脱サラ元公務員、現在はブルーベリー&パーマカルチャーの農園をやっています 神崎辰哉(かんざきたつや(@ttykanz) )です。
農園の名前は長野県安曇野市、北アルプスの山麓で「ブルーベリーの森あづみの」といいます。
私は、ブルーベリー、ヘーゼルナッツ、ハーブの栽培農家ですが、
無農薬無化化学肥料で自家消費の野菜も育てています。
今回は、タマネギの植え付けについて書いてみました。
越冬するためちょっと気難しいタマネギ
タマネギは、中央アジアの比較的冷涼な地域が原産のユリ科の植物です。
水はけの良い、弱酸性から中性の、ユリ科の中では最も肥沃な土壌を好みます。
品種にもよりますが、貯蔵がきくので人気の野菜です。
昨年、タマネギが高騰していたような印象があります。
タマネギは春先に肥大するときに、リン酸が必要になりますので、リン酸の不足しがちな火山灰土では特に注意が必要です。
うちの畑のような土(火山灰質の黒ボク土)では要注意です。
大きくなってから、冬の寒さにあたると、春先にトウだちする(花が咲く)ため、植え付けてから冬に生育が停止するまでに、あまり大きくなるのも避ける必要があります。
トウだちすると、タマネギの部分が固くなってきてしまうので、通常のタマネギとしては収穫できません。
かといって、あまりに小さいまま冬越しすると、あまり大きくならないので、ちょっと気難しい作物です。
なお、トウ立ちした場合は、すぐに、葉タマネギとして収穫します。
葉タマネギは葉も小さなタマネギも食べられて、けっこう美味しいですが、貯蔵ができません。
うまくいっても、2~3割くらいはトウ立ちすることも多いので、ほしい数量に少し余裕をもたしておくとよい気がします。
タマネギの植えつけの事前準備
植えつけの2週間から1月ほど前に、土壌酸度をチェックして、酸性よりになっていれば、全体的にカキ殻石灰かもみ殻燻炭を撒いておきます。
植えつけは、株間12~15cm、条間30cmほどが基本になります。
株間は、広すぎても、狭すぎてもよくないようですが、条間はレイアウトに応じて、適宜変更してOKだと思います。
うちの場合は、エダマメの跡地、円形のレイアウトにしており、条間50cmほどになっています。
除草をしつつ、深さ8cmほどの溝を掘ります。
溝に薄く、「バッドグアノ」と「もみ殻燻炭」を撒き、少し土となじませておきます。
バッドグアノはこうもりのフンが発酵したもので、リン酸を豊富に含んでいます。
もみ殻燻炭は、タマネギの好む弱酸性~中性よりに土壌酸度を調整してくれるとともに、微生物の住み家にもなります。
私は、野菜づくりでは基本的には無肥料で、使ってもわずかな米ぬかなどしか使用しませんが、
タマネギとトウモロコシだけは、品種改良の影響なのか、完全な無肥料の栽培が難しいと考えています。
育たないわけではありませんが、収穫物がかなり小さくなってしまうことが多いです。
家で調理する時使いにくいのでそこそこの大きさになってほしい・・・。
特にリン酸を必要とするタマネギとリン酸が不足する火山灰土の相性があまりよくないので、リン酸だけは補うようにしています。
タマネギの植え付け
12~15cm間隔 でタマネギを植え付ける
12~15cm間隔で植えていきます。
苗は20~25cmほど、太さ5mmほどが理想です。
もともと土に植わっていた部分(白くなっているところ)まで土を被せます。
今回育苗した苗は、寒い日が続いたせいか、少し小さくなってしまいました。
しかし、根はよく張っています。
品種は「平安球型黄」です。
一般的に購入した苗は、根がカットしてあったり、小さなトレイで育てられていて、根が少ない場合が多いですが、自分でゆったりした容器か畑の苗床で育苗すると、根がしっかり張ったものになるような気がします。
長さ、15cmほど太さも3mm程度でした。
小さい苗は、単独だと消えてしまうことがあるので、2本まとめて植えました。
うまくいけば、中くらいのタマネギは2つ並んでできます。
米ぬかと油かすをまく
米ぬかと油かすを1:1で混ぜたものを、1m2あたり1kg蒔きます。
米ぬかと油かすは生の材料なので、分解するのに時間がかかりますが、春先の肥大期に分解されて吸収されます。
一般的には、春先に追肥しますが、このまま追肥はしません。
蒔いたあとに、草マルチかもみ殻を被せます。
保湿と霜柱などで苗が浮き上がるのを防止する働きがあります。
今回は、草マルチをしました。
試しにミニタマネギを植えてみた
今年収穫して残っていた、小さなタマネギを試しに植えてみました。
うまくすれば肥大して大きくなるかもしれません。
タマネギはまだまだ試行錯誤中ですが、今のところ、このようにやっております。
なお、この方法や記事の記載内容については、以下の書籍を参考とさせていただいています。
(参考書籍)
〇これならできる!自然栽培( 竹内孝功 、農文協)
〇とことん解説!タネから始める無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜(著・新田穂高、監修・ 竹内孝功 洋泉社)
また、来春の様子をレポートしていきたいと思います。
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