SNSやブログなどで情報発信をしていると、
「真似された」
「パクられた」
と感じる場面に出会うことがあります。
時間や労力をかけて考えたこと。
失敗と試行錯誤を繰り返しながら積み上げてきたこと。
それをリスペクトもなく、あたかも自分の成果のように扱われる・・・・。
正直なところ、気分の良いものではありません。
私自身もそうした経験があります。
一生懸命考えたやり方や、研究してきた成果を、何の敬意もなく利用されたように感じたこともありました。
しかし、そんな時こそ考えたいことがあります。
真似されるものは「良いもの」である

まず一つ目。
真似されるということは、それだけ価値があるということです。
誰も価値を感じないものは真似されません。
商品もサービスも技術も情報も同じです。
「真似された」という事実は、
「それだけ良いものを生み出せた」
という証拠でもあります。
もちろん不快な気持ちになることはあります。
ですが、自分が積み上げてきた努力そのものまで否定されたわけではありません。
むしろ、その価値が誰かに認められた結果とも言えるでしょう。
実はに真似できるのは「結果」に限定される

もう一つ大切なのは、
実は結果だけを真似しても、本質までは真似できない
ということです。
例えば私が何か一つの方法を採用したとします。
しかし、その結論に至るまでには、
A案
B案
C案
と様々な可能性を検討しています。
最終的にA案を選んだとしても、
「なぜB案をやめたのか」
「なぜC案ではなかったのか」
という背景まで理解しているのは本人だけです。
もしA案に問題が発生したとしても、
「ではB案に戻そう」
「今度はC案を組み合わせてみよう」
と修正できます。
なぜなら、そこまでの検討過程を知っているからです。

一方で表面的な結果だけを真似した人は、その背景を知りません。
だから同じ問題が起きた時に対応できないことがあります。
本当に価値があるのは結果ではなく、その結果に至るまでの思考と経験の積み重ねなのです。
真似すること自体は悪いことではない

誤解してほしくないのですが、私は真似をすること自体を否定するつもりはありません。
むしろ最初は真似から始まることの方が多いでしょう。
農業技術も経営も、先人たちの知恵の積み重ねの上に成り立っています。
私自身も多くの方々から学ばせていただいています。
問題なのは、
感謝とリスペクトを持って学ぶのか
それとも
成果を奪ってやろうという気持ちで近づくのか
という違いです。
同じ行動でも、その姿勢によって全く別のものになります。
知恵は共有すると進化する

以前、私がブログで「種を水につけてから、蒔く方法」を紹介したことがありました。
すると、その方法を参考にしながら、さらに効率的に改善した蒔き方を考えてくださった方がいました。
その内容を教えていただき、
「なるほど、そんな考え方があるのか」
と私自身も大変勉強になりました。
そして私もさらに改良を考えることができました。
そこには感謝とリスペクトがあります。
だから情報交換が生まれます。
そして知恵が進化します。
発信した側も学び、
受け取った側も学び、
さらに良いものが生まれていく。
これこそ健全な模倣の形だと思います。
奪おうとする人は、自分の魅力を奪っている

一方で、
「奪ってやろう」
「横取りしてやろう」
という発想で行動する人もいます。
しかし、その考え方には大きな落とし穴があります。
自分が人の成果を奪おうとしていると、
「今度は自分も奪われるのではないか」
という不安を抱きやすくなります。
なぜなら、自分自身がそうしているからです。
すると、
情報を隠す
出し惜しみする
警戒ばかりする
という状態になりやすくなります。
結果として発信が窮屈になり、自分らしさや魅力まで失ってしまうことがあります。
奪っているようでいて、実は自分の可能性を削っているのです。
日本のものづくりに学ぶこと

歴史を振り返ると、日本のものづくりも海外技術を参考にして発展してきました。
しかし単なるコピーではありません。
元の技術に敬意を払いながら、
より使いやすくする
地域に合うように改良する
品質を高める
という取り組みを続けてきました。
日本で改善された技術が海外へ逆輸入されることも少なくありません。
そこにはリスペクトがあります。
だから独自の価値が生まれました。
真似から始まっても、その先に創造があるのです。
本当に大切なものは奪われない

自分が積み重ねてきた経験。
失敗から学んだこと。
何度も考え抜いた試行錯誤。
こうしたものは、本当の意味では誰にも奪えません。
表面的な形は真似できても、その背景にある経験までは持っていけないからです。
だからこそ、必要以上に恐れる必要はありません。
感謝とリスペクトを持って学ぶ。
そして自分も感謝とリスペクトを持って発信する。
そんな積み重ねが、結果としてより良い知恵や価値を生み出していくのだと思います。
