本当に暑かった?!2024年ブルーベリーシーズン気候レビュー~8月編~vol854

脱サラ農業・起業
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脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。

農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。

有機JAS認証を取得した「オーガニックブルーベリー」を栽培しています。

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ここ数年は「夏が暑い」という印象をお持ちの方も多いのではないかと思います。

私もブルーベリーシーズンは屋外にいることの方が多いので、体感としてはそう感じています。

データ的にみた場合、実際のところはどうなんでしょうか?

今回は、気象庁の観測データを元に2024ブルーベリーシーズン(概ね8月から9月)の気候(気温と降水量)の振り返りを書いてみました。

なお、この記事では、気象庁の公式WEBサイトの気象データ(観測所「穂高」)を元に検定と解析をしています。

検定方法は、t検定(片側検定、両集団の分散が等しくないと仮定、有意水準5%)を用いています。

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2024年8月の気候

8月の気温

過去10年の平均(2013年~2022年)の平均と比較すると、以下の値でした。

  • 平均気温26.1℃(過去10年平均は25.0℃)
  • 最高気温32.3℃(過去10年平均は31.1℃)
  • 最低気温22.1℃(過去10年平均は19.7℃)

いずれの数値も、過去10年平均より統計的に有意な差(偶然ではない差)があるものでした。

気温は、過去10年平均より、高く、温暖化の傾向が見られます。

しかし、過去5年平均と比較した場合は、有意な差はありませんでした。

温暖化の傾向は見られますが、ここ5年程度に限って言えば、気温には大きな差がないと言えます。

8月の降水量

降水量は、10年平均と比較すると以下の数値でした。

  • 362mm(過去10年平均は129.2mm)

降水量は、過去10年平均と比べ、有意に多いという結果になりました。

過去5年平均と比較しても、有意に多く、少なくとも、ここ10年の間では、稀に見る降水量の多であったと言えます。

2023年と比較した場合

気温は、有意に低く、降水量は有意に多いという結果になりました。

2024年8月は2023年と比較すると、気温は低く、雨が多いとう結果になりました。

気温がブルーベリー栽培にもたらした影響

ブルーベリーの森あづみので栽培しているブルーベリーの品種系統は9割以上ラビットアイ系ブルーベリーです。

ラビットアイ系ブルーベリーはもともと暖地向け品種なので、ブルーベリーの中では比較的暑さや乾燥には強い品種系統です。

しかし、2023年では、品種によっては実がシワになるような現象が見られました。

品種で言えば、ブライトウェルやティフブルーなどに比較的多く見られた印象です。

2024年は、2023年よりは、気温が低く、降水量が多い条件でしたので、比較すると乾燥しにくい環境であったと言えます。

そのためか、2024年8月は、実がシワシワになる現象は、あまり見られませんでした。

実がシワシワになる現象はブルーベリーの発達段階にもよる場合があるようですので、一概には言えませんが、気候(気温と降水量)も一因である可能性があると言そうです。

2023年8月に見られたブルーベリーの実のシワシワ

2024年8月の後半には台風10号の影響により、雨が続いた期間もあり、その期間に熟していたオースチンなどの品種の実の痛みがやや見られました。

しかし、意外なことに、2024年の8月は降雨が多い年にもかかわらず、雨で実が割れるということは、あまり見られませんでした。

2021年8月に連日でまとまった降雨があった時とは対照的でした。2021年の時はかなり実が割れました。

2024年の8月の雨は連続で降り続いたというよりは、夕立のような雨が数日おきに降っていました。

その時に熟期になる品種が割れやすい品種かどうかという影響も、もちろんあるとは思いますが、

実が割れるという現象は、連続する降雨量という条件も大切のように思います。

2024年8月の気候まとめ

2024年8月の気候は、10年平均を基準とすると、暑く、雨が多い年であったと言えます。

しかしながら、近年と比較すると暑さは普通であったと言えます。

暑さと降水量の少なさが重なると、乾燥しやすいですので、比較的乾燥しにくい年であったとも言えます。

うちの農園の場合ですが、ブルーベリーの実は、降水量のわりには痛みが少なく、シワシワになることも少なかったため、それほど栽培の条件は悪くなかったと言えます。

9月については、また別記事でまとめたいと思います。

「感覚」と「データ」

私は、仮説は観察と「感覚」で考える、ことが多いですが、結論を出すときには、なるべく「データ」もセットで考えるようにしています。

「今年は暑かった」とかいう自分の感覚が本当なのか、単純に自信がないからです(笑)

 もちろん、データが全てではありませんが、データは、偏見を持たずに物事を見極めたり、自分自身や他者への説得力を持たせるには役に立つように思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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