脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
初夏の乾燥する時期になると畑で「うどんこ病」が見られることがあります。
ブルーベリー農園や自家消費の野菜畑などで赤クローバーには、広がることもありますが、あまり作物に広まらないような気がします。
ずっと何でだろうか?と不思議でしたが、少し思うところがあったので紹介します。
うどんこ病は植物によって寄生菌が違う
うどんこ病の原因
自宅にある自家消費用の畑やブルーベリー農園でも、5月~7月頃になると、植物によってはうどんこ病がみられます。
梅雨時期よりも、乾燥する時期にみられることが多いようです。
うどんこ病の原因は病原体となるカビやきのこの仲間が生きた植物の葉の葉に寄生することで発生します。
うどんこ病菌自体は、とくに乾燥した環境を好むわけではありませんが、植物が暑さによりストレスを感じて、抵抗力が若干落ちるために発生すると言われています。
その他には、窒素が多かったり、カリウムが不足してることなども誘因となるようです。
それも結局のところ植物のストレスともいえるかもしれません。
しかし、上記のとおり、病気は病原菌があるだけでは発生せず、動植物が健康のバランスを崩した時に発生します。
赤クローバなどにしか発生しないうどんこ病
(↑比較的感染の多い赤クローバー)
うどんこ病菌は宿主を選ぶ菌で、種類によって感染する植物の種類がある程度限定されます。
違う種類の植物であれば、隣で感染していても、全く問題にならない場合もあるようです。
実際、畑やブルーベリー農園でうどんこ病がみられるのは、主に赤クローバーとカボチャの一部のみです。
うどんこ病菌の天敵などんなうどんこ病も食べる
うどんこ病菌は寄生する植物をえり好みしますが、
うどんこ病菌の天敵となるテントウムシやダニなどの生物は、うどんこ病菌の種類を問わず、様々な種類をわたり歩いて食べることが多いようです。
(↑ムーアシロホシテントウ。葉の上の糸状菌を食べてくれます)
畑や農園でみられるムーアシロホシテントウもその一つです。
それ以外にもキイロテントウやダニなどもうどんこ病菌を食べるそうです。
バンカープランツで天敵を増やす
(↑赤クローバーにはうどんこ病は発生しやすいが、枯れるということはない
例えば、比較的うどんこ病が発生しやすい赤クローバーを「バンカープランツ」として、ブルーベリー農園の下草や畑の通路などで育てることで、うどんこ病菌を食べる天敵を増やすことができます。
あるい意味、赤クローバーをおとりにして、天敵を呼ぶ方法です。
ちなみに赤クローバーはうどんこ病が発生しても、あまり弱りません。
うどんこ病菌は宿主を選びますので、赤クローバーから作物には直接感染する確率は低いですが、赤クローバーのうどんこ病菌をもとめて、うどんこ病の天敵が集まってきます。
畑や農園で比較的、うどんこ病の被害が少ないのは、赤クローバーで見られるうどんこ病に、天敵となるテントウムシなどが引き寄せされて、作物のうどんこ病の初期のものも食べてくれる・・・
それが原因なのかもしれません。
アブラムシ対策として、畝の間に麦を育てて、麦につくアブラムシにひきよせられる天敵を増やして、作物のアブラムシ対策にする例もあり、それと同じ現象かもしれません。
アブラムシも吸汁する植物はえり好みするので、麦につくアブラムシは野菜などにはつきません。
でも、やってくる天敵は、麦のアブラムシも野菜のアブラムシも食べてくれます。
そういうつながりを考えるのが、やはり、おもしろくて仕方ありません。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(↓玄関現代農業2022年2月号(農文協)に 私の関連記事が掲載されました)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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