脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
私はいわゆる「脱サラ組」で農家になったのですが、
その前は地方公務員(県職員)をやっていました。
独立する前、少しの期間、農業法人で働いていたこともありますが、
13年間公務員をやっていたので、どうしても「前職」というと公務員時代の方が思い浮かびます。
特に、独立して自分で経営するようになり、感じているのは、サラリーマン(公務員)時代の経験やスキルがかなり役に立つということです。
具体例も踏まえて書いてみます。
サラリーマンの経験は農業に役に立つ
「脱サラして農業」というと、何となく人生の大きな決断のようなイメージがあるように思います。
たしかに大きな決断であることは間違いありません。
個人的にはサラリーマンと一番違うのは、農業云々ではなく、「独立自営」になったという部分の方が大きいと思っています。
お金が入ってくる仕組みや優先順位などのルールが全く異なるためです。
一方で、働くルールや環境が変わっても、もちろん、サラリーマン時代と同じようなスキルが必要な場面もあります。
ここ数年で実感したのは、公務員時代に身につけた経験やスキルが役に立場面は意外にたくさんあるということです。
一般に、「つぶしが効かない」というイメージの公務員の経験も、実は結構役に立っています。
具体的に紹介します。
実際に役に立った公務員時代の経験やスキル
プレゼンスキル
農業は作物と向き合っている時間も長いですが、意外に人と向き合うことも多い職業だと思います。
お客様や販売先などとの調整など、「人」の要素は大きいです。
実は、公務員という職業は、内部外部問わず、「説明すること」(プレゼン)がかなり多い仕事です。
内部で幹部などに説明する、外部での問い合わせや苦情などにも説明する。
私は公共工事なども担当していたので、用地の説明をする・・・・とにかく説明と資料作りばかりやっていました。
当時は、大変だとばかり思っていましたが、人に説明するスキルは完全に「場数」なので、たくさんこなせば、誰でも、それなりにうまくなります。
こういった説明・プレゼン能力は、農地の所有者の方や様々な人との調整の場面で活きてきています。
行政とのやりとりや書類づくり
私は、新規就農の補助金などをもらわない方針にしているので、農政関係の機関との比較的は少ないの方だと思います。
しかし、当初、農地を探している際や、観光農園でのかき氷などを提供しており、食品営業居許可を取る際などには行政機関とのやりとりがありました。
自分自身も公務員であったこともあり、相手の出方や考えていることがなんとなくわかる(読めることが多く、けっこう役に立っています。
また、農地を借りる際や各種申請手続きなどで意外に書類を作る場面も多いです。
公務員時代は書類を作る仕事が多く、現在でも、書類づくりがあまり苦になりません(笑)。
法律に関するスキル
農地法などをはじめ、各種法令や制度について、調べたり、大事なポイントがどこかなど、「法令や制度の見方」が意外と役にたちます。
法令や制度を知っていると農業でもけっこう有利です。
法律や制度も「慣れ」の部分が大きいので、そういったものに多く触れてきた経験は役に立ちます。
ブログ
書類づくりと少し似ていますが、ブログを書く際にも役に立っています。
公務員の仕事は、説明資料や書類などを作ることが多く、「わかりやすくまとめる」というスキルは、ブログにまとめるなど、そういった場面にも活きてきます。
測量設計や森林の知識
私は「林業」という技術系の公務員で、山林での森林整備や災害復旧工事などの仕事もしていたので、
測量や作図、設計などが比較的得意です。
農地を測量したり、観光農園などの計画図をCADなどを使って作成したりと、測量設計のスキルは結構役に立ちます。
また、山づくりなどの知識が農業にも役立つことが多く、現在の観光農園の方針にもつながっているように思います。
まとめ
公務員時代は技術職とはいえ、基本的にはデスクワークが主な仕事でもあったので、農業は全くの「畑違い」なのかもしれませんが、
一方でサラリーマン時代の経験やスキルが役に立つ場面はかなりあると思います。
最初私は、「全く違う道に行くのだから・・・・もうこの仕事では使わないし・・・」と、ある意味でいままでのスキルや経験を否定していたように思います。
しかし、実際には、活かせることも多く、全部ひっくるめて使って、全部見せていった方がより楽しいと思います。
さらにそれが、その人や農園の個性にもつながってくるのではないでしょうか。
脱サラして農業を始めたい方などに少しでも参考になればうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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