ブルーベリー農園の下草のこれまでの変化~生物多様性のある環境へ~vol554

草の効能模式図 ブルーベリー
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

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ブルーベリーの森あづみのでは、下草を活かした「草生栽培」をしています。

この3年半ほどで、その下草も、かなり変化してきました。

その変遷を振り返りながら環境の変化を考察してみました。

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最初の頃の下草~イネ科牧草オンリー~

(最初はほとんどオーチャードグラスしかなかった)

栽培を始めた頃は、前作のオーチャードグラスというイネ科の多年草がほとんどでした。

オーチャードグラスを刈り取って、ブルーベリーを植えました。

1年後の下草~クローバーが増える~

オーチャードグラスを定期的に刈っていたところ、だんだんとクローバーが増えていきました。

もともと、細々と生育していたクローバーが、私がオーチャードグラスを刈ることで、

広がってきたと思われます。

特に春先は、ほかの草に比べてクローバーの芽吹きが早いため、勢力を広げやすかったように思います。

「信州鎌の名人」の中川原敏雄さんに、ブルーベリー農園で信州鎌(大鎌)の使い方を教えていただいたときに、

オーチャードグラスは、刈草が上にかぶさると、衰退するとおっしゃっていました。

その影響もあるのかもしれません。

その時の記事が月間現代農業に掲載されています↓

(ホワイトクローバー。匍匐性でランナーで広がっていく)

クローバーは背が低いので、果樹の下草としては管理しやすい牧草です。

根はあまり深く張らないですが、根粒菌と共生して、土壌に窒素を取り込んでくれます。

(こんもりしているのは、赤クローバー。株立ち型なのであまり広がらないため、野菜など一緒に育ててもOK)

2年後の下草~いろいろな草が増える~

そのうち、オーチャードグラス、クローバー以外にも、雑草が見られるようになりました。

牧草の隙間をぬってたくましく生育していました。

それぞれの植物には、土壌を整える役割があります。

代表的な草の役割は以下のとおりです。

植物の種類主な役割
イネ科根が深く張り、水はけをよくする。アーバスキュラー菌根菌ともよく共生する。
マメ科根粒菌と共生することで、地中に窒素を取り込む。
アブラナ科根酸を出して、地中のミネラル分を溶かしだして、利用できるようにする。
キク科・セリ科・シソ科虫よけ
ヒガンバナ科土壌の消毒
(参考:「属無肥料栽培を実現する本(岡本よりたか、マガジンランド)」)

そのため、私は多様な植物がある方がいいと思っています。

また、多様な環境が生まれることで、害虫を食べる天敵の数や種類も増えていきます。

牧草単体でも管理しやすいですが、ほかの植物も増えてきたのは、

そういう意味で、うれしかったです。

(牧草の間に、ヒメジオンなどが生えてきた)

この頃は、ヒメジオンやヒメムカシヨモギ、イヌタデ、セイタカアワダチソウなど、やせ地に生える雑草が中心でした。

夏には、隙間をぬうようにメヒシバなども生えるようになりました。

秋になると、倒れて「草マルチ」になります。

(メヒシバは秋になると倒れて「草マルチ」になる)

3年後(現在)の下草~肥沃なところに生える草が増える~

(春先は、春草の花が咲いて華やかになります)

そのうち、さらに雑草の構成がかわりました。

春草は、オオイヌノフグリ、ハコベ、ナズナ、ヒメオドリコソウなどが増えてきました。

これらは、水はけがよく、肥沃な土壌に生育する雑草なので、土壌が豊かになってきたのだと思われます。

一般的に、根を残しながら草刈りを繰り返していくことで、土壌が作物が育ちやすい環境になっていきます。

草の効能模式図

花が増えると、寄生バチなどが増えます。

環境が多様化すると、生物が増えて、害虫を食べる天敵も増えてきます。

最初の頃は気になっていた、ガの幼虫も、今は、みかけたら取る程度しか駆除していません。

そもそも、あまりみかけなくなりました。

ほとんどが、食べられてしまうようです。

(コマユバチに寄生されたヤマトシジミの幼虫)
(クローバーがやや減り、ハコベなどが増えてきた)

ブルーベリーが生育する土壌としても、よい状態になってきているのではないかと考えています。

そもそも、私は雑草オタクなため、楽しいです(笑)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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