脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
いよいよブルーベリーの花も咲き始めました。
多年草の植物たちも、地上部を伸ばし始めています。
ブルーベリーの森あづみのでは、多年生の植物を中心に育てています。
その理由などについても書いてみました。
春の芽生えのブルーベリーの森あづみの
ブルーベリーの花もノーザンハイブッシュ系の早生品種(ウェイマウスなど)は、花が咲き始めました。
ブルーベリーの森あづみのでは9割以上はラビットアイ系品種ですが、30本ほどノーザンハイブッシュ系の品種があります。
もともと、私が趣味でポット栽培で育てていたものを移植したので、移植して間もないので、
まだまだ、そのポテンシャルが発揮できていない気がしますが、元気に育っています。
メインのラビットアイ系品種の開花はこれから咲いてきます。
また、ブルーベリーの森あづみのの園内には「ハーブガーデン」があります。
ハーブガーデンのハーブは多年草を中心としています。
マーシュマロウやベルガモットなどの地上部がニョキニョキと出てきました。
(↑ベルガモット。越冬して地上部が出てきました)
(↑マーシュマロウ。地方部が出てきています)
冬に枯れていたように見えますが、地下部は元気に生きていました。
(↑ブドウは根に栄養分を蓄えて越冬します。もう少しで芽が開きそう)
多年生の植物のメリット
多年生植物と一年生植物の違い
植物にはおおまかにわけて多年生のものと一年生のものがあります。
多年草は冬に地上部や一部だけが枯れたり、落葉したりした状態で冬を越して、春になるとまた葉っぱなどがニョキニョキとでてきます。
(↑原産地では多年生の場合でも、日本では冬があるので多くの野菜は一年生植物)
一年生植物は、冬前に枯れて、種として越冬し、また新しい個体として春に芽を出します。
厳密にいうと、多年植物は同じ個体で、一年生植物は違う個体ですが、
種族全体でみれば、ある意味では越冬する方法の違いとも言えます。
ブルーベリーは多年生植物で落葉をして枝に養分を蓄えて越冬するタイプです。
(↑ブルーベリーは落葉し枝に養分を蓄えて越冬します)
多くの落葉広葉樹はこのような方法で越冬しますが、ブドウなどのツル性のものは、根っこに養分を蓄えて越冬します。
また、ミカンなどの常緑樹は冬場にも少し光合成をしながら葉っぱに栄養分を蓄えて越冬します。
多年生植物を中心としている理由
ブルーベリーはもちろん多年生の植物ですが、それ以外のハーブなどの作物も多年生植物を中心としています。
これはパーマカルチャーの考え方から影響を受けています。
多年生植物を中心としてガーデンや森を形成し、一年生植物をそのすき間に配置することで、管理などの労力を軽減しつつ、多様性を確保できるためです。
多年生植物のメリットは、環境が適した場所に植えれば、毎年植える必要はなく、すでに根っこなどが張られているので、成長のスピードが速くいこと。
また、すでに根っこがを占有していていたり、個体が大きいので、一年生雑草などに負けにくいことです。
また、環境があっていれば、どんどん育てやすく収量も増えていきます。
ただし、毎年同じ場所にいるため、その分環境や品種などの最初の見極めがとても大切になります。
一年生植物は、種まきからはじまるので、育苗などの手間もかかります。
また雑草などにも負けやすいので、保育の労力も大きくなります。
しかし、多くの野菜は日本では一年生植物なので、必要不可欠なものでもあります。
また、受粉して種が作られるため、遺伝的に多様性が生まれます。
ブルーベリーの森あづみのでは、一年生植物は前述のとおり労力がかかるので、多年生植物で骨格となる環境を作りつつ、一年生植物を織り交ぜていくという方法をとっています。
多年生植物の意外に知られていないメリット
多年生植物のもう一つのメリットとしては「増やすのが簡単」です。
挿し木や株分けなどの行うことで、種まきから増やすよりも簡単に増やすことができるためです。
例えば、最初は2本しかなかったレモングラスも、株分けすることで50本ほどになりました。
株数としては一年で25倍になりました。
毎年株分けすれば、ねずみ算式に増えていきます。
挿し木もある程度、個体が大きくなれば剪定した枝が沢山でますので、それをとっておいて、挿し木をたくさんすることができます。
このように少なく初めて、大きく増やすことも多年生植物のメリットです。
なお、ライセンスのある品種、いわゆるパテント種を増やすことは禁じられているので、増やせる品種かどうかは注意が必要です。
まとめ
(↑マロウも多年生植物です)
多年生植物の方が優れているというわではなく、生き残るための戦略の違いです。
しかし、ブルーベリーの森あづみののコンセプトやパーマカルチャー的な環境づくりからは、多年生植物を中心に育てる方があってるように思います。
多年生植物で農園の骨格をつくりながら、一年生植物をおりまぜていくことで、多様性のある森のような環境づくり、そして、管理する労力の軽減を両立していきたいと考えています。
(参考資料・おすすめ本)
「虫といっしょに庭づくり」(ひきちガーデンサービス、築地書館)
私が虫の役割に関心をもつきっかけになった本です。
オーガニックの庭づくりの活動をされている「ひきちガーデンサービス」さんの著書で、単に害虫や益虫といった一部の概念だけではなく、生き物どうしのつながりという視点が見ることができるようになります。
さらに、ふだんみかける虫はかなり網羅しており、情報量もすごくあります。
オーガニックな農業必見の名著です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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