今年の生ブルーベリーの季節は、終わりました。
夏の間、たくさんのお客様にブルーベリーを味わっていただきましたが、これから少しずつ始まるのが「冷凍ブルーベリー」の販売です。
当園では、例年10月頃から冷凍ブルーベリーを販売しています。
ブルーベリーは、冷凍保存との相性がとても良いフルーツです。

糖度の高い実は完全にカチカチには凍らず、冷凍庫から取り出して少し置くと、シャーベットのような食感で、そのまま食べることができます。
ヨーグルトに入れたり、スムージーにしたり、ジャムやお菓子づくりに使ったり。
そして、農家にとっては、旬の時期だけでなく、年間を通して販売できるというのも、とてもありがたい特徴です。
美味しい冷凍ブルーベリーをつくるコツ

では、
「美味しい冷凍ブルーベリーをつくるには、何か特別なコツがあるのか?」
というと、実は私が一番大切だと考えていることは、とてもシンプルです。
収穫するときに、しっかりと美味しい実を見極めること。
これに尽きます。
ブルーベリーは、収穫のタイミングによって美味しさが大きく変わる果物です。
見た目が青くなったからといって、必ずしも一番美味しいとは限りません。
樹の上でしっかり熟して、甘みや風味が十分に乗った実を見極めて収穫する。
そのために、一粒一粒を見ながら、食味も確認しながら収穫していきます。
当園では、生果実の販売を通して、この「収穫技術」を少しずつ磨いてきました。
ありがたいことに、全国のお客様から生ブルーベリーの美味しさについて、高い評価をいただいています。
そして、その収穫の考え方は、冷凍ブルーベリーになっても変わりません。
生果実と同じように収穫する

当園の冷凍ブルーベリーは、
「生果実として販売できなかったものを冷凍している」
というものではありません。
生果実として販売しているブルーベリーと、基本的に同じように、しっかり美味しい状態を見極めて収穫しています。
だからこそ、冷凍しても「シーズンの美味しさ」を楽しんでいただけます。
実際、完熟したブルーベリーを収穫後に冷凍し、旬の味わいを楽しむ商品は各地でも販売されています。
もちろん、収穫だけで終わりではありません。
収穫したブルーベリーは洗浄し、しっかりと水を切ってから保管するなど、冷凍するまでの品質管理も丁寧に行っています。
こうした工程も、もちろん大切です。
ただ、それ以上に大切なのが、
「そもそも、どんな実を収穫したのか」
ということなのです。
「規格外だから冷凍」ではない

農業を始めたばかりの頃は、
「生で売れないものを加工品にする」
という発想を持つこともあると思います。
もちろん、それも一つの商品づくりの方法です。
しかし、私が冷凍ブルーベリーをつくるときに考えているのは、それとは少し違います。
美味しいものを、別の形でも楽しんでもらう。
そのための冷凍です。
だから、規格外品を集めて冷凍しているわけではありません。
本気で美味しいと思えるブルーベリーを、本気で収穫して、その美味しさを冷凍で残しています。

その結果、
「冷凍ブルーベリーって、こんなに美味しいんですね」
と言っていただける商品になっています。
特別なことより、当たり前のことを積み重ねる

起業や新規就農を考えている方から、
「何か特別な商品をつくらなければ」
「他の農家にはない技術が必要なのでは」
と相談されることがあります。
もちろん、独自性や技術は大切です。
でも、商品づくりの土台になるのは、案外シンプルなことなのだと思います。
良い素材をつくる。
美味しいタイミングを見極める。
丁寧に収穫する。
品質をきちんと管理する。
そして、それを毎年、コツコツ続ける。
当園の冷凍ブルーベリーも、特別な秘密があるわけではありません。
「美味しい実を、ちゃんと収穫する。」
たったそれだけのことを、毎日の仕事として積み重ねてきた結果です。
農業の商品づくりでは、目新しいアイデアばかりに目が向きがちです。
けれども、お客様が「また食べたい」と思ってくださる商品をつくるためには、まず素材そのものを良くすること。
その基本を、私はブルーベリーの収穫を通して学んできました。
今年の生ブルーベリーの季節は終わりましたが、これからは冷凍ブルーベリーという形で、またシーズンの味をお届けしていきます。
本気で美味しいブルーベリーを、本気で冷凍する。
そんな気持ちで、今年も冷凍ブルーベリーを準備しています。
