脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみのは構想段階から、「自然とつながる。本当の自分とつながる。」というテーマをかかげてきました。
癒し系スポットでは、日常生活から離れてゆっくりと癒される・・・ということが強調されることが多い印象があります。
もちろん、素晴らしいことでもあります。
実際必要なことでもあります。
それ自体を否定する気は全くありません。
しかし、個人的には『日常』の捉え方がなんとなくネガティブな要素を感じてしまい、自分の農園のテーマとしていくには、抵抗がありました。
そもそも、この 「自然とつながる。本当の自分とつながる。」 というテーマに行った背景の一つに、
自身の子育ての経験から「選べる」場所をつくりたいということがありました。
今回は、大切にしている『「選べるから」自由になれる~ファミリーガーデン的魅力』について書いていました。
「選べない」から感じるストレス
ある時、子どもが「学校に行きたくない。」といいました。
「自分で学校に行くことを、選んだわけじゃないのに~」とも言っていました。
そう!たしかに、そうだな〜と思います。
学校にいくのは「義務」ではなく、子どもの「権利」なので、必ずしも、毎日行かなければならないことはないです。
親の方が学習の機会を与える「義務」を負っているので、「義務教育」という言い方をしますが、学校に行くのは義務ではありません。
どっちかというと大人の都合(?)。
学習や社会とのつながり自体は学校でなくても得られます。
ホームスクリーニングが盛んな国の実績をみても、実際には学校だけが選択肢ではないんだろうな~と私は思います。
(総合的には)行きたくないわけではないけど、
今日は行きたくない…とかもあるかもしれません。
自分も学生の時や、オトナになってからも、特にサラリーマンのときは、そうだったかなと思います。
仕事や勉強自体は(総合的には)OKだけど、今日は家で自分のペースでやりたい。
とかもあると思います。
やっていることの難易度や負荷よりも、裁量のない環境の方がストレスは大きくなるという研究結果もあるそうです。
子育ても選択肢が少ないと大変に感じる
選べないことは、負担に感じます。
特に、子どもが小さい頃、可愛いのはもちろんだけど、
一日中つきっきりで向き合うのは、本当に大変だと感じました。
「(親は)こうするべき」という観念に自身が苦しめられていた感はありますが、
子どものペースにあわせるしか選択肢がないと自ら選択肢を、狭めていました。
誰かを頼ったり、息抜きや自身を大切にする時間も必要です。
ブルーベリー農園の構想を練っていたときに、
たまたま、立ち寄ったカフェで、ガーデンデザイナーのバニー・ギネスさんの「ファミリーガーデン」(バニー・ギネス著、白井温紀訳、MEDIA FACTORY)という本に出会いました。
そして「家族ひとりひとりが必ず、庭の中に大好きな場所を持つこと。」という言葉に惹かれました。
みんなが無理せずに楽しめる場所が『ファミリーガーデン』なんです。
それぞれの居場所のある空間。
それは、大人だけ、子どもだけ楽しいのではなく、
それぞれでも楽しい、一緒にいても楽しい。
しかも、それが共存している場所。
家族向けのお出かけスポットは、公園から遊園地、自然体験までいろいろなものがあります。
私もいろいろな場所にいきましたが、
子供だけが楽しくても、一日ずっとだと、大人も負担に感じることが多いと感じました。
もちろん、子どもは可愛いし楽しいけれど、ずっとだと疲れる。
疲れるのは、当たり前のことですが、多く場合、無理をしてしまいます。
年に数回立ち寄るショッピングモールで、キッズスペースが少しだけある場所があります。
子どもたちは楽しそうですが、オトナは座る場所もなく、一緒に入れるスペースもなく、
でも子供たちは見て見て~なので、実はちょっと疲れ気味に立ち尽くす人が多いです。
逆に、子どもの頃、買い物についていくのがとてもイヤでした。
もしかしたら、大人だけが楽しい場所なのかもしれません。
そうならないように、キッズスペースがあるのだと思いますが、
空間的には完全に分離されているので、オトナか子どもかどちらかが、我慢している時があるように思います。
「自然とつながる。本当の自分とつながる。」というテーマ
ブルーベリー農園と自然物が合わさった空間を考えた場合、
いろいろな要素が重なりあって混在することができます。
ブルーベリーを一緒に楽しんで食べる時間。
一緒にかき氷を食べる時間。
虫とりに夢中になる時間。
大人はゆっくりコーヒーを飲む時間。
それぞれのお気に入りの過ごし方があって、一緒に過ごしてもいい。
選択肢が重なりある空間。
実際に、農園を訪れた親子連れのお客様でも、
親子で一緒に楽しむ時間もあれば、
子どもたちが自由にブルーベリーを食べたり、おなかが一杯になってから虫とりに夢中になったりする姿を眺めて、ゆっくり、している親御さんもとても多いです。
選べるから自由になれる。
自由になれるから、尊重できる。
尊重できるから、一緒も楽しい。
家族も一つの人間関係であり、「家族だから」「親子だから」いつも一緒に・・・ということではないと私は思います。
ブルーベリーの森あづみののある農地を初めて見た時に、
すでに、自由になれる要素は、この場所にはあるのだと思いました。
そして、その良さを損なわないように、栽培方法の検討、サービスの種類やレストスペースを作っていくという方向性になりました。
何もない場所に足していくというよりは、良さをより引き出すためにはどうすればいいのか?
という発想です。
選択肢があるから、自由になれる。
「自然とつながる。本当の自分とつながる。」というテーマはそういう意味でもあります。
これからも、さらにブルーベリーの森あづみのの良さを引き出していきたいと考えています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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