商品やサービスが広まるまでの「タイムラグ」との付き合い方~焦らず、淡々と続ける~

起業や新規就農をすると、

「良い商品を作れば、すぐに売れる」

「良いサービスを始めれば、すぐにお客様が来てくれる」

そんなイメージを持つことがあるかもしれません。

もちろん、実際にそうなることもあります。

しかし、私自身が農業を始めてから感じているのは、

どんなに良い商品やサービスでも、それが多くの人に知られ、広がっていくまでには、ある程度の「タイムラグ」がある

ということです。

そして、このタイムラグとの付き合い方は、起業や新規就農を続けていくうえで、意外と大切なのではないかと思っています。

目次

「良いものなのに、なぜ広まらない?」

新しい商品やサービスを始めたばかりの頃は、思ったような反応がないことがあります。

商品を一生懸命つくっている。

SNSで発信している。

ホームページも作った。

お客様に喜んでもらえるように工夫している。

それなのに、

「思ったほど注文が来ない」

「SNSを投稿しても、ほとんど見られていない」

「なかなか口コミが増えない」

ということがあります。

こういう時は、

「自分の商品に魅力がないのではないか?」

「やり方が間違っているのではないか?」

「このまま続けても、うまくいかないのではないか?」

と、不安になりやすいものです。

私自身も、もちろんそういう時期がありました。

ただ、今振り返ると、

「ある程度のタイムラグがあるのは、そもそも普通なのではないか」

と思うようになりました。

私の情報発信も、最初から見てもらえたわけではない

例えば、私が続けているブログやSNSでの情報発信もそうです。

今では以前とは比べものにならないくらい、多くの方に記事や投稿を見ていただけるようになりました。

そこから新しいご縁が生まれたり、仕事につながったりすることも増えてきました。

でも、最初からそうだったわけではありません。

ブログを書いても、ほとんど読まれない。

SNSに投稿しても、反応がない。

そんな時期もありました。

それでも、

「誰にも見られていないから、やめよう」

とは考えませんでした。

むしろ、

「自分自身の情報を整理する意味でも、良い情報を一つずつ並べていこう」

と考えていました。

ギャラリーに作品を一つずつ並べていくような感覚です。

今日、誰かが見てくれなくてもいい。

明日も見てくれないかもしれない。

それでも、良いものを一つずつ揃えていく。

そうやって淡々と続けてきました。

すると、時間が経つにつれて、過去の記事や投稿も含めて、少しずつ見てもらえるようになっていきました。

以前の記事でも書いたように、情報発信は「未来のご縁」をつくるものでもあります。すぐに結果が出なくても、積み重ねた情報そのものが後から誰かに見つけてもらうことがあります。

商品のレビューも、最初から多かったわけではない

ブルーベリーの販売も同じでした。

最初からたくさんのレビューが集まっていたわけではありません。

一つの商品を全力で発送する。

日々ブラッシュアップしながら技術を磨き

そして、また次の商品を発送する。

その繰り返しです。

「レビューを増やそう」と考えるよりも、

「今できることに集中して、良い商品を届けよう」

ということを大切にしてきました。

その積み重ねによって、少しずつ注文が増え、レビューをいただく機会も増えていきました。

観光農園についても、同じような感覚があります。

最初からたくさんのお客様が来てくれるわけではありません。

一人ひとりのお客様に楽しんでもらう。

そのために農園を改善する。

いただいた声を次のシーズンに活かす。

またお客様を迎える。

そうやって少しずつ積み上げてきました。

広まるまでの時間は、「何もしていない時間」ではない

ここが、今回一番伝えたいことです。

商品やサービスがまだ広まっていない期間を、

「結果が出ていない時間」

とだけ考えないことです。

その期間にも、自分自身の中には、確実に何かが蓄積されています。

例えば、

  • 商品をつくる技術
  • 接客の経験
  • お客様の声
  • 発信するスキル
  • 写真や文章の技術
  • 販売の経験
  • 問題が起きた時の対応力
  • 自分の商品やサービスを改善する力

などです。

最初は一つ一つが小さな経験でも、何年も続けていると、かなり大きな差になります。

つまり、

「広まるまでの時間=待っている時間」ではない

のです。

むしろ、

「広まった時に備えて、自分の腕を磨いている時間」

と考えることもできます。

もし、いきなり広まったら?

これは少し面白いところです。

例えば、商品やサービスが、ある日突然SNSなどで話題になったとします。

たくさんの注文が入り、お客様が一気に増える。

一見すると、とても良いことです。

ただ、その時に、

「商品を安定して提供できるのか」

「問い合わせに対応できるのか」

「品質を維持できるのか」

「リピーターになってもらえるのか」

という問題が出てきます。

だからこそ、すぐに広まらなかったとしても、その間に経験を積んでおくことには意味があります。

少しずつ注文が増えてきた。

少しずつお客様が増えてきた。

そのたびに、

「ここはもっと改善した方がいいな」

「こうした方がお客様に伝わりやすいな」

と考える。

そうしているうちに、自分自身の技術やサービスも磨かれていきます。

そして、もし後から大きく広がるタイミングが来たとしても、その時に対応できる力が身についている。

これは、かなり大きな強みになると思います。

「広まるスピード」は、最終的にはそれほど重要ではないのかもしれない

もちろん、最初から一気に広まることもあります。

それはそれで素晴らしいことです。

ただ、私は、

「どれくらい早く広まったか」だけが重要なのではない

と思っています。

最初はゆっくりだったとしても、

その間に商品を磨く。

技術を磨く。

発信を磨く。

お客様との関係をつくる。

経営を学ぶ。

そして、少しずつ自分の仕事の土台を強くしていく。

そう考えると、

「広まるスピード自体は、最終的にはどちらでも良い」

のかもしれません。

もちろん、ビジネスとして成立させるためには、価格設定や販売方法、顧客ニーズ、収支など、基本的なことを考える必要があります。

「ただ続ければいい」という話ではありません。

やるべきことを考え、改善することは必要です。

そのうえで、

結果が出るまでのタイムラグに対して、必要以上に焦らない。

これは、とても大切なことだと思います。

「淡々と続ける」は、意外と強い

起業や新規就農を始めると、

「早く結果を出さなければ」

「もっと集客しなければ」

「もっと売上を増やさなければ」

と焦ることがあります。

私自身も、もちろんそういう気持ちになることがあります。

でも、長く続けてきて感じるのは、

結局、一番強いのは「淡々とやるべきことを続けること」なのではないか

ということです。

今日できることをやる。

商品を少し改善する。

お客様に丁寧に対応する。

記事を一つ書く。

写真を一枚撮る。

失敗したら改善する。

そして、また次の日に続ける。

それを繰り返していると、気がついた時には、以前の自分とはかなり違うところまで来ています。

そして、いつか商品やサービスが広がった時、

「あの時、誰にも見られていなかったけれど、続けていてよかった」

と思える日が来るのかもしれません。

起業や新規就農を考えている方へ

これから起業や新規就農をする方には、

「始めたら、すぐに結果が出るとは限らない」

ということを、最初から知っておいてもらいたいと思います。

これは、悪い意味ではありません。

むしろ、

「広まるまでの時間も、自分を成長させるための時間になる」

と考えてみてほしいと思います。

最初は誰にも知られていなくてもいい。

注文が少なくてもいい。

発信を見てもらえなくてもいい。

もちろん、改善はしていく。

でも、必要以上に一喜一憂しない。

目の前の仕事を、丁寧にやる。

そして、淡々と続ける。

そうしているうちに、技術も経験も信用も、少しずつ積み上がっていきます。

商品やサービスが広まるまでの「タイムラグ」は、決して空白の時間ではありません。

未来に広がっていくための、準備期間なのかもしれません。

だから私は、

「まだ広まっていない」

と焦るより、

「今のうちに、もっと腕を磨いておこう」

くらいの気持ちで、これからも淡々と続けていきたいと思っています。

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この記事を書いた人

脱サラ元公務員。
13年働いた県庁を辞めて、農業法人を経て独立。
ブルーベリー農園を経営しています。

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