起業や新規就農を考え始めると、多くの人が一度は「競合」という存在を意識するのではないでしょうか。
「近くに同じようなお店がある」
「先に始めている人には勝てないかもしれない」
「価格競争になったらどうしよう」
私自身も、農業で起業する前から、この「競合」という考え方に強い抵抗がありました。
今回は、そんな私が現在どのように競合と向き合っているのかを書いてみたいと思います。
私は昔から「競争」が苦手でした

子どもの頃から、私は競争があまり得意ではありませんでした。
運動会でも、テストでも、仕事でも。
競争になると、人間関係が少しギスギスしたり、誰かと比べられたり、置いていかれるような不安を強く感じてしまうタイプでした。
もちろん、競争することで力を発揮できる人もいます。
それは素晴らしい才能だと思います。
ただ、私は違いました。
だからこそ、何かに取り組むときはいつも、
「みんなと違う方法はないかな?」
そんなことばかり考えていたように思います。
農業を始めても、最初に気になったのは「競合」

自分で農業を始め、事業として経営するようになると、やはり避けて通れなかったのが「競合」という存在でした。
だから私は、
「他と被らないように」
「似たサービスにならないように」
そんなことばかり考えて商品やサービスを作ってきました。
マーケティングでは、これは**USP(Unique Selling Proposition)**と呼ばれます。
「なぜ、お客様が他ではなく、あなたから買うのか。」
これは経営ではとても大切な考え方です。
ですが、ある時、それ以前にもっと大切なことがあると気付きました。
自分に合った場所で、自分らしく経営すると、競合しにくい

それは、
自分に合った場所で、自分の特徴を十分に活かせると、そもそも競合しにくい
ということです。
逆に言えば、
競争が苦しいと感じるときは、
・自分の個性を十分に活かせていない
あるいは
・自分が活躍しにくい土俵で勝負している
そんな可能性もあるのではないかと思うようになりました。
同じブルーベリー農園でも、実は全然違う

例えば、ブルーベリー観光農園。
一見すると、どこも同じように見えるかもしれません。
ですが実際には、
・どんなお客様に来てほしいのか
・どんな時間を過ごしてほしいのか
・価格設定
・休憩スペースの作り方
・接客
・園内の雰囲気
こうした一つひとつに、その経営者らしさが現れます。
私の栽培の師匠や、同じ「ど根性栽培」でブルーベリーを育てている友人の農園へ行っても、それぞれ驚くほど違います。
そして、その違いがとても魅力的なのです。
「その人らしい農園だな。」
そう感じます。
競合よりも、自分に集中できるようになった

このことに気付いてから、とても気持ちが楽になりました。
もちろん今でも、同業者や似たターゲットのお店を調べることはあります。
ですが目的は、
「勝つため」
ではありません。
「自分らしさがきちんと伝わっているか」
「他との違いを、お客様に分かりやすく表現できているか」
そんな確認のためです。
意識は競合ではなく、自分自身とお客様へ向くようになりました。
「奪われる世界」か、「みんなで豊かになる世界」か

競合を見るとき、
「お客様を奪われる」
という世界観で見ることもできます。
一方で、
「それぞれが自分らしい価値を発揮できれば、みんなが良くなり、業界全体も豊かになる」
「勝ち」ではなく「価値」目指す、そんな見方もできると思っています。
どちらで考えるかによって、
毎日の気持ちも、行動も、大きく変わるように感じています。
実は、本に答えが書いてありました(笑)

最近、本棚を整理していたところ、数年前に読んだ経営コンサルタント・浜口隆則さんの著書
を読み返しました。
すると驚いたことに、
「今、自分が考えていることと、ほとんど同じことが書いてある。」
ということに気付いたのです。
本を読んだ当時は理解したつもりでしたが、本当の意味では理解できていなかったのでしょう。
実際に経営を続け、試行錯誤を重ねる中で、何年も経ってようやく腑に落ちた。
そんな少し恥ずかしい話でもあります。
おわりに
競争に勝つことが得意な人もいます。
それは一つの才能です。
一方で、私のように競争が苦手な人でも、経営を諦める必要はありません。
大切なのは、
誰かに勝つことではなく、自分の強みが活きる場所を見つけること。
その結果として、「戦わない経営」に近づいていけるのではないかと感じています。
もし今、
「競合が気になって一歩踏み出せない」
「自分らしい経営の方向性が分からない」
そんな悩みがあれば、一度立ち止まって、「自分自身」を見つめ直してみるのも良いかもしれません。
私は現在、新規就農や小規模農業、観光農園づくりを中心に、経営相談やコンサルティングも行っています。
「どうすれば競争に勝てるか」ではなく、
「自分らしい経営をどう形にするか」
そんな視点で一緒に考えていきたいと思っています。
お気軽にお問い合わせください。