新規就農を考えたとき、
多くの人が最初に悩むのが「何を作るのか?」という問題です。
「せっかくなら、好きな作物を育てたい」
「でも、本当にそれで食べていけるのだろうか…」
そんな理想と現実の間で、
なかなか一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
実際、作物選びは単なる“好み”ではなく、
その後の経営を大きく左右する重要な意思決定です。
一方で、「売れるかどうか」だけで選んでしまうと、
今度は自身のやる気のエネルギーが続かなくなるという問題も出てきます。
では、何を基準に選べばいいのか?
この記事では、
「作りたい」という気持ちと
「ビジネスとして成立するか」という現実を、
どうバランスさせるべきかについて、
実体験も交えながら、
新規就農者にとって現実的な作物選びの考え方を解説します。
「作りたい」という気持ちを、出発点にする

まず大前提として大切なのは、
「自分が作りたい作物」であることです。
農業は、思っている以上に手間も時間もかかります。
うまくいかないことも多く、簡単ではありません。
だからこそ、
- なぜこれを作りたいのか
- どんなものを届けたいのか
という想いが、継続するための原動力になります。
そしてこの「好き」や「ワクワク」は、
結果として商品やサービスの質にも直結します。
ただし「商品化」は別の話

一方で、「作りたい」だけではビジネスは成立しません。
作物を選ぶということは、
「商品として成立するか」を考えることでもあります。
例えば、以下のような視点です。
- そもそも市場はあるのか?
- 市場規模はどれくらいか?
- 競合はどのくらいいるのか?
- 未開拓なら、認知を広げる必要があるのか?
- 自分が目指す売上に到達できるのか?
これらを感覚ではなく、
論理的に整理することが不可欠です。
ワクワクと現実、この2つを両輪にする

ここで重要なのは、
- ワクワクする気持ち
- 現実を冷静に見る視点
この一見相反するものを、
両輪として同時に回すことです。
どちらか一方に偏ると、
- 気持ちだけで突っ走って失敗する
- 現実ばかり見て動けなくなる
という状態になりがちです。
「誰もやっていない」はチャンスではないことも多い

よくあるのが、
「誰もやっていない作物をやりたい」
という考え方です。
しかしこれは注意が必要です。
なぜなら、
- 市場が存在しない
- あっても極端に小さい
という理由で、
「やられていないだけ」というケースが多いからです。
つまり、
誰も気づいていないのではなく、
やる必要がないからやられていない
という可能性を、常に疑う必要があります。
おすすめは「既存市場 × 差別化」

個人的におすすめしているのは、
すでに市場がある作物を選び、そこで差別化する方法です。
例えば、
- 市場規模が大きい
- すでに認知されている
こういった作物をベースにして、
- 品質
- 栽培方法
- 販売方法
- 体験価値
などを工夫し、
自分だけの価値を作るという考え方です。
この方法のメリットは、
- 市場をゼロから作る必要がない
- 売れる構造がすでにある
という点で、
リソースが限られる新規就農者には非常に相性が良いです。
私の事例:ブルーベリーでの差別化

私自身は、すでに広く認知されている
「ブルーベリー」という市場を選びました。
その中で、
- 有機認証の取得
- 「収穫技術」の徹底
という切り口で、
味を極限まで追求する方向に特化しています。
実はブルーベリーは、
収穫のタイミングや方法で味が大きく変わる作物です。
この部分を徹底的に磨くことで、
他とは明確に違う価値を生み出しています。
結果として、
- リピーターが増え
- 販売開始後すぐに売り切れる
という状態になっています。
特別なビジネスモデルではありませんが、
「市場 × 差別化」の積み重ねです。
そして何より、
「食べるなら、もっともっと美味しいものを食べたい!作りたい!」
という自身のシンプルなワクワクが、
すべての原動力になっています。
ゼロから市場を作るという選択

もちろん、
世の中にまだない価値を生み出すという挑戦も、
非常に意義のあることです。
ただしその場合は、
- 収益化まで時間がかかる
- 教育・認知のコストが大きい
といった特徴があります。
そのため、
- 別の収入源を確保する
- 長期的に取り組む前提を持つ
など、
「続けるための設計」が別途必要になります。
本当の意味での「覚悟」とは

新規就農の相談に行くと、
よく「覚悟が必要」と言われます。
しかし私は、それは
人生をかけたギャンブルをすることではない
と考えています。
本当の意味での覚悟とは、
- ワクワクを原動力にしながら
- 無理のない形を設計し
- 淡々と長期的続けられる状態をつくること
ではないでしょうか。
それを踏まえ、作物選びで大切なのは、
- 「作りたい」という気持ち
- 「商品設計」という戦略
この2つをバランスよく考えることが大切となってきます。
新規就農・作物選びのご相談について

ここまで読んでいただき、
- 自分に合う作物がわからない
- どうやって判断すればいいか迷っている
- 収益化のイメージが持てない
という方も多いかもしれません。
そういった方向けに、
作物選びや経営設計に関するご相談も受けています。
一人で悩むよりも、
整理された視点を持つことで、
意思決定の精度は大きく変わります。
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まずは、お気軽にお問い合わせください。

