脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
いよいよブルーベリーの花も咲き始めました。
そしてまわりには「ブルーベリー以外の花」
作物の花も作物以外の花もとっても大切。
今回は花の大切な役割について書いてみました。
ブルーベリーの花が咲き実になるためには
ブルーベリーの実がなるためには「受粉」が必要です。
受粉とは、雄しべの花粉が雌しべの柱頭に付着することですが、付着すると「受精」がおこなわれ、実ができて種ができるというメカニズムです。
このプロセスを経ないと花が咲いても実が成りません。
もともと、植物は、子孫を残す戦略として、受粉して遺伝的に多様性のある種が生まれ、それを鳥などに食べてもらって広範囲に子孫を広げていくという目的で、実をつけます。
その一部を人間が利用させてもらっているのが果樹栽培です。
植物は花を咲かせて、蜂などの小動物を呼びよせて、花粉を運んでもらったり、受粉を手伝ってもらいます。
花粉症の原因となっている、スギのように、風によって花粉を運ぶケースもありますが、地球上の7割ほど植物は虫媒花。虫によって花粉を運んでもらう植物だそうです。
そのため、昆虫が絶滅すると植物の多くが絶滅してしまい、人間も含めた動物も絶滅してしまいます。
ブルーベリーの花は小さすぎて、とても人工授粉できませんが、毎年しっかり受粉できるのは、昆虫たちのおかげです。
花が多い環境の意味するもの
作物以外の「雑草」も花をつけます。
その多くは小さくかわいい花です。
よく観察していると、ミツバチやチョウはさかんに雑草の花にも飛び交っています。
花の蜜は、多くの寄生バチの成虫やヒラタアブの成虫、見えないくらい小さい昆虫のエサになっています。
寄生バチは、害虫となるガの幼虫の重要な天敵です。
(↑寄生バチ(コマユバチ)の繭)
花が豊富な環境は、必然的に生物の数や種類を増やすので、天敵も増えていきます。
こういった、自然がもともともっている機能を発揮する環境づくりが、無農薬栽培にはとても重要だと思います。
特に春の草は草丈があまり多きくならず、花を多く咲かせる、そして、ある程度、イネ科が中心の背丈が大きくなる夏草を抑える効果もあるため、なるべく刈らずに残しています。
小さな花と小さな昆虫も大切にしていきたいです。
(参考資料・おすすめ本)
「虫といっしょに庭づくり」(ひきちガーデンサービス、築地書館)
私が虫の役割に関心をもつきっかけになった本です。
オーガニックの庭づくりの活動をされている「ひきちガーデンサービス」さんの著書で、単に害虫や益虫といった一部の概念だけではなく、生き物どうしのつながりという視点が見ることができるようになります。
さらに、ふだんみかける虫はかなり網羅しており、情報量もすごくあります。
オーガニックな農業必見の名著です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※「にほんブログ村」のブログランキングに参加しています。 よろしければ、画像をクリックしていただけるとランキングに反映され、励みになります。