農業を始める時、多くの人が最初に驚くものがあります。
それが、「農業機械の価格」です。
トラクター、管理機、バックホウ、草刈機、運搬車、ドローン…。
農業を始める前は、
「農家なら当たり前に持っているもの」
のように見えるかもしれません。
しかし実際には、
“どこまで機械に投資するのか”
という選択は、経営そのものを左右します。
特に新規就農者にとっては、非常に大きな負担になりやすい部分です。
スマート農業時代の「機械導入」

最近では「スマート農業」という言葉も広がり、
- ドローン散布
- GPS管理
- 自動運転
- AI解析
など、効率化技術が次々と登場しています。
もちろん、それ自体を否定するつもりはありません。
実際、機械化によって劇的に効率が改善する場面はあります。
ただ、導入を考える時に、
私はいつも一つの基準で見ています。
「その機械は富を生み出すのか?」

私は、機械を所有するかどうかを、
- 稼働率
- 富を生み出すか
という視点で考えています。
例えば、効率化のために高価な機械を導入しても、
年間のほとんどを倉庫で眠っている。
そんな状態なら、本当に必要でしょうか。
しかも機械は、
持っているだけでもお金がかかります。
- 維持費
- 修理代
- 保険
- 保管スペース
- 燃料
- 劣化
こうした“見えにくい固定費”は意外と重いです。
そのため、
「たまにしか使わない」
のであれば、レンタルで十分な場合も多いと思っています。
効率化は「売上拡大」とセットで考える

効率化という言葉だけを見ると、良いことのように感じます。
ですが重要なのは、
効率化した結果、利益が増えるのか?
という視点です。
例えば、
- 栽培面積を広げる
- 管理できる本数を増やす
- 作業時間を減らす(人件費の削減や、自分が他のことに使える時間が増える)
- 売上を伸ばす
こうした「富を生み出す流れ」とセットになっているなら、
機械投資は意味を持ちます。
逆に、
「なんとなく便利そう」
「みんな持っているから」
「スマート農業が流行っているから」
だけで導入すると、
機械に経営を圧迫されることもあります。
「長く続ける」という視点も重要

一方で、機械にはもう一つ重要な役割があります。
それが、
身体への負担を減らすこと
です。
農業は体力仕事です。
若い時は問題なくても、
10年後、20年後を考えると話は変わります。
特に高齢化社会では、
「長く農業を続けられること」
そのものが、大きな価値になります。
つまり、
機械は直接売上を生まなくても、
“継続可能性”という形で富を生む
とも言えるのです。
私の農園は、かなりミニマムです

ちなみに私は、
基本的には機械をあまり持たないようにしています。
理由は単純で、
機械は持っているだけでお金がかかる
からです。
そんな中で、
現在しっかり活躍しているのが「乗用モア」です。
ブルーベリーの収量を支えるためには、
広大な面積の草刈りを頻繁に行う必要があります。
そのため稼働率は非常に高く、
近所の草刈りを請け負うこともあります。
つまり、
しっかり“富を生み出している機械”
だと考えています。
その他には、
- 近所の方から頂いたスパイダーモア
- 家庭菜園用の小さな中古管理機
くらいしかありません。
ダンプやバックホウを使うこともありますが、
使用頻度が少ないため、全てレンタルです。
トラクターも、軽トラもありません

私は草生栽培で、
基本的に耕さない栽培をしています。
そのため、
トラクターも所有していません。
さらに言えば、
軽トラすら持っていません。
かなり“農家らしくない”かもしれません。
ただ、
ミニマムを追求していった結果、
今の形になりました。
「農家だから持つ」ではなく、「経営として必要か」

もちろん、
たくさんの機械を所有することを否定するつもりはありません。
経営上必要で、
しっかり利益につながるなら、
所有するべきだと思います。
ただ、
- 農家なんだから
- みんな持っているから
- なんとなく良さそう
- トレンドだから
という理由だけで導入すると、
後から固定費に苦しむこともあります。
だからこそ、
「導入基準」を事前にシビアに決めておく
ことは、とても重要だと思っています。
〜機械は「目的」ではなく「手段」〜

私自身、
農業に参入した時、
「機械って、売っているものの価格に対して高すぎないか?」
と強く感じました。
もちろん、
耐久性や専門性があるのは理解しています。
ただ、
その違和感があったからこそ、
「本当に必要なのか?」
を深く考えるようになりました。
今のスタイルは、
そうした自分なりの“落とし所”でもあります。
農業機械は、
経営を助ける強力な武器になります。
一方で、
使い方を間違えると、
経営を圧迫する重い固定費にもなります。
だからこそ大切なのは、
- 稼働率は高いか?
- 富を生み出すか?
- 長く続ける助けになるか?
- 本当に今必要か?
を冷静に考えること。
「持つこと」が目的ではなく、
“どんな経営をしたいのか”
から逆算して選ぶことが大切だと思っています。
新規就農・小規模農業の相談について

私は、大規模化だけを前提にしない、
- 小さく始める農業
- 固定費を抑える考え方
- ミニマムな設備投資
- ブルーベリー栽培の現実
なども含めて、実体験ベースでご相談を受けています。
「何にお金をかけるべきか分からない」
「機械投資の判断に悩んでいる」
「小規模でも成り立つ形を考えたい」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
