育てているブルーベリー品種の紹介2「ウッダート」~vol698

ブルーベリー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。

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ブルーベリーの森あづみのでは、ラビットアイ系品種を中心に15~20種類(特定できていないものもあり)ほどの品種を育てています。

育てている品種を紹介していきたいと思います。

当然ながら、気候や土の条件によって、人によって(?)印象もかわってくると思いますので、一つの例としてお読みいただければ幸いです。

今回は「ウッダート」です。

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品種を紹介しようと思った理由

実は、いままで、私はブルーベリーの品種をあまり紹介していませんでした。

理由は、普通に私自身がよくわかっていなかったからです。

しかしながら、最近、品種について、質問されることが増えてきました。

2023年で本格的な収穫を初めて3年目。栽培してみて、現段階でわかってきたことだけでも、紹介してみようと思いました。

ラビットアイ系の早生「ウッダート」

ウッダートは、ラビットアイ系ブルーベリーが日本に導入された頃に、「ホームベル」と「ティフブルー」と共に最初に入ってきました。

俗に「ラビットアイ系御三家」と呼ばれる、かなり古い品種です。

ブルーベリーの森あづみのでは、8月上旬の観光農園オープン当初から、9月に入っても収穫できます。

植えつけて4年目までは、ウッダートは熟期の見極めが難しく、はずすと、すごく酸っぱいと感じていました。

正直、私は最初苦手でした(笑)

完熟した実の味が深く、甘く、かなり旨みがありましたが、生産者ですら見極めが難しい品種は、扱いづらいと感じていました。

そのため、昨年までは、徐々に接ぎ木の台木にしていこうかと思っていました。

しかし、5年目の今年から、何故か美味しい実がとれるようになりました。

昨年までは、ウッダートは収量が少なかったのに、収量も急に増えました。

こういうこともあるんだな・・・と驚きました。

酸味も甘味もしっかりあるため、「厚みのある味」のように思います。

実は平均すれば大粒とは言い難いですが、最初の頃の実はけっこう大きいです。

私のブルーベリー栽培の師匠(千葉県木更津市 エザワフルーツランド 江澤貞雄氏)もよく言っていますが・・・

「古い品種=悪い品種」ではないと、つくづく思います。

欠点としては、やや受粉不良のような現象がおこりやすいことです。

(ときどき、何故か、実にならない部分がある。受粉不良?)

花が散って、果実にならない部分が他の品種より目立ちます。

ただし、もともと花芽も多いため、それほど収量には影響ないような気がします。

ウッダートの完熟果実の見極めかた

(ウッダートの完熟果は横からみると「雫」形)

ウッダートの完熟の見極めには、通常のラビットアイ系の完熟の見極め方法に、さらに一工夫いります。

果柄(果実についている軸部分)と果実のつけ根が青く色づいていることは、他のラビットアイ系と共通していますが、

私が観察した限りでは、これに加えて、実の形が、横からみると雫形になっているのがウッダートの、より完熟な実ではないかと思われます。

完熟してくると変形するのでしょうか。

後ほど、知りましたが、

以前、接ぎ木と挿し木の講習会でお世話になった、小尾能敏さん(o-b-i-ベリー、日本ブルーベリー協会理事、同栽培士)が、

YouTube動画で、ラビットアイ系の完熟果について「実のおしりの部分が平になっていること」を指摘していました。

雫形になっている実は、だいたい、おしりの部分は平になっているため、もしかしたら同じ意味合いのことを言っているのかもしれません。

ウッダートはブルームが少ないが、長期間安定した品質

ブルームは少なめです。

ブルームが多い品種は、見た目は美しいですが、長く樹についていると、天候によっては、ブルームの濃淡が目立ってきて、逆に見栄えが悪くなってしまうことがあります。

モンゴメリーやブルージェムなどはそういう傾向があります。

ブルームが少なめの品種の方が、商品としては、安定して長い期間収穫できるような気がします。

産直販売で、収量がほしいときに、とても頼りになります。

後半になっても種や皮の食感は感じにくく、安定した品質です。

ウッダートの樹形

ウッダートの樹形は開帳性で、広がり気味になります。

同じ開帳性のクライマックスより、さらに横気味に広がります。

強い枝も、細かい枝も多めなので、どちらかと言うと、剪定に時間がかかるタイプです。

ウッダートの紅葉はけっこう綺麗

ウッダートの紅葉は結構綺麗です。

ラビットアイ系品種の紅葉は、ハイブッシュ系品種に比べると見劣りする印象ですが、その中でもウッダートは綺麗な紅葉だと思います。

少し橙色系の紅葉です。

ウッダートの評価

ウッダートの以前の評価はかなり低かったのです・・・

現在はうちでは、ブルーベリー観光農園の前半から中盤の主力品種という位置づけです。

昨年(植え付け4年目)までと今年(植え付け5年目)で全く評価がかわりました。

ウッダートに申し訳ない限りです。

引き続き、主力品種として栽培していこうと考えています。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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