脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
ブルーベリーの森あづみののある土地周辺は、扇状地で、火山灰由来の「黒ボク土」です。
畑には、とても石が多いです。
農作業をしながら、石をとっていますが、石を観察してみると、その土地の特徴がわかったりもします。
今回は、「畑の石」からわかる畑の特徴について書いて見ました。
石を観察するとわかること
見た感じでわかること
たくさん出て来る石は、ストックして、農園のガーデンづくりなどに使っています。
今回は、調査のために、畑の石を無作為に、いくつか拾ってきました。
パッと見て、全体的に角が丸く、どこかから流れてきて石だということがわかります。
ほとんど動いていないものは、角ばっていることが多く、
河川の流れや土石流などで運ばれてくると、その過程で角が丸く摩耗するためです。
石同士をぶつけたり、擦っててみると、硬さや表面の色がわかります。
金属音のような音がすれば、火山でできた石か、堆積物が長い年月をかけて圧着したものであることがわかります。
比較的新しい、泥岩などの新しい堆積物の石は、ドスッと鈍い音がします。
表面の色は白っぽいような部分もあります。
一部に石英など花崗岩由来の鉱物があるようにもみえます。
石を割ってみてわかること
水で洗って、表面の土を落とします。
ハンマーでたたいてみると、割れ方がわかります。
花崗岩由来のような物質が含まれているけれども、割れ方は層状で、板のように割れました。
純粋な花崗岩であれば、もっと固く、割れ目がきれいな層状にならないので、
おそらく、いちど風化した花崗岩がほかの砂や泥など一緒に堆積して、圧着した岩ではないかと思われます。
泥や砂などが堆積してできる粘板岩の一部に、花崗岩が風化したものが混ざっている感じに見えます。
白っぽい層状の物質はチャート(古代の海底の微生物由来の堆積物)っぽいです。
外からみると花崗岩っぽい石も、割ってみると石の中に、粘板岩がみられるので、
風化した花崗岩が泥やチャート、砂などと一緒に堆積していたことが、ここからもわかります。
地形や地質図からもほぼ推測はできますが、
実際に畑にある石から見ても農園のあたりの扇状地をつくった烏川の水系の上流。
粘板岩などで構成された山岳地帯、からやってきた石や土であるということがよくわかります。
石からわかる栽培に関係すること、まとめ
火山灰質の土壌は、一般に水はけがよいのが特徴で、果樹栽培などには適します。
一方、アルミニウムの含有量が多いため、土壌が酸性よりになると、溶けだしたアルミニウムで成長が阻害されることがあります。
火山の深い位置から、噴出されると、アルミニウムを多く含みますが、
例外的に火山の表面のマグマだまりから噴出された場合は、アルミニウムなどは比較的少ないようです。
花崗岩類は深成岩といって、深い位置でマグマが固まったものであり、
花崗岩と一緒に噴出された火山由来の土壌は、アルミニウムなどの含有量が多いという、火山灰土の一般的な傾向を示すのではないかと考えられます。
ちょっとだけ、マグマだまりの例外を期待していましたが、そうではないと考えた方が無難のようです。
ブルーベリー栽培の場合は、酸性よりになっても、エリコイド菌根菌という菌根菌がアルミニウムから守ってくれるため、とくに問題はないと思いますし、実際よく育っています。
無農薬栽培で育てていますが、菌根菌を守るためにも、引き続き、除草剤や農薬などを使用しないようにしようと思います。
また、野菜などの栽培においては、もみ殻燻炭などで土壌を酸性傾かせないようにするほか、
草生栽培で、やはり根を守ってくれるアーバスキュラー菌根菌などの活動が活発になるように環境を整えるのも大切だと思います。
畑の土について知るためには、
化学的に分析することも大切ですが、
地質・地形から「どのように生成された土なのか」
栽培や土地使用の履歴から「どういう使い方をしてきているのか」
も重要なヒントではないかと考えています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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