逆に、好きな人は向いているのかもしれません。
ど根性栽培に出会う
ポット式の養液栽培を採用している農園のセミナーなどにも参加して勉強しましたが、なんとなくもやもやしていました。
その頃に、「ど根性栽培」という方法に出会いました。
「ど根性栽培」はブルーベリーに過度な干渉をしないことで、ブルーベリー本来の生命力を発揮させる方法です。
千葉県木更津市のエザワフルーツランドの江澤貞雄さんが提唱しています。
「水やりをしない(してはいけない)」「植え床をつくらない(大地に直接植える)」「肥料はたくさんやらない(1年目から育てようとしない)」
といった従来の地植えのブルーベリー栽培の常識とは真逆の栽培方法です。
エザワフルーツランドを見学させていただき、立派に育っているブルーベリーに驚き、この方法で栽培することにしました。
江澤貞雄さんには現在でもご指導いただきながら栽培しています。
「ど根性栽培」の3つの「ない」を徹底することで、ブルーベリーたちはたくましく自立して育っています。
興味深いのは、ポット式の養液栽培をされている方も「本来の力を発揮する方法」だとおっしゃっていることです。
個人的にはどちらも正しいのではないかと思います。
徹底的に管理した生育快適な環境とするか、干渉せずに環境に適応できるように自立させるようにするか、
の違いであり、どちらも本来の力は発揮できそうです。
どちらの場合でもいいですが、中途半端だと、よけいに労力もコストもかかるので、どちらかに徹底した方が良いと考えています。
ただし、ど根性栽培は水はけがよい土壌が前提になってくるので、水はけのわるい水田跡地などにはあまり適しません。
火山灰質の黒ボク土などが適するため、黒ボク土の分布が多い東日本の方が適しているかもしれません。
ポット栽培は施設にコストがかかりますが、場所をあまり選ばず、初期成長が早いのも大きなメリットです。
確保している農地の土質、ビジネスモデル、自分の好み(私的には一番大事だと思う)、などで自分にあったものを選んでいけばいいのかなあと思っています。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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