脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。
ブルーベリーの森あづみのでは、ラビットアイ系品種を中心に15~20種類(特定できていないものもあり)ほどの品種を育てています。
育てている品種を紹介していきたいと思います。
当然ながら、気候や土の条件によって、人によって(?)印象もかわってくると思いますので、一つの例としてお読みいただければ幸いです。
今回は「ウッダート」です。
品種を紹介しようと思った理由
実は、いままで、私はブルーベリーの品種をあまり紹介していませんでした。
理由は、普通に私自身がよくわかっていなかったからです。
しかしながら、最近、品種について、質問されることが増えてきました。
2023年で本格的な収穫を初めて3年目。栽培してみて、現段階でわかってきたことだけでも、紹介してみようと思いました。
ラビットアイ系の早生「ウッダート」
ウッダートは、ラビットアイ系ブルーベリーが日本に導入された頃に、「ホームベル」と「ティフブルー」と共に最初に入ってきました。
俗に「ラビットアイ系御三家」と呼ばれる、かなり古い品種です。
ブルーベリーの森あづみのでは、8月上旬の観光農園オープン当初から、9月に入っても収穫できます。
植えつけて4年目までは、ウッダートは熟期の見極めが難しく、はずすと、すごく酸っぱいと感じていました。
正直、私は最初苦手でした(笑)
完熟した実の味が深く、甘く、かなり旨みがありましたが、生産者ですら見極めが難しい品種は、扱いづらいと感じていました。
そのため、昨年までは、徐々に接ぎ木の台木にしていこうかと思っていました。
しかし、5年目の今年から、何故か美味しい実がとれるようになりました。
昨年までは、ウッダートは収量が少なかったのに、収量も急に増えました。
こういうこともあるんだな・・・と驚きました。
酸味も甘味もしっかりあるため、「厚みのある味」のように思います。
実は平均すれば大粒とは言い難いですが、最初の頃の実はけっこう大きいです。
私のブルーベリー栽培の師匠(千葉県木更津市 エザワフルーツランド 江澤貞雄氏)もよく言っていますが・・・
「古い品種=悪い品種」ではないと、つくづく思います。
欠点としては、やや受粉不良のような現象がおこりやすいことです。
花が散って、果実にならない部分が他の品種より目立ちます。
ただし、もともと花芽も多いため、それほど収量には影響ないような気がします。
ウッダートの完熟果実の見極めかた
ウッダートの完熟の見極めには、通常のラビットアイ系の完熟の見極め方法に、さらに一工夫いります。
果柄(果実についている軸部分)と果実のつけ根が青く色づいていることは、他のラビットアイ系と共通していますが、
私が観察した限りでは、これに加えて、実の形が、横からみると雫形になっているのがウッダートの、より完熟な実ではないかと思われます。
完熟してくると変形するのでしょうか。
後ほど、知りましたが、
以前、接ぎ木と挿し木の講習会でお世話になった、小尾能敏さん(o-b-i-ベリー、日本ブルーベリー協会理事、同栽培士)が、
YouTube動画で、ラビットアイ系の完熟果について「実のおしりの部分が平になっていること」を指摘していました。
雫形になっている実は、だいたい、おしりの部分は平になっているため、もしかしたら同じ意味合いのことを言っているのかもしれません。
ウッダートはブルームが少ないが、長期間安定した品質
ブルームは少なめです。
ブルームが多い品種は、見た目は美しいですが、長く樹についていると、天候によっては、ブルームの濃淡が目立ってきて、逆に見栄えが悪くなってしまうことがあります。
モンゴメリーやブルージェムなどはそういう傾向があります。
ブルームが少なめの品種の方が、商品としては、安定して長い期間収穫できるような気がします。
産直販売で、収量がほしいときに、とても頼りになります。
後半になっても種や皮の食感は感じにくく、安定した品質です。
ウッダートの樹形
ウッダートの樹形は開帳性で、広がり気味になります。
同じ開帳性のクライマックスより、さらに横気味に広がります。
強い枝も、細かい枝も多めなので、どちらかと言うと、剪定に時間がかかるタイプです。
ウッダートの紅葉はけっこう綺麗
ウッダートの紅葉は結構綺麗です。
ラビットアイ系品種の紅葉は、ハイブッシュ系品種に比べると見劣りする印象ですが、その中でもウッダートは綺麗な紅葉だと思います。
少し橙色系の紅葉です。
ウッダートの評価
ウッダートの以前の評価はかなり低かったのです・・・
現在はうちでは、ブルーベリー観光農園の前半から中盤の主力品種という位置づけです。
昨年(植え付け4年目)までと今年(植え付け5年目)で全く評価がかわりました。
ウッダートに申し訳ない限りです。
引き続き、主力品種として栽培していこうと考えています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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